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13日目:タロットカードと4元素

「タロットカード」といったとき、一般に想像されるのは「大アルカナ」のほうではないかと思います。

「大アルカナ」は全部で22枚。「皇帝」や「審判」、「運命の輪」などオタク・おなじみのモチーフが描かれています。

「大アルカナ」があるということは「小アルカナ」もあります。

「小アルカナ」は全部で56枚。「ワンド」「ペンタクル」「ソード」「カップ」の4種類に分かれ、それぞれ1〜10の数字カードと4人の人物を描いた「コートカード」からなります。

この「小アルカナ」は、実は厳密に4元素の思想から組み上げられています。

「ワンド」=火
「ペンタクル」=地
「ソード」=風
「カップ」=水

であり、

コートカードの
「ペイジ」=火
「ナイト」=風
「キング」=地
「クイーン」=水

をそれぞれ象徴しています。
トランプでは「ジャック」「キング」「クイーン」の3種類なのに、コートカードが4種類なのはそういうわけです。

つまり「ワンドのクイーン」は「火の水」を象徴し、火属性の情熱やエネルギーと、水属性の共感や情緒をあわせもつカード、ということになります。

(コートカードは人物を象徴するともいわれるので、そのようなエネルギッシュで情緒豊かな「女性」という解釈もできます)

反対に、ペイジやキングらに与えられた人格から4元素の性質をうかがうこともできます。

ペイジは従者としての子供ですが、つまり「これからなんにでもなれる」はじまりの勢いを表します。火属性のもつ熱は勢いがよく燃えさかるものであり、成熟や安定からは少し離れたところにあります。

反対にキングは成熟した大人の男性であり、一国の主としてどっしり構えています。地属性とは積み重ねの上に成り立つ実質であり、スピード感や流動性をあらわすものではありません。

わたしは占星術を学んでから、3要素(活動・不動・柔軟)に比べて4素子(火・地・風・水)の説明や納得に苦労していましたが、タロットカードに触れて少し腑に落ちたところがあります。

タロットカード(特に小アルカナ)は非常に緻密にさまざまな思想のモチーフを組み込まれてつくられているので、そのモチーフを読み解いていくとより深い納得が得られます。

タロットカードをはじめたばかりで、教科書に載っている意味を引き写しただけの解釈になってしまう、と悩んでいる人は、モチーフを読み解くことを意識するといいかもしれません。


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