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約1ヶ月で人生初コスプレした件②メイクの裏側編

白黒テレビ、カラーテレビ、液晶テレビetc.……画質が上がるにつれて、化粧品は進化し、お肌のカバー力を上げていった。今はカメラだけでなく、スマートフォンも高画質である。逃げ場がない真実の鏡をねじ伏せるにはメイクであり、加工である。本人ごと変える技術が必要なのだ。
盛れる、映えるという言葉がむず痒くなる皮肉屋な私だが、コスプレの練習をして考えを改めた。美への追求を怠るな。適当に撮った友人との記念写真。絶対に流出するなと思うやつこそ学べ。
いざ、メイクのアップデートである。

この記事は33歳でコスプレの沼にはまって聞いてみようとしている体験記の②メイクの裏側編である。前回と同じく、何の役にも立たないことをご了承いただきたい。当時の思ったことを書き連ねているだけであり、相変わらず卑屈で、何かしらディスってることをお許しください。

ここでコスプレメイクを教えてくれて、さらにウィッグまで貸してくださったSさんの紹介をしておく。
お姉さんと言ったが私より年下で、穏やかで、涼やかな目元の美人である。身長が170cmあるので、長身仲間といえよう。
コスプレ世界の常識がわからないが、ド素人にウィッグを貸してくれて、メイクを教えるために時間を取ってくださる方がいるとは思えない。さらにどんな出来でも批判せず、私をそばに置いてくれたことから考えてもかなり優しい。写真もド素人なのに、「きっとできる」と信じてくれて、カメラマンを依頼してくれてたのだ。私のコスプレ体験は異例中の異例だったと思う。Sさんの気持ちに報いたいと精一杯勉強した。……ていうか、そんな優しさで大丈夫か。変な女に懐かれるぞ。(主に私に

といったかんじで、要約すると美人でいい人である。しょうもない私の発言をいつも聞いてくださりありがとうございます。

Sさんによるとコスプレの使用を許可しているカラオケ屋があるとのことだった。そちらを予約してもらい、集合したのは12月25日。心浮き立つクリスマスだった。

女の子と遊ぶときはまともな人間に擬態しなければと思っているので、私は普通にメイクして行った。Sさんはコスプレ前なので薄化粧である。これは人それぞれだそうだ。しっかりベースを作って向かう人もいれば、薄化粧(あるいは完全な素っぴん)で最初から顔を作る人もいるらしい。

どちらにせよ、1時間以上はかかるとしれっと言われ、驚いた。私のメイク時間は長くて15分だ。時間のない朝はもっと工程を減らす。皆さんはコスプレでなにをしているんだ。プチ整形か。戦々恐々である。

待ち合わせてゆるっとランチをし、100円ショップでつけまつ毛と赤みのあるブラウンのアイブローと自立する鏡を買った。ついでに薬局でレイヤーさんが使ってる化粧品を聞き出し、それら(リキッドファンデーション、フェイスパウダー)とコスプレ後に色々落とすためのクレンジングシートを購入した。

私は普段使いのメイク道具を持参した。

茶色が多い!

見る人にはわかる。
三十路を超えても、まだプチプラコスメだ。お恥ずかしい。

ようやく予約したカラオケ屋に向かい、顔を作るぞ……になるわけだが、ここでメイクの細かい仕方を語ってもおそらく意味がない。
「まずは●●を×××して、……メイク完成!」というメイキングはもっと親切な余所を当たるべきだ。

話の内容上、私の顔面の特徴を書いておく。この項目に当てはまった方なら、もしかしたらほんのちょっとは役に立つかもしれない。

【私の顔面】
・面長
 (女上司は丸顔)
・老け顔
 (大人っぽいと言おう)
・垂れ目
 (女上司はつり目寄りのアーモンド型)
・顔がでかい
 (Sさんと比べて比率おかしいな?)
・外国人顔
 (唯一のアドバンテージかもしれないが、ポール・マッ●ートニーに似ているのでお察し)

……………
よく女上司をやったなと思う。
やるキャラを間違えてないかというツッコミをしてはいけない。へこたれたら、この企画はレイヤーさんを撮る初心者カメラマンの雑記になる。

……………
習ったことを踏まえての、メイクの順番はこんなかんじ。

①化粧下地
②リキッドファンデーション★
③パウダーファンデーション
④泣き黒子を消す為にコンシーラー
⑤フェイスパウダー★
⑥眉毛を隠すテープを貼る★
⑦シールの境目を消すためにリキッドファンデーションとコンシーラー
⑧シールの上からアイブロー★
⑨アイライナー
⑩アイシャドー
⑪マスカラ
⑫チーク
⑬つけまつ毛をつける★
⑭口紅

★が付いてるところが、コスプレにあたり追加された工程である。
先に言うと、シールは当日に諦めました。触るのが下手すぎた。

ほかに、細かい話としては

・フェイスパウダーはすごい。
本当にマスクに付くファンデーションの量が減った。感動。科学の力ってすげー。これは普段も使うしかない!

・つけまつ毛はすごい。
貼るのが下手なのですが。悩まず目を閉じてぐっと貼り付けるとうまくいくようになった。これは慣れると最強の目力強化キットになってくれる。コンサートに行くときに付けたら華やかな睫毛でテンション上がった。

どうしよう。美容系のライターでもなんでもないから、たいして書くことがない。
練習あるのみで、失敗を恐れずに線を引くとなんか様になるよね程度で済ませよう。
(少し失敗しても、クレンジングシートでリセットも可能!)

…………

コスプレをするためには別のレイヤーさんを参考にするといいということで、事前にチェンソー男関連のコスプレ写真を見ていた。皆さん、とても楽しんでいるなあというかんじと女上司の目力は強いということは知識に入っていた。
そのため、普段より目元を濃く作ってみた。

感想
「怪物やん…」

残酷な現実である。
普段の顔で笑顔がブスな自覚はあるが、整形を考えたいと思うまでの顔面ではない。同じやるなら脂肪吸引とかしたい。
しかし、濃いめの赤毛のウィッグと自作の顔面は見せられるものではなかった。ピンチである。Sさんが哀れな怪物をつれ回す図になってしまう。

一応、●●年前に美容部員をしていた過去がありメイクはなんとなく自力でやれているが、昨今のメイク事情のアップデートをしていなかったことに反省した。強調しすぎる涙袋はやっぱりちょっと怖いもの…。

Sさんは優しいので励ましてくれた。
「このキャラの目元は大体妖怪です」
いや、だからって全身を妖怪にしてはいけない。女上司は美人で小悪魔。本当に悪魔になったら!それは別の悪魔として、新キャラが出てくるのを待つしかなくなるではないか!


………………
ということで、持ち前の真面目さで帰宅後も研究した。どこにもポールの顔面の人のためのコスプレ講座はない。そんなニッチなものをアップするユーチューバーもいないだろう。

最初に濃さを使いこなすことだけを考えた。
つまり、「宝塚」である。
鼻筋、睫、華やかさ。所謂、舞台メイクではないかということ。過激に可憐。ゴージャスで他に差を付けろ。
ありではあるが、それはまた別の怪物になるだろうなと思った。念頭には置いた。

さらに、他のレイヤーさんを改めて見て分析した。
そうして、ようやく重要なことに気付いた。
ツイッターにいるレイヤーさんは大体丸顔である。全員、ハシカンちゃんかドールと見紛う姿である。加工の妙技もあると励まして心を保ちつつも、その気付きが私をより強くした。そもそもの骨格が違うのだから、同じメイクをしても浮いてしまうのは仕方ない。倣うべき存在が私と合わない。

面長と丸顔では土台が違う。丸顔を参考にして作っても、塗り絵の幅が狂う。面長は字のごとく顔面が長い。額と眉毛、頬の面積、口から下の長さなど根本的に違うので、どんなにハシカンちゃんになりたくても難しい。大型工事を頼めたらよかったが、やはりその予定はない。フォトショの技術を上げた方がましな話になってしまう…。ひどい言い方だが、そう思った。

では、どうすればいいか。
面長のレイヤーさんを探すことにした。
だが、面長のレイヤーさんは男性か男装に多く女性はあまり見当たらない。やはり私は男に生まれるべきだったのかと思いかけて、あることを思い出した。ここはワールドワイドウェブ(?)である。さくっと欧米系の外国人レイヤーさんの画像を見た。面長の女性レイヤーが多くいらっしゃる!まだできそうなかんじがするではないか!

伝わる人に伝わるかもしれない言い方をすると、「インテ●レートの顔ではなく、メイ●リンの顔を目指そう!」に変わった瞬間である。

外国人レイヤーさんは彫りが深く、影をことさら強調して作ることはしていないように見えた。だって元から鼻が高いし!パリコレ的なものやハリウッドスターの顔だとまた違うが、コスプレをする外国人に限って見たら、日本人ほど鼻筋を強調してメイクをしていなかった。顔面の参考を外国人でいくことにした。
ちなみに日本の写真より表情は豊かで、ジム・キ●リーの表現筋を感じる。そこは真似できないが、笑顔の大切さも思い出し、鏡を見るとき一度笑顔を作るようにしている。健康習慣ができてしまった。

面長で悩むレイヤーさん。
おもいきって外国人を参考にしてみてください。
(同じように面長の方々がコスプレに向いてないと悲しいツイートをされてる方を散見したので、言いたくなった)

また赤毛で面長の美人という目線で考え始めると、ファビュラスなあの姉妹の妹さんも該当する。目指せファビュラス。
そうだ、周りが丸顔過ぎて面長コンプレックスを拗らせかけたが、面長の格好いい女はいる。諦めてはいけない!

そんなこんなでプリンセスな眉毛の書き方を覚えた。ばしっと太く、しゅっと弓の如く。正しい方法は自分で調べてくれ。
これからメンタルもこのゴージャス姉妹を見習いたいと思う。自分を愛さなきゃコスプレなんて楽しくないだろうと思うので。

ちなみに、小顔にする裏技として眉毛の位置を少し低めに書き、目蓋との距離を少し近付けるといい。全体的にパーツを寄せることを意識するといいらしい。額を狭く見せるために、生え際を書くとかもある。チークは頬骨の下あたりに横向き楕円。ついでに顎にチークを少し置くと、輪郭がぼやけるらしい。
でも、途中から面長でもいいやと思った人なので、そこまで縛られずに顔を作るようにした。濃くしすぎると不自然に浮くという、絶妙な顔なのて。

面長を生かしてそのなかのいい感じを探す。……女上司へ近づけるという話はどうなったのだという話だが、私は普通を目指さねばならなかった。
ここまで見た目に苦しんだので、そろそろ悟りを拓いた。コスプレでも普段でも可愛いに越したことはないが、私はハシカンちゃんにはなれないということだ。
さらにいうなら、皆が皆ハシカンちゃんということもない。私の目は一瞬騙されたが、もう騙されないぞ。それにみんながハシカンちゃんの顔ならハシカンちゃんは重宝されないしな…。

レイヤーさんが使う謎の文言「キャラに近付けられる努力のできる方!」はおそらくコスプレメイクが普通にできていることを指すのだろう。求められるのは他を圧倒する美しさではなく、普通の顔の人。初心者も、多くのレイヤーさんも「平均的な顔面」になるように磨いているのではないかなと。そこまで持っていってようやくスタートラインともいう。
(その平均レベルがハシカンちゃんになってるなら、もうどうにもならないけど。そうだと、私はSさんに呼ばれていないはず。だから、気を強くもって本番に臨むのだ。怖いけど、逃げ出すんじゃない!やりきってやる!……そんな覚悟でメイクの練習をしていた)

それでは、私は平均の顔になれたのか?






なれてないわい!!!
ほぼメンタルの保ち方と研究したことを身体に覚え込ませて、当日に臨んだ。でも、結局コスプレメイクは下手くそだった。Sさんには大変申し訳なかった。

しかし、間違いなく普段のメイクが上達した。得られたものは大きい。いつもはブラウンのアイライナーで無難に誤魔化していたが黒に変更できた。もう黒のアイライナーを手放せない。

またメイクが苦手だと悩む人にも伝えたい。コスプレメイクの世界を覗くと、普段のメイクがめちゃくちゃ簡単に思える。一回、茨の道を知っておけば、予想を遥かに越えたメイク力を手に入れられる(気がする)んだ。さあ、レッツトライ!


もはや、なんの話をしてるのかもはやわからないが、メイクの裏側はこの程度に。
メンタルを一時的に鋼にし、顔面の作り方を覚え、マネーで衣装類を揃えた!

参考にSさんのおすすめのメイク道具と、こっそり足したニューメイク道具の写真をどうぞ。

プチプラ!

涙袋作るジェルライナーは助かる。
あと、普段使いきれないアウトレットコスメをごりごりに使えて楽しかった。

ようやく、本番の話をしよう。
その③イベント当日編へつづく!

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