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YouTubeのアンチさんから学んだこと

2ヶ月前から本格的に始めたYouTubeへの動画投稿。再生数が伸びていったのは、底評価がたくさんついたおかげでした。

どの動画も、高評価の2倍以上の底評価をいただいております。

コメント欄は否定的なコメントであふれました。「人間舐めてる」「漫画家名乗るな」等のコメントを長文で何件もいただきました。

皮肉にもそのコメントのおかげで、YouTube内の評価が上がり、動画は少しずつ伸びていきました。


どんなことから何を学ぶかで、人生は大きく変わると思います。


この世で起こる出来事には必ず、表と裏の両面があります。誰かにとっていいことは、別の誰かにとっては悪いことです。この世には正しい、間違いといった一辺倒の正解はありません。誰かにとっての正義は誰かにとっての悪であり、その逆もまた然りです。片面だけが絶対正解なんてことはありません。

しかし学びは、両方の面から得ることができるものです。


キッカケは、悪い面の「なぜ」を考えようと思ったこと

YouTubeで否定的なコメントを見かけるのは、ボクにとっては悪い面です。否定的なコメントを見ると気分が落ち込むし、精神的にも参ってしまいます。しかし一方で、否定的なコメントを投げかける人は、いいと思ってやっているのだと思います。

おそらく彼らには彼らの正義があって、コメントを投げかけるのでしょう。でなければやる必要がありませんから。

そこで疑問に思うのは、「なぜ」です。「なぜこんなコメントを投げてくるのか」おそらくそこには彼らなりのいい面があるはずで、そこから何か学びを得られるかもしれない。

起こった出来事に対し、ただ気分を悪くするのも尺だったので、どうせなら何かプラスに変えてやろうと思い、もう一方の面を探ることにしました。


どんなことから何を学ぶかで、人生は大きく変わると思います。


図星だからこそ素直に受け入れられない

YouTubeで否定的なコメントを投げかけてくださる人の多くは、ボクのTwitterまで飛んで、丁寧にボクのことを調べてくださったのだと思います。ボクがTwitterで出している情報を持ってきてはそれを否定するという人がほとんどでした。

無関心な方はわざわざボクのためにそこまで自分の時間を使ってくださらないので、Twitterを丁寧に閲覧していただいてコメントまで残してくださるというのは、本当にありがたい限りです。

数ある否定的なコメントの中から、一際ボクが気になった方がいました。

ボクは今年の元旦から「毎日女子」という企画をはじめました。ボクが1年間毎日、女子のイラストを描いて投稿するという企画です。今年の元旦から始めて今日まで、毎日1時間〜1時間半かけて女子のイラストを1枚描いて投稿しています。

その「毎日女子」に対して執拗に何度もコメントをくださる方がいたのです。

以下、数あるコメントの一部引用です。

毎日女子描いてるけど、毎日バストアップのカラー描くよりも上手い人の模写やデッサンをした方が確実に上手くなると思う。色の塗り方も初期からずっと変わってないし、そもそも基本の白黒絵すらまともに描けないのになぜ一日一枚カラーのバストアップを描けば上手くなると思っているんだろう、と思います。模写やデッサンなどの地味でつまらない努力から逃げてるんだろうな、と思います。

(この後もボクを否定する言葉が、この文字数の倍以上続いています)


この方のご意見は図星でした。

概ね図星でした。

「毎日女子」をはじめた目的は、第1に「継続すること」第2に「応援していただくこと」でした。画力向上は3番目の目的で、ボクは「とりあえず毎日続けていればいいや」と思っていたのです。

毎日1時間〜1時間半かけて女子のイラストを1枚描いて投稿する。これが、時間が限られた日はなかなかしんどいのです。

「忙しいから」と自分に言い訳をし、バストアップ(顔から肩まで)の絵をサラッと描いて終わりにした日が何日もありました。

でもボクはそれでいいと思っていたのです。だって目的は、「継続すること」と「応援していただくこと」で、画力向上は3の次でしたから。


だから、この方から否定的なコメントをいただいても素直に受け取ることができず、ついつい反発してしまいそうになりました。

「画力向上」を最優先に掲げていたら、おそらく別の企画をやっていました。毎日1時間程度をかけて一枚の絵を仕上げるより、週一回でもまとまった時間をとって丁寧にイラストを仕上げた方が、画力は上がるからです。

だからボクは、コメントをくれた彼に対して、「そんなことはわかっているよ」「目的は他にあるんだよ」とついつい反発してしまいそうになったのです。


しかししかししかししかし、

「画力向上」も、後回しにしているとはいえ目的の一つです。もしこのまま366日描き続けて、画力が1ミリも向上していなかったら、ボクは何のために毎日1時間〜1時間半を割いているのか、また、見てくださった方はなんて思うだろうか。

コメントを見て考えました。

そして、「画力上がらなかったら応援してもらえないじゃん」という意見にたどり着いたのです。


おそらく毎日女子を見てくださっている中で、彼と同じことを思っている人は一定数いるでしょう。しかし不思議なことに、Twitter上では「毎日女子」に対して否定的な意見は一度も飛んできたことがありません。

聞こえてくる声は「続けててえらい」「最近がんばってるね」等の優しい声ばかりでした。ボクはそれらの言葉に甘えていたのでしょう。「とりあえず続けれていばいいや」という想いに余計に拍車がかかります。

雑な絵を量産したことは事実です。そしてそれは、続けることが第一の目標だったボクにとってはいい面でした。ボクはボクにとって都合のいい面だけを見て、今まで毎日女子を続けてきたのだなと思いました。

しかし、ここままのクオリティで続けていても、366日達成したときに(今年は閏年なので)何の感動も生まれない。コメントを受けてそう思いました。

ボクはボクの未熟さを感じました。毎日女子はアップデートしなければならないし、ボク自身も成長しなければならない。

でも、どうしてもこの方の言葉は素直に受け止めることはできない!だってすごい否定してくるから!

そんな感情の中、ボクは彼のことをもう少し考えて見ることにしたのです。


「なぜ」を考えることで意見の真意が明確になる

否定的な言葉を投げかけられたとき、その言葉を「素直に受け取れる」という人は少ないかと思います。

特にその方が匿名(どこの馬の骨かもわからない相手)だとしたら、内容が図星であれば図星であるほど腹が立つと思いますし、その内容が世間の声に思えてしまって心底傷ついてしまうものだと思います。

ボクもそうでした。否定的なコメントの数々を見て、表面では落ち着いているように見せておきながら、内側では徐々に心が痛んでいきました。

そこでボクは、ボクにとっての悪い面、裏面をもうちょっと覗くことにしました。

「なぜ」を考えたのです。

どんな人かわからない人から言葉をいただくから、素直に受け止められないのであって、どんな人かわかれば、言葉を素直に受け止められると思ったからです。


「なぜこの人は、毎日女子に対してやたら絡んでくるのだろう」
「なぜこの人は、ボクに対し努力不足と執拗にコメントしてくるのだろう」
「そもそもなぜこの人はこのような否定的なコメントをわざわざしてくるのだろう」

ボクの考えられる力をフル回転させ、この方がどんな方なのかを考えました。以下は全くのボクの憶測でしかないので、その辺はご理解ください。

ボクの考え方はこうでした。

「YouTube動画のコメント蘭に、絵に対してのコメントをやたら書き込んでくる」

おそらく絵関係の仕事をされている、またはされていた方

「ボクの努力不足に対してやたら突っ込んでくる」

おそらく人の何倍も努力されて何らかの結果を掴んだ、または掴めなかった方

「そもそも否定的なコメントを執拗にしてくる」

人生が自分の思うように進んでいない方

・おそらく絵関係の仕事をされている、またはされていた方
・おそらく人の何倍も努力されて何らかの結果を掴んだ、または掴めなかった方
・人生が自分の思うように進んでいない方

という3点を統合して考え、以下の結論に至りました。
これらの勝手な推測から、さらに勝手に人物像を推測した結果、浮かび上がった人物像がこちらです。

「憧れている絵の仕事につきたくて人の何倍も努力したけど結果でず、思ったような絵の仕事にはつけなく現状に不満を抱いている方」

ここまで推測することで初めて、どんな人物なのかがやんわりと見えてきました。そして、そんな人に言われているんだと思うと、何も知らない状態より遥に素直に言葉を受け止めることができるようになりました。

この人はボクの何百倍も努力して、その結果思うような人生になっていないんだな。だからボクに対して、こんなに厳しい言葉を投げかけてくださっているんだな。と、(これも非常に勝手なボクの受け取り方ですが)ここまで考えることで「毎日女子」をもっとしっかり描こうという意欲が湧いたのです。


アンチさんから学んだこと

以降ボクは、「毎日女子」で描くイラストは模写を徹底して行っています。今までのように、忙しい日はバストアップの適当な絵で終わらせるのではなく、資料を見ながらしっかりと描いて、画力向上に励んでいます。

目標の順位も変わりました。第一に「継続」第二に「画力向上」です。もともと第二だった「応援されること」は、これら2つを満たしていれば自然についてくるものかと思ったので、目標からは外しました。


自分にとっていい面だけを見て、悪い面は一切見ずに過ごしていたら、この変化は起きていないと思います。

Twitterの優しい声にばかり耳を傾け、YouTubeの自分にとって都合の悪い声に耳を塞いでいたら、ボクの毎日女子は今でも手抜きのバストアップイラストが横行していたことでしょう。

悪い面からも学びを得たことで、人生の幅がほんの少し広がりました。


物事には必ず表と裏があります。ボクら人間は、自分にとって都合のいい面を〝正義〟、都合の悪い面を〝悪〟と断定してしまいがちです。世の中全体を見渡すとそうではなく、自分にとっての正義の中にも悪は存在していますし、その逆もまた然りです。

一辺倒に答えを決めつけていては、もう片方にある学びを得ることができません。もしかしたら、悪と決めつけた中に、自分の求めた答えがあるかもしれません。


ボクらは人間、日々成長する生き物です。自分を成長させてくれるのは、自分にとって都合のいいことばかりではありません。学びは、自分が得ようと思えばどこからでも得られます。

都合の悪い面を覗くのは、時に辛いかもしれないけど、その奥をほんの少し想像するだけで、自分の世界が広がります。

どんなことも学びに変えて、日々精進していきましょう。


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