朱野帰子

「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。既刊本は「海に…

朱野帰子

「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。既刊本は「海に降る」「駅物語」「会社を綴る人」「わたし、定時で帰ります。」「対岸の家事」他。最新刊はわた定シリーズ3作目の「わたし、定時で帰ります。ライジング」 。ここでは告知と駄文を書きます。

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  • 仕事・労働エンタメを語る

    仕事・労働についての本やエンタメについて書いた記事を集めています

  • 小説家の働き方

    自分の働き方について書きます。

  • セルフパブリッシングもやっていき

    朱野帰子、同人誌作りもはじめました。労働に関する同人誌を一人で作って売る様子を書いた記事を集めています。

  • 「対岸の家事」

    専業主婦と家事労働を描いた「対岸の家事」についての記事があります

  • 「わたし、定時で帰ります。」

    「わたし、定時で帰ります。」について書いたnoteをまとめてあります。シリーズ1作目、2作目、3作目、4作目(準備中)、スピンオフ、ドラマ化などなど。

最近の記事

30歳までに読みたいお仕事小説『レイアウトは期日までに』の書評を書きました

タイトルの通りなのですが、U-NEXTから刊行された碧野圭さんの『レイアウトは期日までに』の書評を書かせていただきました! 碧野圭さんといえばなんといっても『書店ガール』シリーズ。編集者として働いたこともある碧野さんが描く、出版業界のお仕事ものはピシッとしていてよいです。 『レイアウトは期日までに』は装丁のお話なのですが、作家ってわりと装丁のことを知らないのですよね。読んでいて「あ、そうなんだ」と勉強させてもらうことも多い。碧野さんは装丁家だったわけではないですが、主人公

    • 『もふもふ 犬猫まみれの短編集』に「わたし、定時で帰ります。」のスピンオフ書いてます。

      またまた遅ればせながらの告知です。 2月1日に『もふもふ 犬猫まみれの短編集』が新潮社から出ました。 タイトル通り、犬と猫が出てくる短編集なのですが、こちらに「昨日もキーボードがめちゃくちゃになりました」という短編を書いています。 完璧なデスク環境を作ったはずのリモートワーク男性が、飼い始めた猫にすべてをめちゃくちゃにされていくお話。朱野作品が初めての方でも楽しんでいただけるよう、コメディタッチで書いております。 猫が必ずどこかに出てくる本だけを置いている猫本専門店、

      • 『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が発売されています

        いやもうほんと……長編を書くだけの日々で、まったくnote更新できませんでした。 エッセイ集『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が12月に発売されています。改めてご紹介。とても短いエッセイですが、私も書いています。 私が紹介しているお店は早稲田メーヤウ。 大学時代から現在に至るまで食べにいくお店です。エッセイに詳細が書いてありますが、この早稲田メーヤウ、最初は早稲田大学本キャンパスの近くにあり、それから文学部キャンパスの隣に移転しています。私が会社員をやっていたこ

        • NHK放送のネコメンタリー「藤井太洋とゴローとジジとペンタ」の回に藤井さん宅を訪れた朱野がちょこっとだけ出ているそうです。藤井さんの執筆環境もみられるみたいなので興味がある日はぜひ!(1月29日午後2:30再放送予定) https://www.nhk.jp/p/ts/Z52R515WW1/episode/te/32PZPK63NG/

        30歳までに読みたいお仕事小説『レイアウトは期日までに』の書評を書きました

        • 『もふもふ 犬猫まみれの短編集』に「わたし、定時で帰ります。」のスピンオフ書いてます。

        • 『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』が発売されています

        • NHK放送のネコメンタリー「藤井太洋とゴローとジジとペンタ」の回に藤井さん宅を訪れた朱野がちょこっとだけ出ているそうです。藤井さんの執筆環境もみられるみたいなので興味がある日はぜひ!(1月29日午後2:30再放送予定) https://www.nhk.jp/p/ts/Z52R515WW1/episode/te/32PZPK63NG/

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        • 仕事・労働エンタメを語る
          30本
        • 小説家の働き方
          72本
        • セルフパブリッシングもやっていき
          8本
        • 「対岸の家事」
          5本
        • 「わたし、定時で帰ります。」
          26本
        • 「会社を綴る人」
          2本

        記事

          『ひよこエンジニアのためのお仕事サバイバルガイド2023』を読んでデスクも家も片付けた一年

          12/23 午前中は書く。アンチヒロインという設定に変えたので、そうでなかった時に書いた第一稿をどんどん書き直していく。高学歴で仕事もできるけど「社会規範なんかない」と語るヒロインである。社会を信じる心なんてものはとうに捨てたのだ。焼き鳥食べたいとTwitterで言ったら、友人がLINEで「行こう」と言ってくれたので行ってきた。他にも誘ってくださった方たちがいたのだが、来年になったらぜひ行こうね。お店は田町にあった。なんとカルロス・ゴーンが行きつけだった店だった。トイレにはゴ

          『ひよこエンジニアのためのお仕事サバイバルガイド2023』を読んでデスクも家も片付けた一年

          『フリーランス大全』を読みながら、主人公をアンチヒロインに変えていく

          12/13 朝起きれない。冬だということもあるが、氷河期をテーマにしているせいだろうと思う。就職氷河期とは単に若者が就職できなかったというだけでなく、若者たちが暴力をふるわれ、ネグレクトされ、さらに(よくあることではあるが)加害者に都合のいい歴史修正をされたという、経済史上に刻むべき事件だったと理解している。しかも、それに加担した大人たちは普通の企業人たちで良き父親たちで、おそらく今も同じようなことをしている。一日二時間やるのが限界で、あとの時間はイーロン伝記を読むなど楽しい

          『フリーランス大全』を読みながら、主人公をアンチヒロインに変えていく

          自分への誕プレで買った『イーロン・マスク』にはまる

          12/4 上の子がインフルになったため、家族行事には私と下の子だけが参加。私は祖母の訪問着を着た。呉服屋さんに行ったついでに「子供用の浴衣の販売はいつからですか」と尋ねたところ、五月頃に出すが、コロナ禍で浴衣文化は急速に廃れつつあるという話をされた。このまま少子化が進めば日本民族が消滅することもありうるし、そのときに民族衣装の写真が一枚でも残っていたほうがいい。それもあって今回は大枚を叩いて撮影。帰宅して着物を脱いでしまいながら「これを着る次世代はいるんだろうか」と考える。上

          自分への誕プレで買った『イーロン・マスク』にはまる

          怒涛のウィルス祭りのさなか 『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書』を買った

          再び日記です 11/27 先週の水曜から学級閉鎖だった下の子がようやく学校に行ってくれる。パートナーも出社したため、自由にできる一日。 技術書典15が昨日終了したため、オンラインで受注した(技術書典では受注生産もできるのだ)紙の本を印刷する手続きをする。技術書典が用意してくれている「後から印刷」のシステムに、新刊と既刊のデータを入稿し、220冊分の印刷費を振り込んだ。キーボード本はこれで二刷、部数は600部、実売数は400となる。残りの200冊は次のイベントで売るときがくる

          怒涛のウィルス祭りのさなか 『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書』を買った

          『わたし、定時で帰ります。3―仁義なき賃上げ闘争編―』が発売されました。わた定3作目の文庫化です。スピンオフ短編「種田晃太郎の休日」も載ってるよ。 https://www.shinchosha.co.jp/book/100463/

          『わたし、定時で帰ります。3―仁義なき賃上げ闘争編―』が発売されました。わた定3作目の文庫化です。スピンオフ短編「種田晃太郎の休日」も載ってるよ。 https://www.shinchosha.co.jp/book/100463/

          『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』をマクドナルドで読む

          忙しすぎてnoteの更新ができてないのだけれど、「まとまった記事を書くぞ!」という気構えがありすぎるのがいけない……と思ったので、だらだら毎日どんな仕事をしているのかの記録をつけてみたい。 11/24 朝コンタクトをなくしてしまい、世界がぼんやりしている。眼科に行って処方をもらって作ったレンズなのだが時計の文字も読めない。手元の細部が見えないため、やる気が起きない。老眼が進み、目が弱くなったら、毎日がこんなふうなのかなあとぼんやり考える。午前中はインフルエンザによる学級閉鎖

          『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』をマクドナルドで読む

          文フリにも技術書典にも出られなかった記

          新しい同人誌『キーボードなんて何でもいいと思ってた』が無事発売されました。「文学フリマ東京37」と「技術書典15」で! ※現在(2023.11.15)は技術書典オンラインマーケットで「電子」と「電子+紙」が、BOOTHで「電子」のみがお買い求めいただけます しかし、私は「文学フリマ東京37」にも「技術書典15」にも出られませんでした。前日にインフルエンザにかかったからです。本当なら『キーボードなんて何でもいいと思ってた』にインタビューした方々の紹介をしたいところですが、そ

          文フリにも技術書典にも出られなかった記

          『キーボードなんて何でもいいと思ってた』を文学フリマ&技術書典で頒布します

          いやー、またできてしまいました、同人誌が。 朱野帰子よ、商業出版の方の新刊はどうなったんだとはもう聞かないでください。苦戦してる……苦戦してるんです……! 書き下ろしに近いスタイルになってしまったので原稿料が出ない執筆を数年近くやっていて、でも生活のためにはキャッシュを稼ぐ必要があって、小さい仕事も受けつつ、匍匐前進で進んでいるところです。その気晴らしに書いてる技術同人誌が先に出てしまうという……。 言い訳はこのくらいにして、新刊の紹介です。 今回は思い切り文字情報を表紙

          『キーボードなんて何でもいいと思ってた』を文学フリマ&技術書典で頒布します

          技術系同人誌即売会「技術書典15」(11/12@池袋)に参加します

          前回の「技術書典14」からあっという間に半年が経とうとしてます。 その後、本業の方で(一年休んでしまったこともあって)とにかく忙しくしていたため、noteの更新をすっかりサボってしまいました。 久しぶりの告知です。 このたび、技術書のオンリーイベント「技術書典15」にサークル参加することになりました!新刊を出します! お前……今年出した単著の新刊のどっちもが同人誌ってどういうことだよ……って思われるかもしれませんが、商業出版でやってる長編に思いのほか苦戦しておりまして……

          技術系同人誌即売会「技術書典15」(11/12@池袋)に参加します

          作家が「急に」売れたら、どうなるの? |急売れ本を出すまでの経緯をpixivisionに取材していただきました

          こんにちは、朱野です。 5月に出した『急な「売れ」に備える作家のためのサバイバル読本』ですが、なんとなんと大手イラスト投稿サイトPixivが運営する創作系メディアpixivisionさんに取材いただきました。 Pixivといえば、イラスト・マンガ・小説を投稿できる国内最大サイト。同人誌を作る女性たちの感情を描いた『私のジャンルに「神」がいます』にもたびたび登場する……というかほぼPixivの話ですよねこれ? としか思えないくらい重要な役割を果たしているサイトです。つまり同

          作家が「急に」売れたら、どうなるの? |急売れ本を出すまでの経緯をpixivisionに取材していただきました

          元上司からの頼まれごと

          先日、中学生の子から「小説家のお仕事」についてインタビューしてもらった。元上司のお子さんで、夏休みの宿題なのだという。「つらいときはあるか」と尋ねられて「毎日めちゃくちゃつらい」と答えた。「文字をたくさん打つのもつらい、毎回、面白いものを作らなきゃけないのもつらい。誰か一人でも面白いと言ってくれないといけない。一万部、十万部を売ろうと思ったら、それだけの人数の読者が面白いと思ってくれないといけない。そしてそのくらい売れないと商売にならない。それをずっと続けていくのがつらい」と

          元上司からの頼まれごと

          みんなで業界を育てていきたい— 『ポストイクメンの男性育児 妊娠初期から始まる育業のススメ』の書評を書きました

          今週も文春砲が世間に轟いていますね。 そんな週刊文春に私の書評が掲載されています。まだ見本誌が届いていないため、著者の平野翔大さんのツイートを貼らせてください。 書評を書いたのは『ポストイクメンの男性育児 妊娠初期から始まる育業のススメ』(中公新書ラクレ 791)です。 著者の平野翔大さんは私よりもずっと年下。産科医であり産業医でもあり、男性育休をとることが当たり前になった世代のサポートをする立場です。出産や育児、仕事の両立といった、女性なら「お母さんになるんだから」とお

          みんなで業界を育てていきたい— 『ポストイクメンの男性育児 妊娠初期から始まる育業のススメ』の書評を書きました