「世界の絶景」 6島 その7 セイシェル・マヘ島
クレオールな国・セイシェル
インド洋にぽっかりと浮かぶ島国セイシェル。
人口は約8万人、面積 460k㎡、115の島々から成るこの国は、17世紀にフランス支配下でヨーロッパからの移民が開始され、アフリカから多数の奴隷が連行された。
1815年に英領に移行。直轄植民地となったあと、1976年に「セイシェル共和国」として独立。翌年、クーデターにより社会主義政権が成立する。
しかし、93年には新憲法が制定され複数政党制となった。独立以来、一貫して非同盟主義をとる。
公用語はクレオール語。旧宗主国と先住民の言語が混ざって出来た独特の言葉の総称をクレオール語と呼ぶそうだ。言語だけてなく「クレオール文化」「クレオール料理」という使い方がされている。セイシェルには、元来、この島に流れ着き先住民なったインド、アフリカ系の住民とイギリス人、フランス人との間に生まれた独特の言語と料理と文化が根付いている。
マヘ島ひとめぐり
「島で一番高いヤシの木よりも高い建物は建ててはいけない」というルールに象徴されるかのような、ゆったり、のんびりとしたリゾート地だ。
港から歩いて20分くらいのところに街があり、そのメーンストリートに時計塔があった。ロンドンのビッグベンを模したというがビッグというには程遠い「スモールベン」だった。
その周辺には、みやげ物屋、マーケット、郵便局、教会などがある中心地だが、小1時間もあればひと通り見て回れる小さな街だ。
マヘ島にはいたるところで野生のフルーツがみられた。アボガド、グレープフルーツ、マンゴは日本でも食べるが木に成っているのを見たのは初めてだ。また、普段口にしないドリアン、スターフルーツ、ジャックフルーツも島のあちこちで見ることが出来た。
特産の紅茶畑やウォーターフォールズ、展望台をみながら、島を半周したところでビーチのレストランでの昼食となった。今日の昼食は名物の「クレオール料理」。皿に盛ったライスの上に、カレー、ビーフシチュー、魚の煮付け、椰子の実のスライス、骨つき豚の甘辛煮、野菜サラダ、ポテトサラダなどを好みに応じてトッピングしてのせる。いろんな地域の料理が混じり合って生まれた、これぞクレオールという料理。味は上々だった。
美味しい料理に舌鼓をうち、白い砂浜と青い海の広がるビーチでのんびりとしたひと時を過ごした。
ショッピング・マーケットへとむかった。
マーケットといっても、椰子の木や真っ赤な南国の花に彩られた広~いガーデンの中に、小さな一戸建ての店舗が十数件立ち並び、それぞれに特色のある「みやげ物」を売っていた。店舗内はそれほど暑くなかったが、直射日光の下はじっと立っていられないほど暑い。
「今、何度くらいあると思います」「さあ、34度くらいでしょうか」「いや、40度ですよ」。携帯温度計を持ち歩いている人が教えてくれた。
不思議な形のココ・デ・メール(双子椰子)など珍しい熱帯植物が一杯の植物園ではフルーツや花だけでなく、ゾウガメやコウモリも見ることができた。
一日の観光を終えて港を出るとき見事な夕焼け空が我々を見送ってくれた。
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