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ウィーンフィル2024への道(その3)

いよいよ年末のことを考える時期がやってきたのに今年は殆ど仕事をしていない。まだ寒い時期に足首の手術をやり、ようやく歩けるようになったと思った矢先の春先からは母親の看病でずっと四国にいた。その母も夏の暑い日にあっけなく他界してしまい、9月下旬になってやっと今年の仕事はじめとなったばかりなのだ。なのにもう年末が迫ってくるではないか。
コンサートチケットを分け合った友人は先に航空券の手配を終えてしまい、いまさら自分だけキャンセルとは言えない状況がどんどんと出来上がっている。
年末の仕事の予定が見えないってことを理由に航空券の手配を先送りしていたのだが、そうも言ってられなくなってきた。

トルコ航空でチケットを手配する

年末からのウィーンへの旅は結局、チケットを分け合った友人の他にタイ人が加わることとなり、あわせて三人となった。仲間が増えて賑やかになるのは良いのだけれども面倒な問題も発生した。
日本人は殆どの国々へノービザで入国できるのだけど、タイパスポートはそこまで強くないのだ。タイパスポートでオーストリアに入国するためにはシェンゲンビザを取得せねばならず、そのための書類やら何やらをそろえる必要がある。友人に遅れること半月、10月下旬に航空券を買った。予想外の仕事が入っているため、出発を大晦日にしたのだが、刻々と値上がりするチケット代を見ていて青くなっていた。ご贔屓のANAは高くて手が出ず、スターアライアンスならラウンシ゛を利用できるからトルコ航空にした。
東京発でANAではない国際便に最後に乗ったのはノースウェスト航空があった時代なので30年くらい前ではなかろうか?
今回はイスタンブールでトランジットするのだけれど、巨大なアタチュルク空港のラウンシ゛に立ち寄るのは久しぶりだ。なんせコロナから海外へ出たのは数回しかなく、今回のウィーンへの旅は昨秋の西アフリカ以来の海外渡航になる。

シェンゲンでの旅行ルートを考える

先に航空券を手配した友人はポーランド航空がお好きらしくワルシャワ経由で30日までにウィーンに入る予定だそうな。僕は大晦日にウィーンへ向かって出発する。
成田を飛び立つのは午前中だけど、日本が新年を迎えている頃はまだ機上で酔っぱらいのはずだ。ウィーンのホテルに到着するのが夜中になるため、コンサートチケットは先に到着する友人に受け取って貰うことにした。
それにしてもウィーンのホテル料金は高い。せっかくなので10日間ほどの日程を考えていたのだけれど、宿泊費で干上がりそうなので早めにオーストリアを離れることにした。
スイスに移動して冬のツェルマットなんてどうだろうか?なんて事も考えたのだが……こちらもシャーレの値段を見た瞬間に断念した。住む世界が違う感じだ。

そこで思いついたのがギリシャだった。物価もさほど高くないだろうし、冬でも暖かそうではないか。せっかくだからサントリーニ島に渡ろうってことになりホテルを仮予約した。
ビザのための暫定的な予約なのであまり深く考えずに決めていったのだけど、ギリシャへ行くのだから復路が必然的にアテネ発となった。成田からイスタンブール経由でウィーンに入り、復路はアテネからイスタンブール経由で成田に戻るルートだ。変更すると手数料が高いため、このルートは早々と確定となった。

サントリーニ島もあきらめる

ウィーンからサントリーニ島までは直行便がある。それも高くないのでウィーンに留まるよりも気候の温暖なサントリーニ島に滞在する方がかなりお得な気がしていた。アテネとは船便もある。
ところが、ここでも問題が見つかった。冬のサントリーニ島は観光客が少なく、ホテルやレストランの多くが休業するらしいのだ。ホテル料金もたしかに安かった。
しかし、航空チケットの復路はアテネ発で確定させてしまっているし、早くルートを決めてホテル予約などを完成させないとタイ人のビザ申請が間に合わなくなる可能性もある。いやはや、いつに増して後手後手である。

南に針路をとれ!

アテネから飛び立つ日が決まっている以上、ウィーンからの針路は南へとらねばならない。それならばギリシャへは最後に行くのであるから、探す国も限定される。シェンゲン圏内&地中海で考えてマルタとイタリアとクロアチアが浮上し、アテネへの渡航の便利さからイタリアに決まった。実はイタリアへはスイスから国境を越えて何度か入国したことがあるだけで、有名な都市には行ったことがない。事実上の初イタリアなのだ。
イタリアへはウィーン駅からOBBの夜行列車で向かうことにした。ヨーロッパの寝台特急で冬のアルプスを走るなんて素敵ではないか。それに宿泊費が浮くのも魅力的だwww

往復の航空券の他にシェンゲン内での移動費や宿泊費はすべて先週末までに払い込んだ。傷害保険の手配や年末年始のスケジュール調整も完璧である。
これでウィーンフィルへの道がとりあえず完成したことになるのだが、あとは年末までケガに気をつけて仕事に勤しまねばならない。想定外にかさばった旅費を稼ぐのだ。
気がかりはコンサートでの服装くらいとなり、これについては同行する友人に聞くことにする。
発表されている楽曲についても予習せねばならない。今回の予定はこれまでにない演目になっているそうなのだ。
                           (次回へ続く)



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