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We're taking over makuhari...ラウドパーク(と言うかPantera)レポ

2003年、グルーヴメタルを切り開き、新時代のメタルの籠児として名を馳せた伝説のバンド「Pantera」はメンバー間の仲違いにより理想とは異なる形で終幕を見た。

そして時は流れ2022年。

カウボーイ達は再び地獄より舞い戻る...

という訳でめでたくザック/チャーリーを引き連れて再結成を果たしたPantera。正直Drs.ヴィニーが亡くなった事で実現したと思われるこの結成。「アボット兄弟のいないPanteraなんて...」と老害心全開だったもののこれ逃したらもう見られないんじゃない?という一抹の不安があり、じゃあ新生のテキサス魂見せて貰おうじゃねぇかと北海道から幕張くんだりまで日本最大のメタルフェス「ラウドパーク」へ遠征したけども

もう想像を遥かに凌駕してました。力を超えた力、鎌首を湛えて我らを脳殺せんと激鉄を弾く俗悪な狂獣がそこにいました。

更にその他大勢のメタルバンド達がフェスを盛り上げんと素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれました。

現場の興奮を1%でもお伝えしたいので駄文ながらライブレポとして観たバンドの感想をここに認めます。(Pantera以外は正確なセトリ把握してませんすんません)

・Bridear

オープニングアクト二発目。ヴォーカルとギターが割と上手かった。音は嬢メタル然としたもので疾走感バリバリ。場を温めるにふさわしいバンドだったように思う。

・HERO

スリーピースでこの音圧!?エモーショナルでエネルギーに満ち満ちたハードロックでこれまたボルテージが上がる。なんか別のフェスにいそうだと思った。
これもヴォーカルが馬鹿みたいに上手く、表現力に魂が揺さぶられた。このバンドなんとなく外国ならめっちゃウケそうなんだけど評判どうなんだろ。

・Outrage

老功国産スラッシュメタルバンドらしい。ええ...(困惑)。出音がデカ過ぎて何やってんのか判断がつかずメタルにも聞こえなかった。どちらかというとハードコア?みたいな感覚。あとフロントマンのムッシュかまやつぶりとクセスゴ通り越して酔ってる?みたいな声が新鮮だったね。

・Bleed from within

ビッグスタジアム級の若々しい極上メタルコア!グルーヴィで頭を振らせるところがわかりやすーい最高の音!こんなん昼間に聴いちゃったら後が続かないよ!と感じてしまう。あと一回目のWodが失敗してヴォーカルが(違う違う!もうやっていいから!)とジェスチャーでやってて二回目成功した時にウキウキしてたのが可愛かった。次回から日本で指示する時はカウントを取ることをおすすめします。

かんぱーい!

・Amaranthe

うわあ楽しい。もはやダサいに片足突っ込んでもシンセに載るポップなヘヴィメタル、そしてスリーマンでそれぞれ個性あふれるフロントがカッコいい。フェスにピッタリの音ですね。バトビとかBIBとか好きな人はハマる音です。あとあのおばさんのアピアランスがあまりにもおばさんしてて好きでした。

・Carcass

きゃああああああああああかす!!!!
もうモニターに映る「CarcassTV」だけで満点っすね。熟練のスリーピースデスメタルとGt.ビルの不安になる痩せっぷりにフロア大熱狂!!(やたらビルスティアー先生ー!!と吠えてるファンがいらっしゃった)やっぱメタルはギターリフよという声が聞こえて来そう。メロデスの始祖:Heartworkはもはや皆様発狂モードで慟哭していて啜り泣く声がものすご聞こえた。ただゴアグラインド時代派としては映像はもっとグロくしてほしかったわ(青々した内臓と頭部解剖だけじゃ物足りない、&使い回しでショボい)。一番モニターを有効活用すべきバンドだからそこは残念。

・Stratovarius

うーん...超メロい。ベテラン風漂うパフォーマンスは素晴らしかったけど個人的にはあまり刺さらず。何で今までチェックしてなかったのか得心が行きました。

・Nightwish

正直に言いますと音よりヴォーカルのエロさに夢中でした。いやマジで色んなとこがたゆんたゆんなんですよ。で服の胸部分がズレたらそれを戻すんですがそれがもうエロくてエロくて...堪らないっすね。本当にセクシーだった。妊娠してるのか大きいお腹を守りつつヘドバンしソプラノ〜がなり声まで幅広くこなすパフォーマンスも見事!HEROからアルティメット前方を死守してて良かったーとPantera以外で思うとは想定外。あ、サウンドも時にトライバリィで時にフォーキー、様々な世界観を垣間魅せるパワーメタルで大興奮でした。あの後ろにいた笛やら謎楽器を巧みにこなすやけにマルチプレイヤーなおじさんは一体...あと派手に彩られたスカイツリーを前にカーテンコールするのは笑いが勝つのでNG。

・Kreator

ジャーマンスラッシュ三羽烏の一角が幕張に降臨。もう一曲目から暴れるならここ!っていう治安悪いスラッシャー達が暴動の如くモッシュしてるのにそこにVo./Gt.のミレが「Massacre!Tokyo style!」と囃し立てるもんですからそりゃーもうひでーことに。ただ彼らも重鎮中の重鎮、サウンドメイクがよく練られていて幕張の音の良さも相まって全くキンキンこず上物スラッシュが楽しめました。セトリのバランスも○(曲ごとに収録アルバムのジャケがモニターに映るの良かった)。True thrashも復活するらしいですしもう一発来日を望みたいところ。
Enemy of godの赤テープ取れた人は大事になすってください。

・Pantera

この為に12時ごろからトイレにも行かず飲み食いも済ませて待機してました。(開始時20時過ぎ)
そりゃあ伝説を拝むなら最前列でしょうが!
準備の時点で他のバンドとは一線を画すアンプの数...あれこれ耳終わるんじゃね?

進行のMCさんが「はっきり言って奇跡です!」と仰ってた通り。もう二度と味わえないと諦観していた地獄産カウボーイ達をこの目で拝める...それだけでもう涙腺が緩み目の前のバンド幕が朧げに映る。

そして前触れなく始まる

「Mouth for war」!!


ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

自身のレーベル:ハウスコアTシャツを纏ってちょい恰幅が良くなったフィルがいる!死にかけとしか思えない痩せ方老け方のレックスがいる!兄弟の魂を継いだザック/チャーリーがいる!!!もう俺死ぬと覚悟して頭を振り拳を突き上げる!リヴェーンジ!!!

この時点で演奏面の不安は払拭されてました。だってGt.ザックの弦音にもDrs.チャーリーの馬鹿でかいバスドラにもアボット兄弟が宿ってるんですもの。ただ丸パクリじゃなくてそれぞれのスタイルを崩さず元をリスペクトする姿勢に真の追悼心を感じます。兄弟の盟友がここまで仕上げてくるなら天国でよろこんでるだろうなあ。

そして俗悪ターンは続き「A new level」
ここでも観客のコーラスは完璧。あ、にゅーれゔぉー!!!
そしてここからは脳殺ゾーンに突入して「Strength beyond strength」に「Becoming」、「I'm broken」!!!とりわけラウドなアルバムなのでライブサウンドも殺人的!モッシャーの暴れっぷりも半端ではない。あの脳殺のギャリギャリドリルで頭蓋をかち割る映像はカッコいいですね。
あとKreatorの時以上の極温のパイロが噴き上げていてあっついあっつい。アレ観客側であんなに熱いのにメンバー大丈夫なんかな。アドレナリンでわかんなくなっちゃってんじゃない。

つーかVo.フィルが解散前より上手くなってたのには驚く...あんなに長いシャウト聴いたことがねえ。それこそ俗悪あたりのライブ映像みると若々しい咆哮で魅せて解散あたりではヤクでボロボロながらブルージィ/スラッジィで渋みのある濁声を聞かせていた彼。それがここに来て全てのエッセンスを結合し唯一無二のメタルヴォーカルに神化している!!DownとかイリーガルとかSJRとか様々なプロジェクトが彼を成長させたと思うと感慨深い(最もそれが原因でPanteraは解散したんだけども)

そしてフィルのMC「じゃあやってない曲を聴かせてやる...驚くなよ?Use my third arm

ガガガガガガッ

きたあああああああああああああああああああああああ!!
マジで!?脳殺終盤のあの名曲が!?ぜってーやらないと思ってたのに!!
この曲グルーヴィで本当好きなんですよ。やってくれてマジ嬉しい。
その後の「5 minutes alone」のあとまたもMC。

「ともこ、来てくれ」

スキンヘッドのカメラマン:ともこをステージに呼び付けコメントを求める。通訳してくれるのありがたい(伝わってるのか?と困惑するフィルが可愛かった。)
そして続くは「This love」。ラブ!ラブ!ラアアブ!のコーラスを観客全員で熱唱する。この曲は本当によくできたナイーヴ→アグレッシブ緩急だね。
お次は以外な選曲「Yesterday don't mean shit」おお!激鉄からこの曲か!と思ったけどよくよく考えたら新しく生まれ変わった彼らにはこれ以上なく似合うナンバーだと後で気づいた。

で、またMC。
「...ともこー」
執拗なともこ推しは笑う。貴方脳殺の来日の時もその件やってたでしょ。(ニコニコにその時の映像がありました→ https://sp.nicovideo.jp/watch/sm4678780)

ともこ「パンテラのライブ見たことある人ー」

観客「うおおおおおー!はーい!」

フィル「!?(んなわけないだろ)。ともこ、違くて違くてこう」

ともこ「新しいファンの方いますかー」

観客「はああああああああい!!!」

フィル「そうそう」

こんな感じのノリでした。

でひと笑い起きた後はフィルの聴き覚えのあるカウント「1.2.3.4!」

Fucking hostile!!!


Panteraの中でもトップクラスの暴れ曲が満を辞して登場。もうフロアやばかったね。後ろから押されて死ぬかと思った。
多分ふざけてあの空耳言う人50人くらいいるだろうなあーと脳の片隅で思いつつ続く

ここでアボット兄弟の思い出の映像が名バラード「Cemetery gates」と共に流れる
※この映像をお家でも見たい人はDVD「パンテラ映像全集」を買おう!

そしてチャーリーがボンゴ(?)の前に座り、始まるはBlack sabbathのカバー「Planet caravan」。兄弟の追悼として永遠の旅を高らかに渋く歌い弾き叩く彼らの姿に涙した方も多い事でしょう。
そしてここで代表曲「Walk」りー!すぺく!ウォーク!と最早フィルより歌ってる観客達。このレスポンスがやりたくてフロアに残ってる人もいたとの噂あり。
続く定番「Domination/Hollow」の後聴き覚えのあるSE

We're taking over this town....

もうこのSEの時点で泣きました。そりゃ泣きますよだって彼らを象徴する悪童ナンバー「Cowboys from hell」なんですもの!!!!

もう何もいうことないでしょ。完璧ですよ。
あのリフ!あのソロ!ほんっとうに号泣しました!この為に私は3万払ったんです!!!

そんなこんなで蘇ったPanteraのライブは大成功のまま終了した。

最後にMC

フィル「とても嬉しいから...この曲を一緒に歌ってくれ...♪♪♪(知らない曲)」

観客「あー...」

フィル「...(マイク放り投げ捌ける)」

最後にひと笑い残しつつ悪ガキの性根を残したカウボーイ達は幕張のステージを後にしたのでした。

この歴史に残る瞬間に立ち会えて本当に良かった。新生Panteraかいつまで続くかはわからないし和解出来なかった天国のアボット兄弟が何を思うのか、今は誰も知らない。

それでも、それでも地獄と現世を12ゲージで突き破る彼らの栄光が少しでも続く事を願います。

本当にありがとうございました。Pantera大好きです。

最後に私が大好きで惜しくもセトリから外されてしまった曲「Primal concrete sledge」の一節で締めさせていただきます。これでラウパロスを乗り切りましょう。

Come and be with me
(俺と一緒に来いよ)

Live my twisted dream
(歪み切った夢に生きよう)

Pro devoted pledge
(契りを交わした野郎ども)

Time for primal concrete sledge
(ふざけた奴らに鉄槌を振り下ろせ)

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