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個人)そうだ稚内、行こう。


第1章 年末年始の過ごし方。

時は遡り12月初旬。

毎年、年末年始の過ごし方をどう過ごすか。
この時期になると少し頭を悩ませる。

父、母、姉は皆、祖父が居る稚内へ行く。

小さい時から年の瀬になると稚内へ行き、年を越すのが小○家の毎年の恒例行事なのだが自分は社会人になってから正月なんて仕事であってないようなものだった。

正月は一人で実家で過ごす。最近はこれが当たり前になっていた。
祖父とも一応、電話で話すくらい。あとは一人で寂しく年を越す。

ただ結構、気楽で良いものだ。
なかなか無い一人の時間だし、まったりして過ごせる非日常感があって少しワクワクするものだ。

今年もそんな感じの正月になるんだろうなと思って勤務表見たらびっくり。

1月1日、2日休みやないか。

ただ両親が稚内に行くのが12月30日。稚内を経つのが1月3日。
自分は大晦日まで仕事だし行った所で一緒には帰ってこれないし、
今年は何もせずにダラダラ過ごすかとその時に勤務表を見て決めた。

第2章 大きな決断をした最後の日。

12月31日、大晦日の朝。

家族は皆、前日の30日に稚内へ行き家には自分一人。
とりあえず今年最後の仕事へ行く。

とりあえず淡々と仕事をこなしながら色々考える。
この仕事終えたら連休だし何して過ごそうかな。。。
色々選択肢はある。

・一人で家に引き篭もる。
・市内のショッピングモールをうろちょろする。
・望み薄いが友達を誘ってどこか遊びに行く。
・札幌へ行ってニコーリフレに泊まりで行って整ってくる。

などなど。

色々考えてる時にふと、
仕事終わりに稚内行けるくね?と頭をよぎる。
いやいや、稚内だぞ。片道だけでも7時間はかかるぞと。

しかも豪雪地帯を避けては通れないので
正直一人で行くのは自殺行為に近い。

大人しく家にいるのが一番だ。と思いながらも
ウェザーニュースを見てみる。

時期すぎてたから灰色になっちゃったけど
晴れマークが並んでいた大晦日と元旦。

めちゃくちゃ穏やかで良い天気やんけ。。。

風も強く行く道中必ずと言って良いほど吹雪や地吹雪に
あうのに今年は穏やかだと。。。
自分の心が少し揺らぐ。

とりあえず、仕事を終わらせ家へ帰る。
ここでももう一つ懸念点がある。

そう。大量の洗濯物だ。

これを回さずに稚内に行こうものなら何言われるか分からない。
洗濯回して干すだけでも時間かかるし無理だなと
ある意味少し安心したところもある。

ここで自分なりに諦めた所で
まずは親に無事仕事納めした事を電話で伝える。

そこで一応、
いやー、終わってから稚内行けるんじゃね?って思ったんだけど
大量に洗濯物あるから行くのやめたわ〜(笑)
」と伝える。

すると
その洗濯物持って稚内にくれば良いでしょ〜」との返事。

予想外な返答に自分も唖然。
これは行くしかないなとある意味腹を括る。

すぐに透明のゴミ袋に洗濯物をぶち込み、
泊まり道具も持ち家を出る。

時刻は20時07分のことだった。

第3章 孤独の長距離ドライブ。

さあいよいよ今年最後の日にして最大の大勝負が始まる。
距離にして348キロだ。
目標として朝の5時着を目指して稚内へ向かう。

お腹は空いてはいなかったがとりあえずローソンで食料を買う。
吹雪にあって立ち往生しても大丈夫なように少し多めに。

燃料もほぼほぼ満タンではあったが
再度、千歳で追い給油をする。これで少しは安心だ。

21時30分頃岩見沢に着く。
ここではさすが豪雪地帯だなと思わせるような雪山のデカさに圧倒される。

2〜3メートルくらいはあったな。

久々に見た雪山の大きさに改めて苫小牧の雪の少なさを感じたな。
というか、今年全然雪降ってないな。未だに4センチらしい。

ただありがたいことに除雪も綺麗にしてあって
とても走りやすかった。除雪してくれた人ありがとう。

更に車を走らせて雨竜に入った頃に少し眠気が襲う。
道も鬼のようにテカテカ。危ないなと判断したので道の駅に入る。

雨竜 道の駅。

ここで何か炭酸飲料を買おうかなと思って自動販売機に
歩いて向かっている時に1枚のポスターに目が向く。

アルテミス北海道という女子バレーボールチームのポスターが貼ってあり、
眠くて眠くて仕方ない自分がとっていた行動が

誰が一番可愛いかな。。。

とマイナス7度の極寒の中、じっとポスターを見るという
今考えるとマジでやばいやつと言われてもおかしくない行動だった。
マジで不審者だったなあれは。。。

(ちなみに下段の右から2番目の内野咲季選手が可愛いなって思いました。)

まあこのキモい行動があり目が覚めたので
ファイト一発という意味でリポDを買いその場で飲み出発をする。

さっきまでの眠気はどこに行ったか分からないくらい
目がギンギンに覚めた自分は順調に車を走らす。

気がついたら我が故郷、留萌に到着。
気持ち的にあと半分くらいか。

深夜なので特に寄る所もなく留萌を後にする。
すぐに隣町の小平町に入ってのトンネル内で年が明ける。

年越しの瞬間ジャンプして地球にいなかったという人は
結構多かったと思うが自分はトンネル内。山の中にいたのだ。
なかなかそんな人はいないんじゃないかと思う。
(ふふ〜ん、マイノリティー)

まあそんなことはどうでも良いのだが
いよいよオロロンラインの海沿いを突っ走っていく。

驚くことに全く雪のない乾燥路面で走りやすかった。

最初は適度に休憩を挟みつつ行こうと思っていたが
いつまでこの乾燥路面が続くか分からないので
元気なうちにガンガン進めていこうとそこで決めた。

びっくりするくらい乾燥路面が続き
いよいよ、苫前町まで来てしまった。少しトイレもしたかったので
道の駅&温泉施設のふわっとに寄って一時休憩をする。

自分でも驚くくらいの速さでここまで来たなとびっくりだった。

このままガンガン走っていって初山別村に入った時に
少し雪がちらつく。

やっぱり初山別に入ったら天気が荒れるんだなと思ったのだが
すぐに雪は止む。こんな穏やかな初山別は初めてくらいの感覚だ。
マジでラッキーだったな。

眠気も疲れも一切なく天塩町に入り最後のトイレ休憩をする。
ここからが本当の勝負だ。

もう少しで稚内に着く感覚になるのだが
豊富、稚内と何もない直線道路がずっっっっっっっと続くのだ。

夜走っているとマジで永遠と続いているんじゃないかと
思ってしまう程しんどくなる道が最後の最後でくる。

覚悟を決めいざ出発。

ブラックコーヒー、ブラックガムを駆使して
なんとか眠気を断つ。寧ろ目がギンギン絶好調。

音楽をガンガンにして歌いながら一本道を爆走して
ついに稚内市に入る。

時間も2時ちょっと過ぎとかなりハイペースでの到着で
自分自身ちょっとびっくりだった。

じいちゃんの家にも3時頃に到着。
人生最大のフッ軽行動を無事に終え少しホッとした。

第4章 最北端での初日の出チャレンジ。

無事に稚内につきやれやれと思った束の間。
家族、親戚の一部は最北端の宗谷岬で初日の出のイベントがあり
そこにいくとその年の干支のキーホルダーをもらえるらしく
みんなそのキーホルダーをもらいに行くらしい。

自分は特に興味はないのだが宗谷岬の写真は撮っておきたかったし、
アドレナリン&ブラックコーヒーガンガン決めていたので
全くと言っていい程眠くなかったので自分も参加することに。

正直、車の中で待機出来るんだろうなと軽い気持ちで
ジャンバー1枚とマフラー、手袋で行こうとしたら

貴様、舐めているのかと。
寒空の中、並ぶんだぞと言われる。

姉から何枚か上着を借り、少し息苦しくなりながらも
それを着込みいざ出発。

5時頃に宗谷岬に着くがものすごい車の数だった。
どうやらこの日のイベントに1000人近く人がいたらしい。

全く。趣味が悪いぜ。

とりあえず、自分たちも列に並び10分くらいで
自分は眠気に襲われる。

どんなに着込んでいても稚内の風は自分の肌に刺さってくる。
山に遭難して眠くなってきた。。。
っていうの本当にあるんだなと思いながら意識朦朧となってしまう。

自分の宗谷岬チャレンジは10分で終了した。
とりあえず車に戻り寝た。

姉が写真撮ってくれていた。とりあえず行った程にする。

第5章 元旦から1.1になった日。

気がついたらじいちゃんの家に戻ってきていた。
ここでがっつり寝てしまったら夜寝れなくなってしまうので
とりあえず1時間だけ寝ることに。

暖かい布団で寝れる幸せ。秒で夢の中。

そこそこ深い眠りだったのか目が覚めたのは
1時間45分後だった。危ねえ危ねえ。

そこから今年初めてのご飯をいただく。

海老天そば。世界一美味かった。

そこから外に出て挨拶回りをする。
(と言っても1件だけだが。)

その挨拶回りも終わり家に戻り、
サッカー、日本代表対タイ代表の試合を見る。

前半こそはしょっぱい試合だったが後半の修正力はさすが。
ただ求めるものは高いよね。まああんまり興味ないけど。
チェックも新年早々お疲れ様。

試合も終わってからまもなくして
能登半島地震が発生。

震度5〜7レベルの地震が多発。
テレビに映る悲惨な光景。

自分も胆振東部地震の経験者だがそれ以上に
酷い光景に見えた。

自分自身ツエーゲンサポの方、何名かとインスタで
繋がっている為非常に心配になった。

相手の携帯の充電もある為
端的に安否確認だけさせていただいた。

皆、無事だったみたいで一安心。
ただ今も強い地震が続きとても不安な日が続いていると思う。

自分も地震経験者として石川県の被害にあった方々に
何かできればなと思っている。(募金とかね。)

1月1日は元旦だった。
とてもおめでたい日だった。

それが一瞬の出来事で1.1 能登半島地震と言われる日に
なってしまった。本当に神様は趣味が悪いぞと。

この2024年の1月1日は絶対に忘れない日になったな。
本当に見ていて辛い出来事だったな。

第6章 コーヒーミルと挽かれたコーヒー豆。

1月2日。明日3日に仕事の為、今日苫小牧に向けて出発する。
なんかあっという間だったな当たり前だけど。
昼の12時に出発すると決める。

しかし一枚のチラシが目に入る。
ホーマックの初売りのチラシだ。

いつもならあんまり興味がなくそういう類のチラシなど
見ないのだが自分は不思議と目を通す。

ここで気になる商品を見つける。
電動コーヒーミル ¥2000

自分は最近やたらコーヒーを飲む。
(スタバのドリップコーヒー大好き)

自分で豆を挽きコーヒーを作って飲みたいなって
思っていた時に目に飛び込んできたコーヒーミル。

思い立ったが吉日。ホーマックへ向かう。

どうやら福袋も販売されていたらしく本当にここは
ホーマックかよというくらいの混雑具合。

お目当てのコーヒーミルもあと1個という奇跡。
大事に抱えてレジへと歩みを進める。
無事購入。少しホクホクした気持ちになった。


電動コーヒーミル

良い気持ちまま苫小牧へ帰ることに。

ばあちゃんの葬式以来、2、3年ぶりくらいの稚内。
じいちゃんともそれ以来ぶりで顔を見れたので
短い時間ではあったが来れて良かったな。
あわよくばもう少しゆっくりしたかったなと思いながら
稚内を離れる。ここからまた孤独な旅が始まる。

途中、来る時に暗くて見れなかった
オトンルイ風力発電所の写真を撮り爆速で留萌へ行く。

オトンルイ風力発電所

ノンストップで留萌へ行き
留萌に寄ったら必ず行くラーメン屋に行く。

そこのラーメン屋に行ってラーメンを食べるのが
稚内から帰ってくる時の1番の楽しみでもあるのだ。

そのラーメンの為に頑張って車を走らせる。
お腹も空いていて絶好のコンディションだ。

さあもうすぐ至福の時間だと思って飛び込んできた
光景にびっくりする。

休憩中。

クソッタレ。

マジかよ。やってねえのかよ。
自分の心は一気にグレた。

意味わからないが自分はここで
畜生。ムカつくからぜってえ旭川行ってやるからな。
と思う。今でもなんでそう思ったかは謎だ。

とりあえず深川留萌道に飛び乗り深川まで爆走。
有料区間に入り右は札幌、左は旭川。
迷わず左の旭川方面に入り無心で爆走を続ける。

旭川鷹栖インターを降り近くのでっけえイオンで
やっとご飯を食べる。

カツ丼

もうお腹が空きすぎたらなんでも良くなるよね。
結局ラーメンじゃなくてカツ丼を食べるって。
旭川じゃなくても食えたな。。。笑

ただ、このイオンの中に入っているスタバで
北海道のスタバ3店舗でしか販売していない
オリアートオーツミルクラテを飲む。

なかなか飲めるものではないし至福の一杯だった。

ついでにコーヒーミルも買ったしスタバの豆も購入することに。
ここで少し事件が。

購入した際に店員さんから
「豆挽いて行かれますか?」と聞かれる。

ここで自分は何を思ったか無意識に
「はい」と答えてしまう。次の瞬間。

ゴリゴリゴリゴリ!!!!!

自分で挽こうと思っていた豆が一瞬にして粉になってしまった。
完全に自分が悪いけどなんか虚しかったな。とほほ。。

最終章 人生最大のフッ軽も終わる。

長い長い寄り道も終わり。
いよいよ苫小牧へ向けて車を走らせる。

途中ものすごい吹雪にあったが
なんとか抜け岩見沢のインターで降り
栗山、早来方面を走る。

さっきまでは旭川ナンバーの車が多かったが
ここからだんだんと、札幌、室蘭、苫小牧ナンバーが増える。

これを見て「もう少しで長い旅が終わるなと」
少しセンチメンタルな気持ちになるが如何せん眠たい。
早く帰って寝よう。

そんな気持ちで黙々と走り続けてついに
苫小牧市内に入る。
時間にして約10時間。本当に長旅だった。

何もない雄大な大地から
王子製紙などの工場が沢山あって長い煙突から
モクモクと煙を吐き出している所へ帰る。

全く。汚ねえ街だぜ。
だけどそんな街が落ち着くんだよなクソッタレ。

ただいま苫小牧。そしてお疲れ自分。






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