鍵はデッキコンセプト実現の最大化!間違えないデッキ初稿の作り方。

お疲れさまです、チームトキワの楓です。

今回は友人や質問箱にも時折相談いただいていたデッキの作り方や考え方についてちょっと書いてみようと思い記事を作成させて頂きました。

普段から無限デッキ製造マシンと一部の友人に言われるほど無限にデッキをつくっている私ですが、全然勝てないデッキを無限に作っても意味はないという事で、ある程度デッキ作成の時に気を付けている点などについて書いていますので、私レベルでお役に立てるかはわからないのですが、ぜひ読んでいただければ幸いです。

※理論云々という内容ではなくかなりシンプルなお話なので期待しないでください笑笑


今はすごいいい時代になったなぁと思えるほどにネットを開けばあらゆるジムバトルや大型自主大会、公式大会などで使われたデッキレシピが転がっています。

初心者の方もネットでデッキ名を検索してカードをそろえられれば、トッププレイヤーに近い構築を作る事がたやすくなりました。
みなさんもいわゆる、「〇〇さんが結果を残したコピーデッキ」を使ったことはあるのではないかと思います。


数人しか参加者のいないジムバトルの結果では残念ながらあてにはできませんが、大型大会である程度の結果を残したデッキは「強いデッキ」である事はおおむね間違いありません。
ですが、いざコピーしてつかってみると「全然勝てないんだけど…なんでこれ結果だしてるの…」「なんでこれあのカード入ってないんだ」「このカードいらなくないか」という事があるケースに心当たりはありませんでしょうか。
そういったデッキはその人がその環境に対して色々と考えた結果に細かく調整されている事が多かったり、そのデッキを組んだプレイヤーとプレイングの志向が違ったりする為に、そういったズレがおきてきます。細かい1枚採用のカードをうまく扱えない…などなど。
そうった時にデッキをいじっていじってを繰り返してるうちにどんどん迷走してしまうと本来のデッキパワーを出せずに勝てなくなってしまいます。
そういった時はそのデッキの「コンセプト」を遂行できるカード以外を一度すべて見直してみましょう。

★勝てない時こそシンプルに!コンセプト遂行率最大化のススメ。
ポケモンカードをはじめたての方から「勝てない」「デッキが回らない」と相談を頂くケースも最近はあるのですが、基本的にポケモンカードを始めたての方の場合下記のルールを守ってデッキを調整すると勝てる様になります。

・1枚だけの採用カードをすべて見直す。
・デッキを回すカードとメインのコンセプトを3~4枚にする。
・メインではないがほとんどの試合で1度使うカードは2枚にする。

当たり前の事に見えますが、意外とやってしまいがちないわゆる「ピン刺し」
時々すごい量のピン刺しカードだらけでなんのデッキかわからなくなってしまっている初心者の方がいて
「〇〇が引けなくて…」と負けてしまっているのを見るのですが、それは途中や終盤にその細かいカードを取りに行くよりも
序盤からしっかりデッキを回した方が勝てる。という事から視点が離れているという事を忘れがちです。

たとえば下記はもともと何かのジムバトルかなにかで結果を出していたデッキをベースに自分なりに初稿を考えて構築されたそうですが、
なかなか勝てないとご相談いただいたとある方のデッキ。このレシリザを題材にして、構築の考え方を書いていきます。

【ビフォー】
◆ポケモン 15
レシラム&リザードンGX 2
テールナー&リザードンGX 1
ミュウツー&ミュウGX 1
ヒードランGX 1
ボルケニオン 1
ビクティニプリズムスター 1
カプ・テテフGX 2
デデンネGX 1
ジラーチ 2
アブソル 1
ウソッキー 1
マーシャドー(やぶれかぶれ) 1
◆サポート 9
溶接工 4
カキ 1
グズマ 2
アセロラ 1
ククイ博士 1
◆グッズ 20
ハイパーボール 2
プレシャスボール 2
ネストボール 2
あなぬけのひも 1
ポケモンいれかえ 1
炎の結晶 2
こだわりハチマキ 2
フィールドブロアー 1
リセットスタンプ 2
エスケープボード 2
グレートキャッチャー 1
グレートポーション 1
ぼうけんのカバン 1
◆スタジアム 4
ヒートファクトリープリズムスター 1
巨大なカマド 2
無人発電所 1
◆エネルギー 12
基本炎エネルギー 12


2ヵ月でここまでいろいろ考えられるのも十分素敵だと思うのですが、やはりいろいろなカードが入りすぎていて、毎回対戦ごとに同じ動きが出来そうにありません。
もう何を抜いてどれを入れたのかの構築の経緯もわかならない感じになっていたので
一旦シンプルでわかりやすく、デッキコンセプトを突き通せるデッキとして下記調整で提案させて頂きました。

【アフター】
◆ポケモン 13
レシラム&リザードンGX 4
ヒードランGX 2
カプ・テテフGX 3
デデンネGX 2
ジラーチ 2
◆サポート 11
溶接工 4
カキ 2
グズマ 3
ククイ博士 2
◆グッズ 18
ハイパーボール 2
プレシャスボール 4
ポケモンいれかえ 2
こだわりハチマキ 3
リセットスタンプ 2
エスケープボード 2
グレートキャッチャー 2
◆スタジアム 3
ヒートファクトリープリズムスター 1
巨大なカマド 2
◆エネルギー 16
基本炎エネルギー 16

★主な変更点
まず、全体を通して、デッキに入っているカードの種類が<34種類から19種類まで減っています。>

この「レシリザ」デッキ。のコンセプトは
<レシリザにカキと溶接工を使ってエネルギーをいち早く準備し、相手よりも早く、相手のアタッカーを高い攻撃力で叩き、序盤のリードを相手に押し付けて勝つ。>
です。この趣旨に合わないカードのチョイスは基本的に控え、このコンセプトをただただ遂行できるデッキを目指します。

特にプレイングに慣れていない初心者・中級者の場合
・余計な選択肢、分岐を作ると誤ったカードチョイスから負けてしまう。
例)グズマで押し切るべきシーンでサイドを取られることを嫌い、アセロラでの回復を優先してエネルギーが追い付かなくなる。
例)相手のデッキが初見で見抜けずに、テルリザ・レシリザ・ミュウミュウのどれを優先して育ててよいかがわからない。
・ピン刺しが多いと手札がかみ合わずいわゆる「事故」を起こしやすくなるが、事故ゲームのしのぎ方がわからない。

こういった事を可能な限り排除していきます。

★ポケモンの変更
レシラム&リザードンGX 2→4
上級者からすれば多すぎだろという突っ込みは承知の上です。
しっかりカキと溶接工をこのポケモンにつかう事がコンセプトの為、初手の安定も含めてフル採用。
2匹を育てる必要があるゲームが多い為、ちゃんと育てる対象が場に出やすい様に。

テールナー&リザードンGX 1→0
ミュウツー&ミュウGX 1→0
上記の例に出したようにプレイングの間違えをなくする為。
余計な事をせず、しっかりフレアストライクしてくれればOKなデッキです。

ヒードランGX 1→2
使い勝手の良いアタッカー。1枚以上使うケースは多くないですが、サイド落ちによってゲームの考え方が変わって欲しくない為2枚採用。

ボルケニオン 1→0
ビクティニプリズムスター 1
フーパで詰む等は一旦度外視でよいです。まずはデッキを回しましょう。余計な選択肢は一旦無しで。

カプ・テテフGX 2→3
状況によってカキ・溶接工・グズマ・ククイ博士を使い分ける事で強さを発揮できるデッキの為3枚以上採用したい。4枚採用すら少し面白いと思います。

デデンネGX 1→2
スタートしてしまった場合、デデチェンジ出来ないゲームとなり、デッキから必要なカードを引ける確率が下がってしまう為2枚採用。
このデッキはドローがかなり弱いので(溶接工とククイのドローしかない)しっかりデデチェンジでデッキを回したい。

ジラーチ 2
個人的にはここをばっさり切る選択肢もありましたが、初手の安定度のアップはコンセプト遂行上不可欠の為残し。

アブソル 1→0
ウソッキー 1→0
特定のデッキへのメタカードは一旦優先度を下げます。

マーシャドー(やぶれかぶれ) 1→0
タイミングが結構難しいカードの為、今回は不採用。初手で誤って打って自分が止まったら元も子もありません。

★サポートの変更
溶接工 4
コンセプト遂行の為の必須カードの為フルで採用。

カキ 1→2
ゲームで1度、初手で安定して打つために、コンセプト遂行の為のサイド落ちをケアして2枚に変更。

グズマ 2→3
~相手よりも早く、相手のアタッカーを高い攻撃力で叩き~
というコンセプト部分遂行の為に1枚追加、4枚で運用したいカードですが、後述するグレートキャッチャーの採用もあるため3枚に抑えています。

ククイ博士 1→2
デデチェンジ等で、1枚切ってしまうと火力の選択肢が減ってしまうために2枚の採用。
フレアストライク+こだわりハチマキ+ククイ博士の280ダメージはほぼすべてのポケモンを1撃できる270のラインを超えられる組み合わせ。
コンセプト遂行にも適したカードの為採用数を増やしました。グレートキャッチャーの登場で後ろに280ダメージを与えられるとゲームが決まる為複数枚採用。

アセロラ 1→0
コンセプトの序盤からの火力の押し付けに合わないコンセプトの為不採用。

★グッズの変更
ハイパーボール 2
プレシャスボール 2→4
ネストボール 2→0
余計なピン積みカードをすべて除外し、ネストの採用理由が薄くなったため、無条件で使えるプレシャスを多めに採用することで
初手のカプ・テテフ率を上げて初手カキのコンセプトの遂行力をアップします。

あなぬけのひも 1→0
ポケモンいれかえ 1→2
選択肢を増やすよりも、できる択が1方しかないほうが初心者の場合や初稿はおすすめです。

炎の結晶 2→0
序盤の安定感より後半のリソースリカバリーのカードなので、初稿から除外。
非常に強いカードなのですが、しっかり現物の基本エネルギーで溶接工で2枚のエネルギーを付けられるようにすることや
溶接工の3枚ドローで手貼り分のエネルギーを確保するために現物のエネルギ―を増やします。初手事故にも絡むカードなので除外。

こだわりハチマキ 2→3
ここを4枚にする事も実際選択肢になるほどに重要なカード。雑に貼っておく事で後半要求されるカードが減るので
「とりあえず貼っておく」ができるように3枚は採用したい。

フィールドブロアー 1→0
スタジアムはスタジアムで割れるデッキなので一旦不採用。余計なカードとして初稿にはいれない。

グレートポーション 1→0
パワーの押し付けのコンセプト上、初稿にはいれない。

ぼうけんのカバン 1→0
基本的に現物を増やしていった方が初稿はおすすめです。

リセットスタンプ 2
デデチェンジでの序盤の妥協打ちや、サイド落ち考慮の2枚採用はそのまま。
手札干渉ができなくなると確定で詰んでしまう場面があるため、ここは減らせない。

エスケープボード 2
ジラーチはもちろんグズマと逃げ1のポケモンの相性が良いため2枚の採用はそのまま。

グレートキャッチャー 1→2
フレアストライク+こだわりハチマキ+ククイ博士+グレートキャッチャー=勝ち
といえるほどのパワーの押し付けができるカードなので2枚採用。必ず1ゲームで1度打ちたい。

★スタジアムの変更
ヒートファクトリープリズムスター 1
巨大なカマド 2
巨大なカマドを3枚で、ヒートファクトリーを不採用の選択肢もありますが、あまりにヒートファクトリーが強力な為さすがに採用しました。
巨大なカマド+ボール系グッズがあるだけで溶接工が確定する為、2枚採用。

無人発電所 1→0
自分のデッキをしっかり動かすコンセプトの為除外。

★エネルギーの変更
基本炎エネルギー 12→16
ドローが弱いデッキで溶接工をしっかりと使えないと店舗を失う為、16枚の採用。
ここを減らすと、例えば12枚の場合、意外とみんな気づいていないのですが、初手で手貼り&カキをしてサイドに炎エネルギーが
2枚ほど落ちていた場合、残りの山の炎エネルギーがたった5枚になります。その状況で溶接工でしっかりドローできるかというとかなり疑問となります。

ここまではレシリザデッキを例にだして、デッキコンセプトをしっかり遂行できる安定した初稿を作るという事の大切さについて簡単ですが説明させて頂きました。
(感覚で伝えるのが難しかったので実際にごちゃごちゃしてしまったデッキを整理する方法をレシピのビフォーアフターのイメージで書かせていただきました)

でも本当にこれは重要で、勝てなくなったときに「あのデッキにつよいあれを入れよう、あれも入れよう」を繰り返したときに、デッキは思った以上にデリケートで、デッキはどんどん本来のコンセプトを失います。
レシリザはちゃんとフレアストライク&ダブルブレイズGXができれば勝ちに近づくデッキで、ウルネクはちゃんとフォトンゲイザーができれば勝ちに近づくデッキです。
そのコンセプトを頭の真ん中に置いておいていろんなカードを抜き差ししすぎず、1枚差し替えては戻し、1枚差し替えては戻す。という
そのデッキの「マスタ」を残しておくことが重要です。

あとこれは少し感覚論になりますが、僕の中で定説があって、ジムバトルや調整会で10試合戦って1度も使っていないカードはそのデッキにいらない。という事です。
「このカード、あのケースで使えれば強いぞ!」と思っていれているけどいつまでたっても使う機会が無いカード。は抜き
直近の10試合で〇〇ができなくて負けた。というケースの〇〇をサポートするカードに変えるべきです。
つかわれないまま放置されているカードがデッキにあれば一度考えてみると良いと思います。


★間違わない初稿の作り方
デッキのコンセプトを通す。という軸をそのままに、今度は一からデッキを作る練習をしてみましょう。
※ここで謎の新デッキを持ち出しても話がわかりにくいと思いますので
【僕が初めてSMレギュレーションになったときにウルネクを作った時。】のお話をベースにします。
(当時はデデンネGXリセットスタンプやグレートキャッチャー等が無い為今とは考え方がことなりますが、コンセプトを通す構築という点でお話します)

このウルトラネクロズマデッキのコンセプトは
<(A)エネルギーをトラッシュに早く落とし(B)カラマネロを早く並べ(C)フォトンゲイザーの180ダメージor260ダメージを連続して打ち込んで押し切る>がコンセプトです。
そのコンセプト通りに作った初稿デッキがこちら。

◆ポケモン
ウルトラネクロズマGX 3
マーイーカ 4
カラマネロ 4
カプ・テテフGX 2
カプ・コケコ 2
 
◆サポート 
リーリエ 4
シロナ 4
グズマ 4
 
◆グッズ 
ハイパーボール 4
ミステリートレジャー 4
ネストボール 4
ポケモンいれかえ 4
レスキュータンカ 2
 
◆グッズ
トキワの森 4
 
◆基本エネルギー 
基本鋼エネルギー 3
基本超エネルギー 8

採用されているカードの種類は16種類だけ、10種類のカードが4枚採用という構築で、上記の(A)~(C)のコンセプトに沿わないカードをほぼすべて不採用にしています。

(A)エネルギーをトラッシュに早く落とし のコンセプトの採用カード 12枚
ハイパーボール 4
ミステリートレジャー 4
トキワの森 4
(B)カラマネロを早く並べ のコンセプトの採用カード 20枚
ハイパーボール 4
ミステリートレジャー 4
ネストボール 4
リーリエ 4
シロナ 4
(C)フォトンゲイザーの180ダメージor260ダメージを連続して打つ のコンセプトの採用カード 21枚
ウルトラネクロズマGX 3 ※レシリザの際の理論では4なのですが、ベンチを使い切るデッキの為、余ったウルネクは捨てざるを得ないケースが多くなってしまうため、レスキュータンカで補完。
マーイーカ 4
カラマネロ 4
カプ・コケコ(にげる0) 2+ポケモンいれかえ 4 & グズマ 4 ※ワザを使ったウルトラネクロズマをベンチに戻し、サイコリチャージを行ってバトル場に送り出す動きの最大化。

ここまでしっかりとデッキが回る状態を初稿は作っておくことが大切です。
この構築であれば事故も少なく、しっかりとコンセプトが遂行できるという事を確認してから、調整作業に入ります。
初稿を作っている段階から「あのデッキがきつそうだから、これを入れよう、あれを入れよう」と気づけるのは大切で、今後の調整作業でその能力は活きてくるのですが、まずは一旦自分のデッキが一番回る状況を作りましょう。
それから対戦をしていくうちに「相手のデッキへの手札干渉が0だと終盤に逃げ切られてしまうからジャッジマンが必要だ!」や「ルガゾロ等のHP190~210のラインのポケモンが多く環境にいるので、カラマネロを1匹多く並べるよりもこだわりハチマキの採用だ!」
等このマスタを元に変化させていきます。

細かいここからの調整の仕方については長くなってしまうので一旦この辺で今回の回るデッキの作り方は終わろうと思います。
いろんなデッキに勝とうとしてデッキが「ガチャガチャしてしまっている」方がいれば、ぜひ1度そのデッキの強みとコンセプトを思い出してみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になりましたら幸いです。

ではでは!

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