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ボードゲームと学級経営:誰とでも関われる集団づくり#7

小学校の大きなイベントである宿泊学習。楽しいイベントではあるものの、部屋数などの関係から、仲のいい子同士になれなくなってしまい、そこからいろんな亀裂が生まれ、クラスが崩れていくということはきっとどこの学校でもあることではないでしょうか?

タイトルにもあるようにボードゲームを学級経営に組み込むことで、

子どもたちはただ遊んでいるだけでなく、コミュニケーションスキルを高め、複雑な問題解決に取り組み、集団内での協力とリーダーシップを学びます。

さらに、ボードゲームを通じて子どもたちは、個々の違いを尊重し、互いに協力しながら目標に向かって努力するという、誰とでも関われる集団を形成する機会を得ます。これらのスキルは、教室の中だけでなく、未来の社会生活においても非常に有益です。

本記事では、教師がボードゲームをいかに活用し、子どもたちがどう変化し、どう集団を築いていくか、また教師どういう心持ちで関わるかなど解説していきます。あなたのクラスが、この記事で少しでもプラスになればと願っています。

学級経営の難しさ

小学校の学級経営は多様な課題をはらんでいます。まず、教師は子ども一人ひとりの能力、個性等を理解し、それぞれが最大限に成長できるような対応を求められています。また、クラスが30人以上であればそれはより難しい課題となります。

さらに、学級経営においては、子ども同士の人間関係の構築はもちろん、いじめや孤立といった問題を未然に防ぎ、協調性を育てるなど容易なことではありません。

また、今は教育革新でカリキュラムの変更やテクノロジーの導入など、教育環境の急速な変化に対応することも求められます。教師自身がまず余裕を持つことさえ難しくなっているように感じます。

それでも日々子どもたちの動向を見て、その都度その都度、柔軟に対応しなければならないという点も、学級経営の難しさを増しています。

教師が一つの対応を間違えれば学級全体が崩れることもありえます。

しかし、教師も一人の人間であり、間違えることは必ずあります。教師がその1つの対応を間違えても崩れない学級を作ること、子どもたちが学級を作っていくという主体性を育てることが学級経営においてとても重要な考え方だと思います。

私の失敗談

こんなふうに記事を書いている私も昔、学級経営に失敗し、クラスが全くまとまらなかった時がありました。

その頃の私の考え方は、「私がしっかりとしていればクラスはまとまる。子どもと教師が繋がっていれば必ずうまくいく!」でした。

最初に言っておきますが、大きな間違いです!

先にも書きましたが、人は誰しも失敗をします。
その当時は自分が子どもたちのために動いて、「俺について来い!」と言わんばかりに、沢山の企画をして、ついてこない子にはこっちに来た方が絶対楽しいからと無理やり引っ張っていました。
いわゆる熱い先生です。

子ども同士の横のつながりではなく、先生と子どもの縦のつながりばかりを意識しすぎたがために、どんどん苦しむ子が増えました。また何より子どもたちの気持ちに寄り添えていなかったことで、クラスが崩壊していきました。

子どもたちが求めていたのは、日々友達と楽しく過ごすことです。

思い返せば、私も小学生の頃学校が楽しかったのは勉強でもなく、先生に会えるからでもなく、友達と遊べるからでした。

そんな単純なことに気づけなかったんです。

そこからボードゲームに出会い、ボードゲームを学級経営に取り入れていくことで、子ども同士の横のつながりをより強固になり、またそれと比例するようにい教師と子どもの縦のつながりも強固になっていきました。

ボードゲームと学級経営の接点

ボードゲームと学級経営の接点は、子どものコミュニケーション、協調性、戦略的思考などの能力の育成にあります。ボードゲームはプレイヤーに複数の選択の決定を行う機会を自然に提供し、これによりこどもたちは自身の意思決定とその結果について考察するようになります。つまり、勝つためにさまざまなことを自然に分析できるようになれます。

また、多くのボードゲームでは他のプレイヤーとの対話や交渉があるため、これにより子どもたちはコミュニケーションスキルを自然に磨くことができます。一方で、チームでのプレイを通じて協調性やリーダーシップを学び、個々の違いを尊重することの重要性を理解する機会も与えてくれます。

これらの点から、ボードゲームは学級経営における重要なツールとなり得ます。子どもたちの能力の育成を促進し、ボードゲーム以外での積極的なコミュニケーションを進めてくれます。

そこに教師も一緒になって遊び、考え、繋がっていくことで、学級経営もより円滑に進めることができるようになります。

ボードゲームを通じたコミュニケーション能力の育成

ボードゲームはプレイヤー間の対話や交渉を必要とするものが多く、これによりコミュニケーションスキルの育成に向いています。例えば、ゲーム中にプレイヤーが取るべき行動を決定する際、他のプレイヤーとの意見交換や協議が必要になる場合があります。これにより、子どもたちは他者の視点を理解し、自分の意見を明確に伝えるスキルを磨くことができます。

また、ボードゲームは勝利するためには他者と協力することが必要な場合も多く、これにより協調性や妥協の重要性を子どもたちに教えることができます。ボードゲームはまた、子どもたちが互いに関わり合い、共有の体験を作り出す安全な環境をつくってくれます。

さらに、ボードゲームを通じたコミュニケーションは非言語的な側面も含みます。ゲームのプレイを通じて、生徒たちは相手の表情や態度、身振りから情報を読み取る能力を磨くことができます。

これら全てが、子どものコミュニケーションスキルを育成し、より良い人間関係を築くための基礎を形成してくれます。

問題解決とリーダーシップの育成

ボードゲームは、プレイヤーに複雑な問題解決とリーダーシップのスキルを磨く機会を与えてくれます。ゲームは多くの場合、困難な状況や予期せぬ挑戦をプレイヤーに提示し、それを克服するための策略を考えることを求めます。これにより、子どもたちは複数の解決策を考え出し、その中から最も効果的なものを選択する能力を養います。

また、ボードゲームはチームプレイを必要とするものが多く、これにより子どもたちはリーダーシップのスキルを自然に磨くことができます。チームの目標を達成するためには、メンバーの間で協調性と一体感を築くことが必要であり、それはリーダーシップの重要な側面です。リーダーとして行動することで、子どもたちは目標設定、意思決定、他者の管理といったスキルを身につけることができます。

さらに、ゲーム中には必ずしも全てが順調に進むわけではなく、時には失敗することもあります。しかし、この失敗体験は逆境に対する対処能力を養い、成功へと繋げるための重要な学びとなります。ボードゲームはそうした経験を安全な環境で得ることができる、有効な教育ツールと言えます。

誰とでも関われる集団の育成

ボードゲームは、誰とでも関われる集団の形成に寄与する強力なツールです。ゲームは共通の目標に向かって取り組むことを促し、生徒間の協調性と一体感を強化します。ボードゲームは、個々の子どもが自分自身の役割を理解し、他者と協力することの重要性を学ぶ絶好の機会を与えてくれます。

また、ボードゲームは子どもたちがお互いに理解し、尊重するための土壌を作り出します。ゲームを通じて、子どもたちは他者の視点や考え方を理解し、多様性を認め、尊重するスキルを磨きます。これは、人間関係の構築と維持にとって極めて重要な要素です。

さらに、ボードゲームは学級内での相互作用を促進します。ゲームは、内向的な子どもが自分を表現し、友達と交流するための安全なプラットフォームを与えてくれます。また、ゲームの楽しさが共有の経験を作り出し、クラス全体の絆を深めるのに一役買います。

これらの要素は全て、誰とでも関われる一体感のある集団を形成するために不可欠で、ボードゲームはその実現に向けた有効な手段となります。

ボードゲームを活用した学級経営の課題と対策

ボードゲームを活用した学級経営は、その効果性と同時にいくつかの課題を持っています。その一つは、適切なゲームの選択です。すべてのゲームがすべてのクラスに適しているわけではありません。年齢、能力、興味、学級の規模など、様々な要素を考慮に入れて選ぶ必要があります。さらに、教育的な目標を達成するためには、ゲーム自体のルールや目的を明確に理解し、それを子どもに適切に伝えるスキルも求められるかもしれません。

また、ボードゲームをするにはそれなりの時間を必要とします。時間管理が不適切な場合、楽しみが半減してしまったり、それがきっかけで、関係性も逆に悪くなることもあるかもしれません。したがって、休み時間で活用する、授業で活用するなど、時間や目的に管理少なからず必要となります。

さらに、ゲームは競争的な性格を持つものが多く、これが一部の生徒に不安やストレスを感じさせる可能性があります。この問題に対処するためには、競争系のゲームだけでなく、協力的なゲームも取り入れること、または敗北に対する新たな視点を提供し、失敗から学ぶことの価値を強調することが有効です。

これらの課題を適切に管理することで、ボードゲームは学級経営を強化し、子どもの成長を促す強力なツールとなり得ます。

さまざまなことを考慮してのおすすめのボードゲーム

上記の課題には書きませんでしたが、ボードゲームを活用する上で、多学年や他学級との平等性という壁で、断念せざるを得ないこともあります。またハンの人数分買うとなると導入は難しいということもあります。そう言った理由で諦めるのではなく、やり方次第で、活用する方法はあります。

例えば、最近では教育カタログにもボードゲームが乗るほど、ブームになっています。支援学級などはボードゲームが療育的にも生かされていることから、始めてみるのもいいかもしれません。

また、先生がまずは1つのボードゲームを買い、そのルールをアレンジしたり、代用したりして、全員でプレイするということも可能です。

紹介するボードゲーム


『Ito』
1〜100の数字カードとお題カードがあり、それぞれのプレイヤーに1〜100の数字カードのどれか一枚を渡す。プレイヤーはその数字を言わずに、その数字がお題で言えばどれくらいに当たるのかを説明しながら、全員で昇順にカードをオープンすることができれば勝利する、協力型ゲームです。
お題にはコンビニの人気度、デートの定番度、アニメの強さなどがあり、1が人気がなかったり、定番でなかったり、弱かったり。そこからだんだん数字が上がっていくについれて、人気度が上がったり、定番なものになったり、強くなったりして100がMAXとなります。自分の数字がお題で言えばどれくらいかを数字を使わずに表現することで、相手の伝えたいことを理解し、また自分も伝えることで、いつの間にか協力しているというボードゲームです。

本来であればこのゲームは2人から10人で遊ぶゲームですが、ルールを少し変えて、数字カードをクラス全員に配り、お題は1つ先生が選び、あとは4人または5人班に分かれてゲームをすれば、ボードゲーム一つでクラス全員で遊べます。

また平等性ということが気になるのであれば、このゲームの要素だけもらって、自分たちで数字カード、お題カードを自作するのもありだと思います。

【注意】
少なくともこのボードゲームを活用しようとしている先生はこのボードゲームを購入して欲しいと思っています。ボードゲームの作者の方にも生活があり、そういったことも考えながら活用してほしいなと思います。

ただこのようなことを考えなくてもできるように、今、僕自身で印刷すれば著作権フリーのオリジナルボードゲームを作成中です。(面白い面白くないはさまざまだと思いますが、そこは許してください。)

このIto以外にも、誰とでも関われる集団づくりに最適なボードゲームはたくさんあります。
私のチャンネルでも少しずつ紹介していきますので、またもしよかったらフォローしてください。

ボードゲームと学級経営の未来

本記事では、ボードゲームが学級経営にどのように貢献できるかについて考察しました。ボードゲームはコミュニケーションスキル、問題解決力、リーダーシップといった重要なスキルの育成を助けるだけでなく、子ども間の協調性を強化し、一体感のある集団を形成する手助けをします。

もちろん、ボードゲームを学級にに組み込むことは課題を伴います。適切なゲームの選択、時間管理、競争に対する生徒の反応、平等性など、慎重な計画と実施が求められます。しかし、これらの課題を乗り越えた先には、子どものスキルアップと学級の一体感強化という大きな可能性が広がっています。

今社会が日々変化しているように、教育の世界も少しずつ変化し進化しています。新しい教材や教育手法が日々開発されていますが、ボードゲームで培われる対面での目と目を合わせた人との関わりは今後も変わり続けず残るものだと私は思います。ボードゲームが学級経営に生かされれば、子どもたちの人間関係は大きく変わります。これからの教育の未来を少しでも明るくできる一助になれたらと思います。

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