「すべての仕事はクリエイティブディレクションである。」を読んで。

電通クリエイティブのトップである古川裕也氏が執筆した「すべての仕事はクリエイティブディレクションである。」を読了した。業界も立場も違う話ではあったが、かなり読み応えがあり、学びも多かった。自分の仕事と結びつきそうなことをまとめていこうと思う。

クリエイティブ・ディレクションという仕事とはなにか

クリエイティブディレクションという行為は、高度で崇高な、限られた人間だけがするものだと勘違いしていた。まったくそんなことはなかった。

クリエイティブディレクションの仕事とは「課題→アイディア→エグゼキューション」。誰もが触れている行為が順を追ったプロセスとして、書かれていた。
本著によると、クリエイティブ・ディレクターの仕事は4つのフェーズで成り立っているという。

①ミッションの発見
②コア・アイディアの確定
③ゴールイメージの設定
④アウトプットのクオリティ管理

ミッションと課題はまったく異なる。普段改善をしようとすると、課題ばかり羅列してしまうが、よくよく考えると、それらは複雑に絡み合っていたり、一度に解決できないことも多い。大元の原因を探るが、なかなか見つからない。そりゃ、そうだ。見つめている課題が、実は状況であるのだから。
ミッションの発見とは、漠たる不満を確たる不満に昇華させる行為だという。

ミッションは、「自分たちができることの中でいちばん高度で本質的で世界のためになることは何か」という問に対する答えでもある。
ミッションの発見は課題からひとつ次元を上げ、必ず課題より拡張かつ高度化させなければならない。明らかに、社会的な、つまりみんなにとって重要なミッションに昇格させる必要がある。


削ぎ取って削ぎ取って削ぎ取って削ぎ取る

本著の中で繰り返し語られていることがある。

「CDの仕事は、ファインアートではない、「目的芸術」である」
本質の本質の本質の本質を見極める

よいものをつくるためには、関係するチームのみんなの認識が決してブレてはいけない。しかし、そこには、目に見えない、脳の中にあるものを、一切間違うことなく全員が認識するという大きく困難なハードルがある。
そのためには、"そもそも"は何なのかを突き詰め、削ぎ取って削ぎ取って、本質の本質の本質の本質を定義する必要がある。不正確さを排除し、論理的に振る舞わなければならない。

ブランドの価値を決めてコア・アイディアを確定することは、ひとつ以外の、他のすべての可能性を捨てることだ。ひとつの価値しか認めないということ、やるべきことを限定することだ。


傑作にならざるを得ないように追い込んでいく

あまりにもかっこいい言葉だったので、本著から拝借させていただいた。

ロジカルなフェーズのあとはアウトプットのフェーズである。ここからは、過酷さを強いられる。人々の”こんな感じ”を作り上げなければいけないからだ。
なにがよいという正解は一切ない。非論理的な出来事を表現の力で制御しなければならない。

ここまでのフェーズがどれだけ優れていても、アウトプットがダメなら1グラムの価値もない。すべてのプロセスは最終形がみんなから拍手されるためにある。
とりあえずどこからも文句の出ないように表現しておけばいいというのは、120%の確率で失敗する。誰にも届かないという結果に終わり、巨額の投資をドブに捨てる行為だと認識すべきである。たとえ、その種のアウトプットがクライアントに通りやすいにしても、こちらの罪は罪である。


総括

今回は、部分的なところをまとめたが、冒頭で述べたように、業界や職種関係なく使える考え方や手法の話であった。誰が読んでも、ためになる本だと思う。
自分に対して言っているような、ハッとするようなことも多かった。
特に繰り返し出てきた「削ぎ取って削ぎ取って削ぎ取って、本質の本質の本質を表現する」という言葉。
批判されることが多いと、安易な選択肢を取りたくなるが、結論なにも解決していないことになる。気をつけていきたい。

最後は、著者の言葉で締めようと思う。

発見されてるのを待っている課題、答えを待っている課題、明日発生する課題。世界は、課題に満ちている。
けれど、僕は信じているのだ。僕たちのクリエイティビティの力で解決できない課題なんか、この世に存在しないことを。


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Tajimaharu

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