昨日、宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来、10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』が公開されたので、ひとりのアニメファンとして当然ながら初日初回で見てきた。 個人的にはリッチなアニメーションと幻想的なストーリーテリングを楽しんだが、予想通りというかいつものことというか、ネットでは賛否両論である。 それ自体はおおよそ想像できた展開ではあるのだが、予想外だったのは「ストーリーがわからない」という意見だった。 たしかにとっつきの良いわかりやすい娯楽大作とはいいがたい映画
第五回である。 こんなに続く追悼記事もあまりないかもしれないが、ここまで来たら最後まで書き切るより他にない。まだつきあってくれている少数の読者さんたちには最大の感謝を表します。 さて、前回は「人間の愚かさ」を極限まで追求し告発する平井和正が提唱した「平井のテーゼ」を山本弘がどのように継承していったのか、そしてそこに発生した欺瞞について簡単に記した。 『アイの物語』では、象徴的なことに理想的な存在としてのマシンたちがさまざまな「お説教」を展開してくれたわけだが、他
【「平井のテーゼ」】 第四回である。今回もまた初めに謝っておくが、当然のごとくこの第四回でもまだシリーズは終わらないのだった。 どうやら過去四半世紀でぼくがネットに書いてきたなかでも最も長い記事になりそうである。こうなったら行けるところまで行ってしまうしかない。最後までブレーキを踏むことなくアクセス全開で駆け抜けるとしよう。 さて、前回は『8マン』や『ウルフガイ』などの作品で知られる作家・平井和正の名前を出したところで終わっていた。 山本さんはこの作家の影響を大き
【第三回は謝罪から始まる】 まず、最初に謝っておきます。 山本弘の人柄と小説作品について書きはじめたらいつまでも終わらず、なんと「後編」のはずの記事は「中編」になってしまいました。 菊池秀行の『エイリアン魔神国』という小説は、上巻と下巻の全二巻で終わるはずが延びに延び、上中下巻ですら終わらず、「完結編1」、「完結編2」、「完結編3」と続いてしまうのだが、そういったカフカ的な事態をも想定させる展開である。 そもそも初めはひとつの記事で終わる予定だったわけで、ぼくもま
【『サイバーナイト』の思い出】 この記事は、亡くなった作家の山本弘さんを追悼した記事の第二弾である。 しかし、第一弾とはほぼ独立した内容になっているので、ここから読んでいただいてもかまわない。 それでも気になる方は前回の記事も読んでみてほしい。かなり長いけれど、そこそこ好評だったようだ。 前回は山本さんのネットでの一面を取り上げて、それで気力が尽きて終わってしまったので、今回はかれの小説作品を取り上げよう。 前回も書いたが、ぼくはかれの長編作品はほとんど読んで
うらにわのおはかに、はなたばを。 山本弘さんが亡くなられた。 といっても、もちろんご存知ない方もいらっしゃることだろう。 そういう人のなかにも「トンデモ本」という概念を生み出したあの「と学会」の初代会長といえば、「ああ」と思いあたる方もいるかもしれない(この記事の公開後、「トンデモ」はと学会の創始ではないというご指摘を受けました。謹んでお詫びし訂正いたします)。 じっさいには、かれの功績はそこに留まるものではなく、あるときは凄腕SF作家、あるときは良く喋るゲームマ
【サブカルチャーに関する記事ならお任せください!】 はじめまして。プロライターとして活動している海燕(かいえん)と申します。一方でブロガーとして有料/無料記事を3000本以上書いてきました。 専門はいわゆる「オタク系」の記事、幅広くアニメ、マンガ、小説、映画、ゲームなどを扱っています。いわゆる「男性向け」作品から少女マンガ、一部のBL、百合まで読みます。 ていねいな執筆とともにスピードライティングを心がけており、締め切りの厳守はもちろん、短期間での入稿にも対応しており
日本が誇る天才伝奇作家・山田風太郎の長編小説『八犬伝』が映画化されるとか。 監督は『鋼の錬金術師』の方ということで、正直、「大丈夫かなあ」と思ってしまうところなのですが、とりあえず、原作は傑作です。 傑作、名作、大傑作が異常に多い山田風太郎作品のなかでもかなり上位に入って来る面白さ。 「ふつうの優秀な作家」だったら生涯に一作生み出せるかどうかというホンモノの傑作ですね。 『南総里見八犬伝』にもとづき、八犬士たちの物語を追いかける「虚」のパートと、その物語の作
何かしらビデオゲームをプレイする方なら必ずご存知であろう名作ゲームに『風来のシレン』シリーズがあります。 「1000回遊べる」というインパクトのあるキャッチフレーズで知られる作品で、じっさい、最後までクリアしようとすると1000回くらいくり返してプレイすることになる可能性はあると思います。 主人公のシレンが「レベル1」であるダンジョンへ挑むのはふつうのゲームと同じなのですが、この作品ではシレンは冒険の途中で倒れるとそれまでどんなにレベルアップしてアイテムや装備を溜め
衝撃と必笑の展開が話題をさらった先々週から二回、『龍と苺』はあいかわらずわけのわからない話が続いている。 いきなり100年後の未来に物語が飛躍したのははまあ良いとして(ぜんぜん良くないが)、そこになぜか主人公藍田苺(らしき少女)が出て来ていることは何がどうなっているのかさっぱりわからない。 いや、ほんと、どういうことなんだよ。先週までは「苺が何らかの理由で過去からタイムスリップしたのか?」と考えることもできたのだが、今週の描写を読むと必ずしもそうともかぎらないらしく
積読(つんどく)とは日本固有の概念らしいが、当然、本を積みまくっている人は世界中にいることだろう。 ある程度、読書をする人間はどうしても積読することになってしまう。欲しい本はとりあえず確保しておかないと市場からなくなってしまうのに対し、本を読むのにかかる時間は一定だからである。 読書人はいつも一様に「あの本を読めば、この本は読めない」という鉄の摂理に縛られているのだが、じっさい、積読の山を眺めていると、「ああ、オレは一生読みたい本を読みつくすことはできないのだなあ」
『ファイブスター物語』のデザイン画集第七弾『ASH DECORATION』を入手しました(6600円……)。あれ、なぜか画像が表示されない。まあいいか。 今回は星団暦3075年の魔導大戦(マジェスティック・スタンド)終焉のあたりまでのデザインを追いかけているようです。 語尾を濁すのはまだすべて読んでいないからですが、ぱっと見ただけでもあいかわらず凄まじい情報量で、もうここまで来ると完全に「教科書」、勉強するものだよなーという感じ。 まあ、いままでもずっとそうだっ
おそらく全人類の七割くらいはそうなのではないかと思うのですが、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』が好きです。 原作も読んでいるのだけれど、やはりアニメの出来が良い。昔は何であれ原作を超えるクオリティのアニメなんて超希少な存在だったのですが、最近はぽつぽつありますね。そのくらいアニメのレベルが上がってきているということなのだと思います。良きかな良きかな。 それにしても、放送当時には大きな話題となり、たぶん続編も制作されるであろうこのアニメはなぜここまで人の心を打つのでしょ
以下の記事を読んで「スピードライティング」という言葉を知りました。 日本語に訳すなら「速筆」ということになるでしょうか。ハイスピードで文章を書くことを意味しているのだと思います。 で、これは自慢ですが、ぼくは書くのが速い。いや、自分ではとくに速いほうだとも思っていなかったのだけれど、人の話を聞いているとどうやら速いほうだということがわかってきました。 どうもふつうのスピードだと1時間1000文字から2000文字くらい書ければ良いほうらしいですね。作家とかライター
noteのプレミアムプランに入会しました。 500円でいろいろな機能が使えるようになるサブスクリプションですが、それらの機能のうちのひとつに予約投稿があるのですね。きょうからその予約を使ってなるべく毎日、午後5時に更新しようかな、と考えています。この記事はその第一弾です。 いままでこの手のブログの毎日更新は続いた試しがないのでうまくいかないかもしれないけれど、とりあえず三日坊主を超えて四日間続けることをめざしてみます。 毎日3000文字とか書こうと考えると100
スキャンダルって、ありますよね。日本語に直すと「醜聞」というかなりどぎつい字面になるのですが、有名人が世間的に好ましいと思われていないことをしでかしたことが発覚するというほどの意味だと思います。 最近では、どこまでほんとうなのかわからないものの、芸人の松本人志さんの女性問題などが取り沙汰されました。広末涼子さんの不倫問題なんかもありましたね。 で、今回はそのスキャンダルについて書いてみたいのですが、いえね、べつに「こういうスキャンダルを起こすような人物はけしからん!