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【シャニマス】大崎甘奈とは何か。屈指の名コミュ【ever-】を通して考察

こんにちは。カイリキー王と言います。

皆さんは大崎甘奈Sssr【ever-】は読んだことはあるでしょうか。
これは「アンカーボルトソング」のイベントカードなのですが、シャニマスの中でも屈指の名コミュとなっています。

そして私はこのコミュが大崎甘奈の第一部の終わりとなっていると思います。
実際その後のイベントYOUR/MY Love letterPssr【longing】では大きく成長した甘奈を見ることができます。

イベント「YOUR/MY Love letter」

甘奈は見た目が可愛い。なんか深そう。
私の最初の認識はその程度でした。
ただ、その先にはさらに凄い文学が眠っています

私が思うに
甘奈は全アイドルの中でもトップクラスの「エモさ」を誇るアイドルです。

そのエモさの本質は「甘奈の心情の変化や成長」にあります。

そしてその全てが甘奈のSssr【ever-】に凝縮されています!!

今回のメイン甘奈Sssr【ever-】

今回はそんな甘奈と【ever-】の魅力を少しでも広げられることを願って考察していきます。

少し長いですが、先に甘奈の【ever-】までの成長を時系列に沿って考察していきたいと思います。

※重大なネタバレを含みます。


・アルストロメリアとは

17歳の高校生である大崎甘奈・双子の姉である大崎甜花・23歳の桑山千雪の三人からなるユニットです。
アルストロメリアとは花の名前で、花言葉は花の色によって色々ありますが、公式では「未来への憧れ」だと明示されています。

「花ざかり」
花はいつか散ります。その未来に憧れを持てるか、がテーマ

 もしも いつか やがて きっと
 初めからエンドロール

上は楽曲「アルストロメリア」の歌詞の一部です。
難解なようで、実はそのままの意味です。つまり…
「エンドロール」を出発点に、
逆算してコミュを読みとっていく構造となっています。
複雑になるので言い換えると、

アルストロメリア解散までの成長の過程を見ていく構造になっています。

実はアルストロメリアは初期から最新のコミュまで一貫して、
ずっと一緒だった甘奈と甜花(と千雪)が別々の道に歩んでいくまでの物語が非常に丁寧に描かれています。

似たものに甘奈のソロ曲Sweet Memoriesの歌詞に以下があります。

別々の道をゆく
その時が来ても
大切に育った時間は
背中を押してくれるから

甜花の初期Pssr【事務所。静寂。大輪の華】
この頃から甜花は甘奈からの自立を目指してます

一季咲きのアルストロメリアの花のように、
解散するまでの、短くも美しい思い出。

それがアルストロメリアというユニットです。

それでは簡単に甘奈の人物像の考察をしてからコミュ考察に入りたいと思います。


・甘奈とは

イベント「アンカーボルトソング」までを勝手に甘奈の第一部し、
それまでを以下の3つに区分して考察していきます。
①初期(with甜花)
②中期(withアルストロメリア)
③後期(自立)

①初期(with甜花)

WING【笑顔の輝き】にて甘奈はアイドルを目指した理由を
「可愛い甜花をアイドルにしたいので、一緒にアイドルをやる」語ります。

また、見た目のことを聞かれて
「今しかできないことを全力で楽しみたいから」と答えます。
これは何気ないセリフですが、後に凄く重要な言葉となります。

「今しかできない」…花の寿命も短い

同じくWING【ジェミニ】では甜花に依存する甘奈と、甘奈から自立しようとする甜花の姿が確認できます。

互いに想っていても、目指す方向は逆

このようにWINGの時点で甘奈と甜花が離れることが示唆されています。

これがメインテーマです

さらにWING【不安な時期】にて甘奈は甜花との関係の変化を恐れます
対して、甜花は自らを変えようとします。
甘奈は幸せな「過去」にしがみつこうとし、甜花「未来」への希望に踏み出します。
この対比はたびたび確認できます。

変化を恐れる甘奈
変化を求める甜花

その後、イベント【満開、アルストロメリア流幸福論】にて「3人でアルストロメリア」という幸福論が誕生します。

②中期(withアルストロメリア)

「3人でアルストロメリア」
元々は違った意味だったはずがいつのまにか「3人で仲良く過ごす」という意味で3人は捉えてしまいます。
気を使いすぎる
3人なので、その後のイベントコミュでは悩みを個々で抱えたまま相談できない場面が多く、「3人でアルストロメリア」はなかなか体現できません

イベント【満開、アルストロメリア流幸福論】

この、気を使って本音を言えない状態が実時間にして3年弱続きます。

それが顕著に出たのがイベント「薄桃色にこんがらがって」です。
千雪の思い出の雑誌アプリコットの復刻が決まり、そのモデルに甘奈が選ばれるという話です。それぞれが気を使うが故に、すれ違う話でした。

また千雪Sssr【ドゥワッチャラブ!】で薄桃色の後日談が語られます。
信じられないほどの感動を体験できます。

ジャッジメントの日のために。

上は千雪Sssr【ドゥワッチャラブ】のワンシーンです。
千雪は甜花に一人ぐらしをいつかするのかを訪ねます。
甜花は反射的に断りそうになりながらも、「にへへ…わかんないけど…大人になったら…」と返します。

甜花甘奈と離れて暮らすことを自分で語るのはここは初めてです。
(まだ可能性の話ですが)

実は千雪が甜花に甘奈からの自立を促すシーンは今回が初めてではありません。

「薄桃色にこんがらがって」で千雪が、
「アンカーボルトソング」で甘奈と甜花が大人になっていきます。

無理してではなく、一歩ずつ大人になっていく


③後期(自立)イベントコミュ「アンカーボルトソング」

アルストロメリアの3人は人気になり、個人ごとの仕事が増えていき、一緒に仕事をすることがほとんどなくなっていました

甘奈と千雪が意欲的に取り組む中、ファンからは「3人で一緒にいるアルストロメリアが好きだった」と寂しむ声が上がります。甜花も同じ気持ちでした。

Pは「今しかできないことをしよう」と3人に呼び出し自由時間を設けます。
3人は特別な何かをするわけでなく、カラオケに行き3人が一緒に笑っているだけの写真をSNSに投稿するのでした。
「#ずっと #笑っていよう #いっしょに
ハッシュタグを添えて。

「3人でアルストロメリア」
それは3人をいることを望む自分達とファンの気持ち

甘奈は自分が望まなくても取り巻く環境が変化していくこと、その流れに飲まれて自分達の関係が変わっていってしまうことを知りました。

甘奈は自分達の関係を変えたくないから、自らを変えようとします。

3人の関係を変えないために、自らを変わることを決めた甘奈
「#ずっと #笑っていよう #一緒に」
ハッシュタグは3つ。3人で打ったのでしょう。
たぶん左から甜花・千雪・甘奈です

このコミュによってやっと幸福論である「3人でアルストロメリア」が本当の意味を獲得します。
「3人がずっと一緒に笑っていてほしい」
そういった3人とファンの想いに、幸福論の意味が更新されます。


良いことも、つらいことも、さみしいことも、一緒に経験したからこそたどり着いた答えです。

永遠のアルストロメリア
それは何気ない3人の日常の思い出

ここからが前提知識で、以下が本題です。



・甘奈Sssr【ever-】(アンカーボルトソングの後日談)の考察

①2回目←(コミュ名です)

甘奈は「アンカーボルトソング」にて甘奈プロデュース企画でチェリーのリップを提案するもボツになり、非常にショックを受けていました。
そのことについて千雪に相談をします。

Pの言葉。大人もいじわるやってるのでなく、事情があることを諭す

千雪は甘奈らしさ甘奈だけのストーリーがほしいんだと思う、と大人の目線でアドバイスをします。
甘奈は「つけたら幸せになるようなリップにしたかった」と即答します。

そして自分が幸せを思い浮かべたら
「アルストロメリアの思い出が浮かんできた」
「甘いだけじゃなくて、何かを思い出したり、感じたりするような…」
と続けます。

甘奈は千雪に導かれながら、「甘いだけのチェリーだけでなく、ミントの香りを加えたい」と再提案をしにいきます。

甘さだけを求めてた子どもから、刺激も受け入れて大人へ

「このリップはスイッチです。くちびるにオンすることで、いろんなことを始める力になってほしいです」

これまでの甘奈の思い出が詰まった言葉でプレゼンする甘奈。

その姿は間違いなく大人への一歩を踏み出していました。
思い出に囚われていた甘奈が、思い出を仲間にして大人へと踏み出したのです。

この一歩を踏み出すのに3年掛かかりました。

思い出に頼ることを憂う甘奈に言葉を紡ぐ千雪
どんな気持ちで甘奈に伝えてるでしょうか

こうして、甘奈のプロデュースするリップ「ever-cherry」の企画は通りました。
名前には「いつでも思い出せて、覚えていられるように」という甘奈の願いが込められています。

②アマイ永遠

※ここの話は全て甘奈の比喩となっていて、
※甘奈にとって全カード全コミュで、最も大切なコミュとなります。

舞台は「ever-cherry」のドラマCM。連作となっています。

Day1-CHERRYでは甘奈と甜花が普通の学生として学校に通っています。
甜花は気になる相手ができた様子だが、「好き」とは少しだけ違うよう。

甘奈とPの関係の比喩

Day2-MINTでは甜花は黒甘奈は白い羽の天使として登場します。
甜花が不思議な味のする葉っぱを見つけます。
葉っぱを噛んだ後に息を吹くと音楽になり、また吹くとたくさんの色になります。
甜花は次は甘奈に吹くように提案します。
甘奈が吹いた息は、記憶になりました。

アルストロメリアと甘奈の比喩

そうお気づきかもしれませんが、
このCMは「CHERRY」と「MINT」に分けて甘奈のこれまでを象徴しています。
「Day1-CHERRY」の話は恐らく、Pへの憧れを表しています。
甜花ではなく甘奈の気持ちを表しています。
少し年上の男の人に憧れる少女である甘奈を表しています。ただしそれは恋心とは少し違うのでしょう。

「Day2-MINT」はアイドルをやって色んな経験をした甘奈を表しています。甜花が作ったのは音楽とたくさんの色。これはアイドル。
甘奈が作ったのは記憶。つまり思い出のことでしょう。

リップに込めた甘奈のストーリーにちなんでCMが別れてたわけですね。

ただ、このCMにはDay3が存在します。
Day3-MEMORY

それは小さな願い。

Day3には「甘奈おばあちゃん」「今の甘奈」が登場します。

良い事もそうでないことも、全てが良い思い出
そうなるのを願ってるのだろう

甘奈おばあちゃんは甘奈に次のように語ります。
とっても楽しかったこと、ちょうど今のあなたの年の頃を思い出していた。寂しいことも哀しいことも苦しいこともあった。
でも、それはあなたが見て感じて記憶していくこと。
そしたら、こうしてまた思い出せるから。

これが一番聞きたかった質問

甘奈が「楽しいライフを送ったんだね」尋ねると
甘奈おばあちゃんは「うん」と答えるのでした。


そしてCMが終わると、
この不思議でとても優しい世界がなぜ生まれたのかがわかります。

千雪はどんな願いを込めたのでしょうか

このシナリオを書いたのは千雪でした。
どんな気持ちで、どんな願いを込めて書いたのでしょうか。

「& YOU」
この想いが次のイベント「YOUR/MY Love letter」に繋がります


③ポーチできたの☆

ある日のこと。3人は別々の仕事をしていました。
千雪も甜花も思うように仕事が運べず、少し落ち込んでいます。

小言をもらう甜花
何気なくポーチを手に取る千雪

二人は何気なくポーチを持って鏡の前に向かいます。

プレゼン中の甘奈の記憶
ポーチの底には思い出のハッシュタグの文字
これがアルストロメリアの「アンカーボルト」
「いつでも思い出して、覚えていられるように」
ポーチには甘奈の願いが込められていました
笑顔の花を咲かせよう
アルストロメリア

以上で【ever-】の考察を終わります。

皆さんはいつかアルストロメリアが解散するとき
甘奈が笑顔でいると思いますか?
笑顔かもしれないし、めちゃくちゃに泣くかもしれませんね。
ただどんな顔でもきっと素敵な表情をしているでしょう。

この次のイベントコミュ「YOUR/MY Love letter」では3人は、
ファン全員のことを覚えたい」ファンレターに自己紹介を書くようお願いし、全てに目を通します。

それが、「今しかできないこと」だと信じて。

☆甘奈のコミュを読むときは、大人の甘奈が思い出を振り返ってると思って読むと10倍くらいエモくなるのでお勧めです


この考察で少しでも甘奈のこと、アルストロメリアのことに興味を持ってくれたり、好きになってくれたなら大変嬉しく思います。

長文をお読みいただきありがとうございました。

「スキ」もらえたら嬉しいです!
甘奈を多くの人に知ってもらえるかもしれないので!
是非よろしくお願いいたします!

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