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須恵器・土器を愉しむ【古代オリエント博物館(池袋)、写真撮影がOKに】

 「須恵器・土器を愉しむ」では、個人的関心事の須恵器・土師器を中心に「考古・郷土全般」に関する都内および近郊の展示に関する感想・情報を綴っていきます。施設側の情報発信が少なく「どこに何が展示されているのか分からない」ことも多いので、参考にしていただければ幸いです。
 今回は、池袋のサンシャイン60にある「古代オリエント博物館」です。

■地味にすごい展示
 「オリエント」とは、ローマから見た東方、陽が昇る土地。館の説明では「西アジア、エジプト地域を中心として、旧石器時代からサーサーン朝時代までの資料約5,000点、及びシリア出土品を多数収蔵する」とあります。
 行く前までは、今ひとつ内容の予想ができませんでした。古代文明はイメージできても、建築物の遺跡のようなもので、どんな展示がなされているのかが分からなかったのです。ところが、意外なほど「土器」がたくさん展示されています。解説もていねいなので、入口のシアタールームで10数分の概要を見れば、「だいたいあの辺のあの頃」を念頭に、各解説を読むことで展示を楽しむことができます。ゆっくり回ると1時間では足りない規模です。
 これは、お勧め。と思ったのですが、以前は館内撮影禁止。以下の様な感じでしか伝えられず、「オリエント」と言っても「なんだっけ」ということで、なかなか他の人の行動動機になるようなお勧めができないのが残念でした。

今回も入口は同じ。見事に一緒です。

 しかし、中に入ると館内注意事項のところに「写真撮影可」の表示。どうで撮影できないし、と、デジカメを持ってこなかったことが悔やまれます。スマホ撮影のため「カシャカシャ」音が気になるので枚数は少ないのですが、気になった土器を何点かご紹介します。

 当時の家屋内イメージ。器や壺の使われ方が分かります。

 下から上へ年代別の土器の変遷。

 彩文土器はとても薄く仕上がっています。

 紀元前の金属器の模倣土器。須恵器・土師器の坩(かん)に似た形をしています。

 トーハクの「縄文展」(2018年)で「縄文と同時代の世界の土器」の展示にもあったろくろで作られた、シンプルで洗練されたさまざまな土器。
 
 土器以外にも、アラバスターの器、金属器、ガラス器、遺跡や発掘調査に関するものなど、内容の濃い展示です。「常設展」は「コレクション展」と呼ばれ、定期的に展示替えがされているようです。テーマを設けた「特別展覧会」もあります。
 詳しくは同館Webサイトをご確認ください。

 http://aom-tokyo.com/index.html

フリーランスの編集・ライターとして活動しています。編集・ライター作品紹介webサイト「神楽出版企画」(企画から制作進行・執筆までワンストップ対応)
 http://www.kagurasyuppan.com


 




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