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[レポート] OpenAI DevDay で発表されたこと

所感

OpenAI がよりアプリケーションプラットフォームとして出来ることを広げていく気概を感じるイベントでした。

今回のアップデートで、「見る聞く話す」が API にも実装され、より長いコンテキストや、より正確な知識を得ることが出来るようになります。

更にそれらを活用して作られたアプリケーションがデプロイされるプラットフォームの発表もありました。収益化もしていくとのことで、 Next App Platform に育ち新たなプレイヤーが活躍していくことに期待を感じます。

また、開発観点ではThreadingで状態の管理をしなくても良くなり、Retrievalするときにファイルごとにパーサーを書く必要がなくなる未来を感じました。LangChain との併用が必要だったところが、ChatGPT でカバーされていくことを期待できます。

私たち EXPLAZA としては、今回の LLM の登場を「AI の民主化」と捉えていて、活用出来るプレイヤーが広がり、モバイルプラットフォームの出現に近いインターフェース革命が起きると捉えて事業展開をしています。

そのような未来をより感じる発表が見れたこと、そこに同席できていることにとても感謝しつつ、より LLM の普及による豊かさの変革を加速し続けられるよう、努力を続けようと決意を新たにしました。

以下、かんたんなまとめです。詳細は DevDay の動画をご覧ください。


GPT4-Turbo のリリース

GPT4-Turbo になることで 6 つの update がありました。今回の発表でより速く、賢く、知識豊富に、マルチモーダルに、カスタマイズ性があがり、そして安くなるとのことです(全部盛り)。

  • 128k contextの投入が可能に

  • json 形式でのレスポンスモードが選べるように

  • gpt-4-1106-preview では、デフォで 2023/04 までの知識。knowledge をドキュメントや web から取得することが可能に

  • 新しいモーダル。DALLE3, TTS, GPT-4 Turbo with vision が API で開放

  • CustomModel : FineTuneよりもより柔軟なカスタマイズが可能に

  • 2x tokens per minute

GPT4-Turbo は ChatGPT に本日中にデプロイされる模様。そして Agent 機能が追加されて、GPT4でのコードインタープリタ等で行っていたツール選択は ChatGPT が行ってくれるようになる。ChatGPT の Agent 化!

料金

GPT4-Turbo になることで料金は安くなる。具体的には下記。

  • input tokens : $0.01/1000 prompt token(GPT4比 1/3)

  • output tokens $0.03/1000 completion token(GPT4比 1/2)

よりアプリケーション開発の低コスト化が進み、ますます世の中に LLM があふれる未来が想像できます。

GPTs

GPTsは特定の目的に特化させたオリジナルChatGPTを作成する目玉機能。
コーディングは不要でChatGPTとの対話をするだけで簡単に作成できるとのこと。

さらにはGPTs専用のストアも公開され、自分が作成したGPTが誰でも使えるようになる予定。なんと、使用された割合に応じてレベニューシェア*1もあるとのことです。

例えば Canva は CanvaGPT を作っていて、自然言語でデザインをすることが可能になる。ZapierGPTには自然言語で App 間のインテグレーションが可能になる。

これにより、既存のアプリケーションが、ChatGPT の Agent が活用する1つのツールとして産まれ変わります。ChatGPT から、既存アプリケーションの機能を活用することが出来るうえに、何をすればいいかは ChatGPT の Agent 任せ。アイアンマンの J.A.R.V.I.S. の世界観がより現実味を帯びてきます。

というか Zapier に既存の主なインテグレーション機能は実装されてるわけで、それを1つのツールとして ChatGPT の Agent が使い倒すって …。OpenAI のコラボレーター戦略はリリース当初から凄まじい。

何よりも以前だったら API 仕様書読んで、インスタンス立ち上げて、、みたいなコーディングが必要だった領域が $20 払うと勝手にやってくれるようになるわけです。nocode 化は LLM の登場で加速間違いなし。

DevDay中に 4 分で独自 GPT を自然言語で開発

自分のアプリケーションを持っていなくても、自然言語で GPTs に展開できるアプリケーションを作ることが出来るようになる。

OpenAI の代表 Sam が DevDay でやっていたので興味ある方はこちらご覧ください。

「スタートアップ起業家に XXX をしてください」と依頼を投げると、GPT が自動で下記を検討しています

  1. タイトル

  2. アイコン画像

  3. GPTs App 概要

  4. GPTs App 詳細

  5. 会話の開始パターン

  6. ケイパビリティ

そして能力を拡張するために 2 つのことができるようです

  1. ナレッジデータベースのアップロード

  2. Actions(詳細語られず)

もちろんこれも一般公開やプライベート公開ができるようです。将来的には収益化も出来るようになるとのこと。

Assistants API

Agent のようなシステムを自分たちのサービスでかんたんに作るための API が公開された。

かんたんにまとめると、「Threading / Retrieval / Code Interpreter / Function Calling」を Assistants API が自動でやってくれるようになる。便利。

本日からベータ版が提供されるとのこと。楽しみ。

お酒と映画と読書が大好きで夜も眠れません。たくさん働きます。 プロダクトマネージャー ← 受託開発会社代表(コーディング/セールス/PM)。 fintech / プロダクト / 映画の呟きが多め。 ストーリーあるものが好き。