看護師の体験とか思いなんて、極論すればどうでもいい。

好みの問題かもしれませんが。

世の中には”研究”というものがあり、看護の分野の研究を看護研究という。看護研究は質的研究と量的研究に分かれて…とか細かい話はさておき。

私は研究が大好きで(するのも読むのも)、様々な研究論文を読んだり発表を聞いたりするのですが、目にするたび「う~~ん」と感じる部類のものがある。

それは、「がん患者さんの清潔ケアをしている看護師の経験」「救急搬送されてきた患者を援助する看護師の思い」といった看護師に焦点が当てられている研究。研究結果では「このように考えてアレをして、結果、看護師はこういう経験をしていた」みたいな感じになるわけです。

私、こういうのを見ると、「で?」と言いたくなるんですよね。

というのも、いくら時間をかけて考えて看護を行っても、たとえどんなに優しい気持ちで身体を拭いたとしても、患者さんがどう受け取めるかがすべてだと思うから。「看護師がこんなに患者さんのことを考えていた」と看護師の思いを研究で示されても、「で、患者さんはどう思ってるの?」となるんです。

尊敬する看護の先生がある雑誌で、看護師が良かれと思って提供しているケアが、患者・家族にとってはむしろマイナスになっていることもあるという話を書かれていました。新婚のご夫婦で奥様が入院となり、看護師は「2人の時間を作ってあげよう」と考えて、「身体拭きはご主人と一緒にしてください」と提案した。奥様もご主人も納得し、入院中の身体拭きは2人でされていた。それに関する看護師の話や看護記録からは、看護師自身は「良い看護を行った」と認識していることがうかがえた。
が、退院後に奥様に話を聞くと、「新婚で、主人に身体を拭いてもらうのは恥ずかしく気まずかった。看護師さんにしてもらいたかったけど、言いだせなくて…」とおっしゃられ、ご主人も同じように述べられていた。

このケース、「看護師の経験・思い」と題した研究を行なったら結果はどうなるでしょうか?目に見えてますよね。ここで行われた看護は看護師の自己満足であり、看護師に焦点をあてた研究もまた然り。

noteでも繰り返し書いているけれど、患者さんやご家族はいつも本音が言えるわけではない。患者さんは人質だから。だからこそ、看護師の独りよがりになってしまわないように、常に「患者さんや家族はどう思っているの?」と自問自答しなければいけないし、慎重になる必要があると思います。

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いつもありがとうございます(*^-^*)
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樋口佳耶

看護管理学note②

看護管理学note①がいっぱいになったので、新しくつくりました♪
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