初めてCOACHのバッグを買った。
羽振りがよくなったわけではないし
見栄を張りたいわけではない。
安物買いの銭失いをやめる第一歩だ。

それまで私はファストファッションしか持たず
通販で考え無しに買っては
失敗した、飽きたなどの理由で
ゴミとして捨てていた。

しかしある時、転機が訪れた。
85パーセントオフで1000円という
破格の値段の腕時計を買ったところ
500円でも買いたくないようなクオリティの
時計が届いたのだ。

しかも新品のはずが傷だらけ、
電池は入っていないか切れている模様。
これでは恥ずかしくて時計店に
電池交換を頼むわけにもいかない。

こうなるともはや燃えないゴミでしかない。
そう、例えるなら1000円落として
燃えないゴミを送り付けられたようなものだ。

私はここで初めて、
安物買いの愚かさに気づき
衝撃を受けた。

安物買いは自分をチープに見せるだけでなく、
粗悪品の流通に加担してしまい、
ごみを大量に出してしまうことにもなる。
まさにSDGsの真逆である。

うっすらと頭では分かっていながら
こんなことを何年も続けていた自分には
呆れるばかりだ。

そんな時BOOKOFFで
COACHの中古バッグに出会ったのだ。
多少の劣化は気になるものの
そのデザインやしっかりとした造りに感動した。

そして後日、
安物買いの銭失いをやめる第一歩を記念し、
新品のCOACHのバッグと財布を
買ったまでである。
そうすると不思議なくらい、
安物を大量に買うことへの興味が失せた。

大量生産と大量廃棄の時代。
クローゼットを開けても好きなものが何一つなく
それゆえに「着るものがない」と錯覚して
また大量の服を安く買い集めていないだろうか。
今こそ安物買いの銭失いをやめる時かもしれない。