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家業は竹籠の制作。 木曽谷に移り住んで25年、山を喰らうを主に。 insta→@kag…

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家業は竹籠の制作。 木曽谷に移り住んで25年、山を喰らうを主に。 insta→@kagyuu346

マガジン

  • 雑閑

    うつつなことがら

  • 竹の細工

    竹細工も大雑把に分けると青物細工、白物細工、染め物細工とあり。 うちは染め物細工で竹工芸のジャンルになります。

  • 山を食む

    目にした口にした山集落の食べ物のこと。

最近の記事

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竹屋の女房-暮らしの落とし処

40代にやっていたブログのタイトルは「暮らしの置き処 」だった。 60も目前になり、置き処は落とし処 へと移る。 その間、螺旋階段は芯を同じくしてグルグルと、上に行くほど横幅は少し広くなったろうか ペースは落ちたり早まったり 平均すれば歩幅は結局同じかもしれない スワイプはなかったな、そんな感じ 到着地はこれからもない。

    • 3月28日の木

      この木楢の木 20mくらいあるのかな、大木 「曲がった木は伐ってはいけない。こういう木には神が宿ると伝えられている」と何年も前に木地師から聞いたような記憶はうろ覚えで確信がなく。 でもこの木を見るとそんな気がするんだよね。 これ一本のみがそびえ立っていて 何故伐られなかったのだろうかと思う。 桶屋の言う、木を伐ると言うてくれるな、寝かすと言うてくれ。 轆轤の木地屋が、曲げ物の木地屋が、木地師って言われるようになってさ、俺ら木地屋だ。 言葉の断片が、この木を見ると出

      • こたつと猫

        コタツに天板を置かない。 どうしてかというと、猫がここでくつろぐのです。 豆炭コタツで、いい塩梅に暖かい。 もともと猫5匹いて犬2匹いました。 子は2人。 子は巣立ち、猫も犬も次から次と申し合わせたように15歳で死に、夫婦2人と猫1匹になりました。 いっぱい居る時は相性の良い猫もいたわけですが、贔屓したら悪いなと、 どこか一線引いていました。 それらが居なくなり1匹になって、これが奥ゆかしい猫で弱肉強食の世界の傍らで生きてきていたのです。 誰に喧嘩を仕掛けるでもなく、ご飯

        • 来し方

          花入 小菅小竹堂(1921~2003) 作 不思議な縁で此処に有る花入れ 根曲がり竹で制作されている。 30数年前、別府の竹訓練校を卒業したその足で東京へ移った。 別府を出るとき、神奈川の葉山に小菅さんという竹工芸師がいるよと教えてもらった。 訓練校にいるときから先達を訪ねて歩き、何方に感化されるかは、自分にしてその後が大きいと今にして思う。 竹細工を始めたばかりの若者を快く招き入れてくれた小菅さんに感謝している。 お訪ねした時、小菅さんはアクセサリーを作っておら

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        竹屋の女房-暮らしの落とし処

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        記事

          お焼き

          信州のお焼きにも色々あり 好みとか、その地域にそぐう方法で作られたり 一言では言えないのだけれど 大きな違いは皮だろうと思う。 随分前、善光寺の門前で二種類買って、一つは小麦粉のみの皮で、もう一つはふっくらさせていた。 小麦粉のみが好みだった。 あれから様々食した。 イースト入れたのもあれば、天然酵母は松本の鷹匠庵、重曹やベーキングパウダーとかのふくらし粉入れてるところもある。 あれやこれやと作ってみると、そのうち何が好みなのか分からなくなってきた。 2015年、小麦

          五平餅

          五平餅も地域によって形が異なる。 ここはわらじ型が伝統だが、円形のが食べやすいので、そっちを作る。 ご飯とエゴマだれを用意。 エゴマダレは、エゴマ100gくらいをすり鉢であたる。 砂糖100g・醤油50g・みりん20CC・酒20CCくらいを煮溶かしておく。 それをすり鉢に少しずつ入れて都度擦る。 どろんとした粘りのあるたれが出来る。 この状態で瓶に保存すれば1カ月は持つ。 粘りが強いので、使う時はタレを緑茶で薄める。 ご飯を半殺しにつき 好みに丸める 両面を素焼き

          胡桃の実を取り出す

          昨年秋、家の向いに胡桃の木があって、買うと高いので今年こそは採ろうと考えた。 近場なので余裕こいてたら出遅れる。 栗鼠に持っていかれて、数個しかなかった。 仕方がないので町を巡って集めた。 ここらの胡桃はすべからく鬼胡桃である。 乾燥させ保存しておいた。 まず殻を割りやすくするため丸一日水に浸け、煎る。 煎ると少し開くので、そこにマイナスドライバーを入れて木槌を打ち込み割る。 ドライバーで開けないのは、プライヤーで割った。 何日もかけて広い集めて、これだけだった。 87

          胡桃の実を取り出す

          蕎麦屋に納めた亀甲盛り皿

          蕎麦一人前の亀甲盛り皿は直径22cm 最初に依頼された蕎麦屋さんと試作を重ね、一人前を盛るのにちょうど良い皿の寸法、編み方、編み目に出来る穴の大きさを決めた。 編み目の穴の大きさは、蕎麦を盛っても水が下に落ちないように。 今では数軒の蕎麦屋に納めている。 蕎麦屋ともなると使用頻度が半端なく、年に1,2件の修理が入る 一昨年、埼玉県の蕎麦屋から修理の依頼が入った。 皿が届いて、その色味の変わり具合に驚いた 右がその皿 左が通常の色 制作者である飯島と変化の理由を考える

          蕎麦屋に納めた亀甲盛り皿

          亀甲盛り皿

          30年作り続けている皿、編み方が亀甲編みというので亀甲盛り皿。 竹細工は編み方をその籠の名にする事が多い。 麻の葉編みだと麻の葉の皿とか麻の葉の舟籠とか。 竹細工を大まかに分けると ・青物細工 青竹- 生えている竹を処理加工せずにそのまま細工する      ・白物細工 白竹- 青竹を煮沸処理(湿式)もしくは加熱処理(乾式)し         て竹から青味を抜き白い竹にして細工する             白物はクラフトと呼ばれる事が多いです ・染物細工 染め竹-青竹もし

          亀甲盛り皿

          栃餅

          毎年いただく栃餅を、いつか自分で作りたいと思っていた。 この山地に越して25年、貰えなくなったら食べられないものの一つが栃の実を搗きこんだ栃餅。 栃の香りがふわり口中に漂い、うっすらと苦味が広がる。 砂糖醤油や胡桃だれの甘さで食べる。 醤油麹や、柚子胡椒も良い。 山の衆の一体どれほどの年月これを食べてきたんだろう味の朴訥さ。 変えようがなかったからか、アレンジしても舌に長続きしなかったか。 粗野を食べ続けるを担保するには自分で作るしかない。 そこに実がなる木があって、長い

          氷点下6℃ 晴天 朝、カーテンを開けたら 睡蓮の鉢に氷が立っており 睡蓮は生きています 鉢はプラスチック製 鉢の上は空 電線も木も何もない この時季は 朝に凍った水面は昼の温度上昇で溶けて水に戻る そのまま夜に入り、夜半より急激に温度が下がって、朝には凍っているを日々繰り返す 去年の一月だか二月だかにこれを見た これが二度目 睡蓮鉢の上は真向空 何もないから氷柱が落ちてくるわけないし で、ここ目掛けて空から氷を落としてくる鳥もないだろうし 不思議でしょうがない。

          薬店からの葉書き

          月に一度、舞い込む葉書き 村の二軒ある薬店の内の一軒からの届け 気負いがなくて楽しみにしている。 こうした教示のない作文が好きだ。

          薬店からの葉書き

          ふつうがえらい

          って、どっかで聞いたフレーズは佐野洋子さんの本。 観光地の食堂でバイトしていて、面白く。 平均年齢68歳の地元のおばさま方と日々うごめく。 何が面白いって、おばさま方のふつう飯。 こういうのが食べたかったんだなと思う、今まできっと。 観光地食堂で出すおもてなしは別段食べたかない。 地元の日々飯がやっぱうまい。 バイト昼飯時。 家で成る今季最後の胡瓜を持ってきてくれて、タタタタっと輪切ってパパっとカツ節かけて醤油を垂らしたそれだけの皿が回ってきた。 旨いなと思って。 ス

          ふつうがえらい

          木の実

          9/10、胡桃の実を拾いに歩いたが、すでに遅く 11個しか拾えなかった 実がなっていたのは確認していたので、栗鼠に持っていかれたかと思う 毎日いつでも行ける栗鼠に勝てる気がしないわ 9/18日より栃の実の取りはじめ あっちの栃の木こっちの栃の木と一週間で大方一臼半くらいの量は拾えた 二臼搗きたいので、もう少し粘って拾おう 栃餅への執着心は終わらない 栃餅、美味しい 9/21日、庭の栗の木の実が落ちていた 今季のお初 うちの実は小さい 小さいのは、味がぎゅっとつまっているの

          木の実

          残夏のぼろねこ

          ぼろねこはこくりこくりと甦った。 階段で爪を研ぐ姿を見た時、こっちをむいて生きてきたと嬉しかった。 もうだめかと幾度となく思って。 看てくれた医者へは、あの後行かず 自分とこで何ともならなかったら命の全うなんだなと あきらめたのか、あきらめきれなかったのか分からず。 水でふやかしたカリカリキャットフードをすり鉢であたり、茶匙で掻き集めて注射器に入れ、むりくりすまんがと口に注入 私たちは、あきらめてはなかったのかもしれないが 引き留めるつもりもなかった それが日を追うに

          残夏のぼろねこ

          夏の草花

          玄関先に毎年咲く花 名前を思い出せない 花の名前は覚えられない 聞いても忘れる 水引だったかな 赤い糸のような 自分は名前を覚えるとそれが先にきて、花見ながら名前を見てしまうような気もする なので覚えられぬのをこれ幸いに 綺麗だなあと 毎年の数日

          夏の草花