見出し画像

酒鬱百景

あなたは酒鬱になったことがありますか?

酒鬱ってナンジャラホイ?って人は、そのまままっとうな人生を歩いてほしい。
酒鬱って二日酔いのコト?って方も、飲みすぎはほどほどに、楽しい飲酒ライフを歩んでくださいませ!

酒鬱とは、お酒を飲んだ次の日にくる、
「昨日なんであんなこと言っちゃったんだろう…やっちゃったんだろう…記憶も大体ネェヨ…」
という世界最大の後悔のことである。二日酔いとは明らかに違うジャンルなのだ。

特に記憶がない時の、「アンタ、〇〇してたよ」と人から言われたときの「うわっ…本当に生きていてすみません」と思う時の絶望感が本当にすごすぎる。そして恐る恐る同席者から記憶のピースを集めだすのだ。このことを記憶探しと呼んでいる。ちなみにパズルが綺麗に埋まったことは一度もない。
私の場合、「ところどころぼんやり…」「切れ切れで覚えてる」とかいうタイプではなく、ある地点からプッツリと記憶が途絶えてしまうのだ。本当に危ないから注意したほうが良い。

私は恐らく性格的に、人に罵声を浴びせたり物を壊したりと、暴力的なことをすることはないと思う。人に「昨日ぶん殴られたんだけど」「家の壁を破壊されました」などと言われたことはもちろん一度もない。だが、記憶がないうちに何をしていたんだろう…そう思って、無駄に早起きしてしまい布団をつむじまでかぶってダンゴムシになる。「酒飲み過ぎた次の日 死にたい」と検索する、というのを何十回やったことか分からない。

本当にここで、「記憶ねーな、、ま、いっか楽しかったし」と思える人が心底羨ましい。酒鬱を治せる薬があるなら1粒1万円でもいいから買いたいと思うくらい、翌朝の酒鬱が辛いのだ。この症状は午前中くらいまで続いて、ようやくお昼過ぎから人間らしい暮らしが送れるようになる。同じ酒鬱仲間なら、分かってくれるに違いない。
更に私の場合は二日酔いの頭痛や気持ち悪さはないが、+二日酔いの人もいるらしい。この世の地獄である。

だが、最近の私は少し成長した。
「水を飲みながらお酒を飲む、なんなら水の方がいっぱい飲む」という、成人したてのBoys&Girlsが執り行うルールを守っているのだ。
ここ1年はほぼ記憶があり、そこまでひどい酒鬱には悩まされていない。

この記事を読み返すと、10年も経つと人は酔っぱらうことを恐れなくなるのだな、という恐怖を感じる。
あの日にチビチビ飲んだカシスソーダ(多分今思うと、アルコール1%くらいしか入っていなかった)が懐かしいし、初心忘れべからずすぎる。
あのカシスソーダの日は、「記憶を無くすなんて都市伝説」くらいに思っていたが、見事に都市伝説を爆誕させまくっている都市伝説女なのだ。

「じゃあ飲むなよ」というそもそも論が出てくる頃合いだとは思うが、それは違う(生意気)。
「ああ、なんて昨日は楽しかったんだろう」その気持ちが100%で始まる明日を目指して、気合いを入れて今日もお酒を飲むのだ。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?