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何もかもやばすぎた大学受験

春ですね。永瀬です。
私の中で、例え暦の上で2月だったとしても、「あ、今日春やん」という風が吹けばその日からもう春なのだ。
というわけで、季節は春。春と言えば芽吹く桜と共に湧き出てくる大学生だ。

皆さんはどんな大学受験をしましたか?

わたしは高校卒業後、芸能をやりたいという気持ちを心の四隅に感じつつも、ごまかしごまかし短大に進むことを決めていた。
学科は英語科。ちなみに高校時代とりわけ英語が好きなわけではなかった。
私は高校受験の時から受験という受験は推薦でしか受けたことがなかった。
「最後にまとめて苦労しないため」の苦労は甘んじて受けるため、先生に媚びへつらい定期テストだけ頑張って、内申点を上げていた。ちなみに定期テストの勉強の内容はテスト終了の鐘と共に記憶の彼方に忘却していた。
そのため高校も短大も、推薦試験で受からないということは破滅への輪舞を意味していた。
先生へのオベッカが功を奏したのか、短大推薦入学できるであろう内申点は手に入れていた。英語なんて定期テスト25/100点くらいしかとれてなかったのに評定が5だった。うけた。

面接の練習もした。高校受験の時は、「美化委員長をやっていました!」という、いかにも清廉潔白な話で受験をクリアした。
さらに、私の高校は「今から出すお題3つを使って、あなたについて語りなさい」という謎のお題があった。
確か、受験日の数か月前に、HP上に10個ほど単語が並べられ、「この内から3つの単語が当日出題されます」という形式だった気がする。今思うと15歳のチューボーにはハードル高くないか?
だが私は考えた。「この10個全部入れた文章作ればいいんだ✨
悪知恵だけは働くチューボーであった。
確か、当日出されたのは「幸せ 平和 未来」みたいな、「いかに未来に真面目な希望を持っているか」みたいな3語だったような気がする。
ピーチクパーチクと虚妄を話しまくり、わたしは中学生にして詐欺を働いた。
だがそれで受かった。当日一緒に受験した子は落ちていた。人生というものは分からない。

「高校受験は虚妄を話して受かった」という謎の自信があったわたしは、大学の推薦受験も余裕ヘッチャラという気持ちであったが、一つヤバい難関があった。
推薦試験の概要に、ヤバすぎる文字を見つけたのだ。
当日は、外国人教師による英語面接があります

???

Oh…。それは持ち前の虚妄の披露だけでは乗り越えられそうにない。

試験当日、日本人面接官との面接のあと、外国人教師と2人きりの小部屋に案内された。
Hey!What's up?」みたいな感じのノリの人だった。とても明るかった。
面接は、なぜかめちゃくちゃ何を話しているのかが分かった。感覚が研ぎ澄まされ、脳みそだけはアメリカ育ちみたいな、バイブスが限界突破しているのを感じた。
恐らく、「英語がどれくらい話せるか」というテストではなく、「英語でコミュニケーションが取れるか、取ろうとしているか」という意味の面接だったんだと思う。

そして最後に聞かれた。

Do you have any questions?(ナニカシツモンハアリマスカ?)」

私は意欲を見せたかった。

Do you like music?

え?絶対違う。

絶対トム(仮)が求めてた質問じゃない。多分トム(仮)は、「なんの教科を教えてますか?」「オススメの授業は?」とか、そういう事を聞いてほしかったんだと思う。なんでお見合いみたいな質問してんだよ。
と、聞いてから心の中がザワザワしたが、トム(仮)はニッコリ笑って「イェー!!アイラブR&B!!!」みたいなことを返してくれた気がする。
ここで「サンキュー!」とでも言って終わればよかったものの、わたしは更に会話を続けた。意欲を見せたかったのだ。

Oh~~!I like KARA!

え…?絶対違う…(二回目)
頭の中では、「違う、そうじゃない」と、鈴木雅之が歌っているのに、口がわたしの意思に反して勝手に言葉を放っている。沈黙が怖い初デートかよ。トム(仮)はお前がどんなアーティストが好きかなんて聞いてねえよ。
恐らく、昨晩見たMステにKARAが出ていたことをシナプスが勝手に伝達したのだ。

WAHHAHHA!goooood!lol

みたいな感じで面接は終わった。

え…?終わった…。(色んな意味で)

この「どちらに転ぶか分からない感」は、わたしの心をざわつかせた。
この時期はもう高校の授業もほとんどないので、このざわつきをぶつける人もいなかった。

そして合格発表の日までの長すぎる毎日を、KARAを聞いて待った。気が狂いそうになって多分そこらじゅうでヒップダンスもした。辛かった。

合格発表は、パソコンで見る事ができたので、家でお母さんと見た。
結果は合格だった。ありがとうトム(仮)、ありがとうKARA…。

しかし、こんなに心をザワつかせて入った短大だったが、待つのは無味乾燥な日々だった。

いつかに続く。

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