日記 20211206

コロナ禍で消滅してしまったかのように思えた物欲が、ここ最近は今までの分を取り戻すかのような勢いで噴出している。寝てもさめても、欲しい化粧品と欲しい洋服のことばかり考えてしまう。しかし相も変わらず国に借金をしている貧乏学生の身分なので、できることと言ったらメルカリを延々と徘徊することくらい。どんどん増えていくお気に入りの一覧を眺めながら、私は何でこんなくだらないことのために何時間も費やしているのだと自己嫌悪。鬱入りである。終了。お疲れさまでした。

そもそもなぜ強欲魔人だった私の物欲が悟りを開いたかのように消え失せてしまったのかというと、答えはいたってシンプル。この1年半ずっと抑うつ状態だったからだ。まるで文明の滅んでしまった後の砂漠で一人佇むかつての勇者のような…というと聞こえはいいが、ありとあらゆる欲望が消え失せてしまった生活は、本当に"無"だった。そんな死んだように生きている生活の中でも、アイドルを推すことができたというのはおかしな話だ。いや、死んだように生きている生活だからこそ身体がアイドルを欲したのかもしれない。アイドルとは脳に直接注入する麻薬のようだと思う。身体が動かなくても、目さえ開けておけば手元にある小さい電子機器から無限に情報が入りこんでくる。激務の社畜はウィダーインゼリー、限界院生はモンスターとレッドブル、社会不適合者はアイドルを接種して生きのびるのだ。

そうはいっても流石に2年間も砂漠をさまよいっぱなしでは修士論文が欠けないので、およそ5トンはあろうかというほど重い腰を上げてメンクリに再び通院し出したのが11月初め。エビリファイとアトモキセチンをしこたま処方され、服薬の吐き気もようやく収まり出したのが11月半ば。それくらいからだろう、冒頭でいったように抑え込んでいた欲望が間欠泉のように勢いよく噴出し始めたのは。友人もいなけりゃ外出の予定もないのに、一張羅ばっかりが増えていく現状。先日など、ヒールが20㎝はあろうウエスタンブーツを買った。こればかりはさすがに気の迷いとしか言いようがない。だってウエスタン系の服なんて一着も持ってないもんね。結局、抑うつ状態でも通常状態でもおかしいのだ。今日届くウエスタンブーツを見て、また鬱モードに入らなきゃいいけど。

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