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日本は超乳の時代へ向かうのか?

巨乳の時代、爆乳の時代という区分けがあります。

1980年代末から、日本では巨乳ムーブメントが発生しました。発生の数年前、80年代半ばから巨乳は好きな人たちの間の嗜好、確固たる少数派的な嗜好となっていましたが、グラビアアイドルのかとうれいことAV嬢松坂季実子の2人のツートップの登場により、巨乳は「一部の人たちの間の存在」「巨乳専門誌だけの世界」「AVだけの世界」の存在から、一般大衆的な存在になったのです。それが、80年代末から90年代前半でした。80年代末からは巨乳の時代に入ったと言えるでしょう。90年代後半からGカップ以上(の爆乳)が謳われるようになり、バスト100センチオーバーのグラビアアイドルも登場。しかし、あくまでも爆乳はグラビアとAVの世界での話でした。2000年代に入って、Hカップ、Iカップ、Jカップのアイドルが続出し、Iカップの爆乳アイドルがテレビにも出演するようになります。爆乳が一般大衆的な存在となり、日本は爆乳の時代に入ったのです。でも、その後は?

AVでは超乳のAV嬢が登場するようになりました。でも、それはあくまでAVの世界、すなわち一部の世界、非大衆的世界、多数派的ではない世界、好きな人たちの間だけの世界であって、一般大衆の世界ではありません。受け皿の数が広がったとはいえ、超乳は一般大衆的な嗜好ではなく、マニア的な嗜好のままです。時代は超乳の時代にはなっていません。巨乳の時代⇒爆乳の時代へと進んできたのは事実ですが、その後、進歩論的に「超乳の時代」へと発展的に推移するのかというと、微妙です。ぼくは、超乳の時代へと進歩論的に推移することに対しては疑問視しています。

かつて日本社会において巨乳女性が少なかった「巨乳の時代」や「爆乳の時代」では、乳房の大きさだけでも希少価値があり、乳房の大きさだけで商品価値を生み出すことができました。でも、昨年のトリンプの調査によれば、Dカップ以上は4割。今は胸の大きい女性が増えたため、乳房の大きさだけではかつてほどの商品価値を生み出すことができなくなっています

「巨乳の時代⇒爆乳の時代⇒超乳の時代」という予想は、乳房の大きさだけでもグラビア世界で商品価値を生み出せるという前提での予想です。でも、その前提が、今の時代には消えてしまっています。おまけにSNS上では、他者承認を求めて爆乳を見せる素人爆乳女性が続出しています。彼女たちは爆乳アイドルたちの競合的存在となってしまうでしょう。ある意味、商業エロゲーが同人エロゲーと競合状態にある状態と似ています。

素人との競合状態もある中で、グラビア世界で商品価値を生み出すためには爆乳は当たり前、超乳でもそれほど価値は上積みされない、その上でのプラスアルファの美点――大衆を引き寄せるポイント――が要求される――そういう状況に入っていくと思っています。ただ、なかなかプラスアルファの美点を見出すのは難しく、「プラスアルファの時代」へと進歩論的に推移するのは難しいでしょう。グラビアアイドルにとっては冬の時代です。

「巨乳の時代」⇒「爆乳の時代」⇒「素人爆乳とプロ爆乳の競合の時代」というのがぼくの見立てです。

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