単独ライター制と複数ライター制の分岐点

美少女ゲームの場合、単独シナリオライター制と複数シナリオライター制というのがある。

1本のゲームを1人のシナリオライターが全部書き切るのが、単独シナリオライター制

複数のシナリオライターで手分けして書くのが、複数シナリオライター制

複数シナリオライター制は、2001年頃からどんどん一般化したと感じている。だが、実際にはどうなのか。

げっちゅ屋で去年12~5月発売まで集計してみた。

●フルプライス
複数シナリオライター 62本
単独シナリオライター 59本

現状では、単独と複数は半々。

●低価格
複数シナリオライター 22本
単独シナリオライター 76本

低価格では、圧倒的に単独。これは以前と同じ。
エロゲー批評空間で、中央値70以上のフルプライスエロゲーを集計してみた。

2013年
複数シナリオライター 104本
単独シナリオライター 12本

げっ!
なんじゃ、こりゃ!

時期が違うとはいえ、全然データの傾向が違うぞ!

どうやら、情報サイトに発表したものは、なんちゃってデータが入っているらしい。恐ろしいことに、情報サイトで「単独シナリオライター」と発表されたもののうち、8割は複数シナリオライターなのだ!

というわけで、他の年代もエロゲー批評空間で調べてみた。

1999年(全部カウント)
複数シナリオライター 7本(中央値70以上)、41本(全部カウント)
単独シナリオライター 34本(中央値70以上)、146本(全部カウント)


2000年(ここから、中央値70以上)
複数シナリオライター 28本
単独シナリオライター 45本


99年から2000年にかけて、一気に複数シナリオライターの比率が上がっているね。

2002年
複数シナリオライター 37本
単独シナリオライター 89本

2003年
複数シナリオライター 71本
単独シナリオライター 86本

2009年
複数シナリオライター 68本
単独シナリオライター 58本

2012年
複数シナリオライター 115本
単独シナリオライター 54本

2013年
複数シナリオライター 104本
単独シナリオライター 12本

2003年ではまだ単独が多いもの、半々の感じ。
そして、2012年あたりでごっそり減っておるではないか。
特に2013年の減り方が激しい。何があったのだ?

ちなみに2014年度の場合。

複数シナリオライター 35本
単独シナリオライター 21本

複数:単独=5:3

去年は本当に単独シナリオライターが少なかった年なのね。
今年は盛り返しぎみ……?

ちなみに中央値60以上のフルプライスエロゲーで集計してみると、

2009年
複数シナリオライター 134本
単独シナリオライター 111本

となる。傾向は変わらない。

フォロワーさんがエロゲー批評空間のSQLを使って色々と集計をしてくださった。SQLをいただいて、ぼくも95年から2013年まで、単独ライター制の作品と複数ライター制の作品の数がどうなったか調べてみた。

手で計算したデータとは、かなり違います。
低価格をうまく弾けていないかもしれないね。なので、「傾向」としての参考で捉えてください。

●2000年
複数 95
単独 283

●2001年
複数 84
単独 290

●2002年
複数 118
単独 312

ここまでは、複数:単独=1:3

●2003年
複数 169
単独 304

●2004年
複数 169
単独 273

●2005年
複数 176
単独 280

●2006年
複数 177
単独 279

少し上がって、そこから横ばい。

●2007年
複数 172
単独 224

●2008年
複数 164
単独 175

●2009年
複数 150
単独 168

複数が単独に肉迫

●2010年
複数 146
単独 144

超えた!

●2011年
複数 158
単独 127

●2012年
複数 174
単独 129

●2013年
複数 144
単独 108

という感じ。
最初の山が98~2000年の頃にあって、次に2003年頃から複数シナリオライター制の作品がさらに増え、2007年にもう一度シフトアップ。2010年にさらにシフトアップして今に至るという感じ。SQLの結果ではね。

ちなみに95年以前は、データとしていまいちです。信憑性が薄い。

●95年
複数 4
単独 23

●96年
複数 11
単独 50

●97年
複数 13
単独 66

●98年
複数 30
単独 97

●99年
複数 48
単独 185

データとしては、正直微妙だが、やはり、単独シナリオライター制でつくられた作品の方が多かったのは、間違いない模様。

最後に、SQLを教えてくださったフォロワーの方にお礼を申し上げます。本当にありがとう!

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