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“副本部長”から見る社会人ラクロスリーグの裏側と本音

“副本部長”

私は2021・2022年度
「クラブチーム連盟 副本部長 東日本支部男子担当」
という肩書の元、東日本男子の社会人ラクロスリーグを支える仕事をしてきた。

2021年は副本部長になって慣れない中で、東京オリンピックによるスケジュール前倒し、コロナでの中断など例年起こらないイレギュラー対応。
今年は公益法人化による協会内の変化、コロナ感染者や暑さ対策の対応といろんな事があった。今年は特に辛い1年で、シーズン途中でラクロスを辞めようと思うくらいだった。

私の能力が低いのは百も承知なのだが、この2年で副本部長などの執行部が一体なんなのかなど、運営側を知られていないことで不具合が起きているような気がしている。
また、もっと人の助けが無いと東日本クラブリーグの維持、発展出来ないと思った。

今回は、クラブリーグの運営がどういうものかを知っていただけたらと思う。私の主観的な考えも入っているがご容赦いただきたい。


副本部長、支部長、執行部とは?

そもそも副本部長、支部長、執行部というのはなんだろうか。

ラクロス協会の組織図として、「日本クラブチームラクロス連盟」があり、本部の下に各地区の支部が連なり、クラブチームの公式戦は運営される。

端的に言うと、
協会本部(理事会) → クラブ連盟本部 → 各地区支部といった流れである。

クラブ連盟本部には「本部長」がいて全体統括をしている。
そして、各地区支部にいる「副本部長」「支部長」が中心となり、各地区のクラブリーグが運営されている。
「本部長」は全体統括で連絡やミーティングだけかというと、そうではなく全国クラブチーム選手権が行われる時期になると試合運営の為、各地を飛び回っていたりする。

「本部長」は「副本部長」「支部長」の中から選ばれるが、各地区の仕事でいっぱいいっぱいでなかなか立候補する人はいない。
「副本部長」「支部長」はそれぞれの地域で各チームから選出されている。
そして年度の始まりの時点で、「本部長」「副本部長」「支部長」は全国のクラブチームからの信任投票があった上で決まっているのである。

なので、あくまで“クラブチームから選ばれている人"であって、“協会の人"ではない。
他のラクロッサーと同じく仕事があり、プライベートもあり、プレーヤーをしながら運営の仕事もする人がほとんどである。
また信任投票の為、「本部長」「副本部長」「支部長」が確約されているわけではない。なので私が必ずやるわけでもない。
ここは誤解しないでいただきたい。

「支部長」と「副本部長」が中心になり各地区のリーグ戦は行われるが、この2つの役職の関係性は地区によって異なる。
実務的なことを支部長を行い、全体の管理を副本部長が行うようになっている地区が多いが、現実は人手が足りなすぎて役職の上下はあまり無かったりするような印象である。
地区によっては、副本部長と支部長を兼務する人もいる。

東日本男子についてはチャンピオンズリーグ(以下、CL)、ファンリーグ(以下、FL)で運営が分かれている。
協会本部やクラブ連盟本部からの依頼は私からするが、FLのリーグに関することはFLの執行部の方々に全てお任せしている。CLで手一杯の中でFLの体制を独自で運営していただいているのは本当に助かっている。

私が主に担当しているのは東日本男子のCLで、各チーム一人ずつ人を出していただいて「執行部」を作り、グラウンドだったり、広報だったり、作業関連をお願いしている。
別で以前から広報や会計などをお願いしている方々や前副本部長の家石にも残ってもらって、相談したり手助けしてもらっている。

地区の大きさやチーム数によって関わる人の数や規模は変われども、各支部のリーグ戦はこのように「副本部長」「支部長」を中心にいろんな人達によって成り立っている。

運営としての仕事とは

東日本支部の男子副本部長として行っていることは以下の通りである。

  • 協会本部や連盟本部など各部署とのやり取り

  • リーグ戦の運営準備

  • 全国クラブ選手権の運営

大まかに、こんな内容である。

・協会本部や連盟本部など各部署からの連絡伝達(CL・FLともに)

クラブ連盟全体として年に数回、全国規模のミーティングがあり、内容としては概ねリーグ戦への準備や新チームなど情報共有がほとんどである。

各地区の新規チームの承認を行ったり、前述の役員の信任投票、チームの更新登録やパンフレットの作成に必要なデータ収集などを各チームへ依頼、回収していく。またコロナ対応などいろんなことが共有されるのでそれをチームに落としていく。
これはCL・FLともに連絡を飛ばすのでやることが多いけど、そこまで主な仕事でもない。


・リーグ戦の運営準備(CL)

ここが最も重要であり、主な仕事である。

・代表者会議
・大会形式の思案、各チームへの採決
・グラウンドの確保の為、関東事務局や他部署とのやり取り
・リーグ戦参加申請書や参加費の徴収
・グラウンド班のカバー

2021年はgrizzliesの新規参入、既存チームであったVALENTIAの活動休止、北海道支部化による全国クラブ選手権の出場枠が減ったことでのプレーオフの変更と、1部・2部のチーム数の調整や入れ替え戦の規約などいろんなチームの意見をまとめながら開幕へ調整を行っていった。
クラブチームの規約は全国レベルで決まっているのだが、入れ替え戦やリーグ形式などは各地区で細則があり、そこで決まっている。
各チームの同意の上、細則の改正もやった。

コロナによる影響があり、8月は関東エリアの社会人・学生のリーグ戦は中断した。
結果的に9月上旬の再開でリーグ戦日程を消化し、その後のプレーオフまで出来たものの、プレーオフが出来ない、最悪リーグ戦日程を消化出来ないケースも考えて各チームとMTGをした上で決定していった。

2022年はVALENTIAが復活して、チーム数も1部2部各5チームでの体制になった。しかし、全体の試合数の増加に加えて、学生も試合数が増加する中でのグラウンド確保が本当に大変だった。
今年はリーグ期間中にコロナ感染者が多数出たチームがあったり、台風の影響があったりと延期も何試合か出たことから、最終的に遠方の波崎や箱根を使わないといけなかったのは、手が無かったとはいえ申し訳なかった。
予算の作成も例年と違ったやり方が変わったり、夏季の試合における実施要件(俗に言う特定試合)がリーグ期間中に変わったり…。変化の中でなんとかリーグ戦を進めていった。

2年とも、開幕時期が決まっているのにグラウンドが確定しない状態で進行していたり、後半戦の日程が出ない。ダブルブッキングで試合が飛んだりと、関係者の方々が不満を募らせるような状況を招いてしまっていた。グラウンドが足りない問題はずっと抱えたままである。


・全国クラブチーム選手権の運営

全国クラブチーム選手権において、関東では準決勝、決勝と試合が開催される。2試合ともクラブ女子側と事前準備から当日の運営まで行った。

その中で初めて知ったのが、「今まで女子にお願いすることが多く、男子の執行部関連の人で事前準備から当日まで関わってくれる人があまりいなかった」だった。

この話には理由があって、男子側はそもそも関わるのが無理だったのである。
私が執行部に関わる前まで、FALCONSやStealersの方々がほとんどで全国クラブチーム選手権に出る側の人達だった。なので、運営の仕事をする人が少しいたことはあったらしいがほとんどの方が不可能だった。

ただ、2021年に関わって、この量を女子側に多く任せているのは流石に同時開催しているのにおかしいと思った。
男子側としては事前準備も含めて今後も関わるようにしていきたい。

ちなみに、男子の試合はオフィシャルをCLチーム、放送や会場受付、備品の搬入などをFLチームにお願いしていて、毎年とても助けてもらっている。


本音

この2年間このような仕事を、サラリーマンと選手をしながらやってきた。
平日、会社員として働き、夜にトレーニング。
土日はもちろんチームの練習がある。ここにいろんなミーティングが入ってくるし、連絡・問い合わせ対応をしないといけない。

1年間リーグ戦を行うだけでもこれらの仕事があるし、執行部の人達へ仕事を振っていても追いついていないし、まだ解決出来ていない課題はある。
慢性的なグラウンド不足へは何も出来ていないし、ここ数年行っていない個人表彰も復活させたいが、何をどういう基準設定にするかも考える必要がある。
さらっとこれくらい出てくるからおそらくまだまだ課題や、やれることはあると思う。

課題がある一方で、今あることで自分のキャパを目一杯使っている。
正直、これ以上頑張れと言われたらパンクするくらい、もう限界である。
だからこそ、助けてもらいたい。
何でこうしないんですか?とか、本当に要らないからそう思うなら手伝ってほしいし、やってほしい。

私が副本部長になってリーグ戦を出来てはいるが、出来ているだけの気がしてならない。何となく6月くらいにリーグ戦が始まり、グラウンドが無いだの暑さだのでバタバタして、何となく10月に終わっている試合だけがあるクラブリーグになっていると思っている。
自分のせいで、東日本男子を魅力的でない、衰退させていっているような気がしているのは考え過ぎだろうか。

「副本部長」なんか偉くもなんともない。

「副本部長」なんか偉くもなんともない。
ただのクラブリーグを運営する為の“バトン”でしかない。
何故か学連もやったことが無い、13年卒のラクロス界的にはベテランで同期も近しい人達もバンバン辞めて人脈も無くなっている状況で副本部長というバトンを受け取ってしまった身でも、きちんと次の世代にバトンを渡さないといけないと思っている。

内心は副本部長を引き受けてくれる人が出てきて、引き継ぎや仕事のカバーをしてフェードアウトしたい。
そこまではなかなか難しいと思うから、少しでも次の世代が仕事しやすいように、運営の仕事で辛い思いをしないように環境作りをしたい。
その為にこれを読んでくれている方々の力を借りたいのです。
社会人でラクロスやってて良かったと言う人が1人でも増えてほしいだけです。

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