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関東圏のJR線で見られる保線会社

駅の端っこに留め置かれている不思議な見た目の車両。それが保線車両だ。保線車両はJR東日本が保有している例もあるが、そのほかの会社が保有している事例も数多い。今回は関東圏で見られる主な保線会社を紹介する。
なお、今回は軌陸車や軌道バックホウなどの自動車と鉄道車両の機能を併せ持つ、軌陸車両を保有している会社は含まない。

JR東日本

KRC810N
MW-4415

一応、JR東日本もご紹介。個性的な装備をそろえているのがJR東日本。普段は川崎貨物駅に置かれている国内最大級の鉄道用クレーン車KRC810Nや新幹線の高所作業を担うMWをはじめとした車両群などなかなかに興味深い車両を保有している。見分け方はJRマークがあるかという点に尽きる。塗装がバラバラであるため、JRマークが確実な見分け方となる。

東鉄工業

09-16CSM
RGH10-C4
固有番号

鉄道輸送力確保の為に、東京鐵道工業株式会社として1943年に設立され、1952年に商号を変更し現在の社名、東鉄工業株式会社となった。
新幹線、在来線問わず関東地区を広く活動範囲としている。多様な車両を保有しており、個性豊か。緑色の車体に赤のラインが特徴。車両それぞれの車両側面に4桁の固有番号を振ることが特徴で、個体特定が容易。

交通建設

B56C
B45UE
固有番号(写真はいすみ鉄道所属車 剥がされていないだけ。)

1950年に株式会社東鉄退職者潤生会として設立された。その後商号変更や他社との合併などを行い、1995年に交通建設に商号変更した。
東鉄工業と同様に関東地区を主として活動している。緑、白、灰色のカラーが特徴ではあるが、稀に茶、白色のものや、白、灰、黄色の旧塗装の車両も存在する。モーターカー系列では交通xxxx号という固有番号を付与していた例もある。渋谷駅改良工事などに、参加した車両は交通建設所属だ。

第一建設工業

09-16CST

1942年に新潟地区の鉄道土木、建築工事の請負を目的に新鉄工業株式会社として設立され、1957年に第一建設工業に商号変更。新潟発祥の会社ということもあり、主に担当する地域は新潟や長野そして東北エリアとなる。なので関東圏ではあまり見かけない会社となる。青緑、白、青のさわやかな色合いの車両が特徴。新潟地区ではDD16型などの除雪機関車を置き換えた車両であるENR-1000型の運行も行っている。(所有はJR東日本)

ユニオン建設


KSP2002E
TMC400A
機械番号

1958年にユニオン土木建設として設立され、1988年にユニオン建設に商号変更。1994年にJR東日本が資本参加し、連結子会社として、JR東日本グループの一員となる。白の車体に緑と青、そして花柄というユニークな見た目をしている保線車両を保有している。これに該当しない車両もいるので一概には言えないが。一部例外はあるものの、独自の銘板を設置し、それぞれの車両に Uxxxx-xxxといった機械番号を付番している。
2022年10月に実施された青梅駅線路切替工事はユニオン建設が施工したものになる。使用した車両は殆どがリースあるいはJR東日本の車両であるため、ユニオン建設の保線車両自体は見られなかった。

日本線路技術

MJK-MS0224
営業列車に搭載されている線路モニタリング装置


1979年に線路保守の専門会社として日本線路技術コンサルタントという社名で設立された。1986年に日本線路技術に商号変更し、2017年にJR東日本の連結子会社となり、JR東日本グループの傘下に入った。営業列車に搭載されている線路モニタリング装置の保守管理や観測データの分析のほか、独自に検測車両を保有しており、新幹線、在来線問わず、軌道保線を行っている。JR系列の保線会社には珍しく松山重車輛工業の車両を採用している。今後、導入される車両でさらなる新幹線の軌道保全を行う予定となっている。(下記記事参照)

以上5社を紹介した。私鉄系などを含めると各社それぞれに存在するが今回はJRのみ。駅の端っこに居る縁の下の力持ち達に少しでも目が向けられることがあれば幸いだ。


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