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【現場からお届け】介護士の夜勤の仕事内容とは?

当記事では、主に入所施設(介護特別養護老人ホームなど)で勤務する介護士の勤務スケジュールについてご紹介します。介護士の夜勤の仕事は、日勤の業務内容と被る部分もあるため、日勤を含め、入居者様の1日の流れともに見ていきましょう。

介護士の夜勤の仕事内容から、早速ご紹介。

図1

<介護士の仕事内容【日勤編】>]

8:30 朝礼、夜勤者からの申し送り

9:00 トイレ誘導・排せつ介助
⇒陰部洗浄などのケアを行いながら、オムツ交換をします。

10:00 お茶(水分補給)
⇒水分摂取を嫌がる入居者様も、いらっしゃいます。
声かけをしながら、水分摂取を促します。
●レクリエーション
●入浴介助
●介護記録を書く

11:30 嚥下体操
⇒ムセ込みや肺炎防止のため、表情筋を動かす「パタカラ」体操などを行います。

12:00 昼食・服薬・口腔ケア
⇒看護師と協力しながら、服薬を行います。
食事量をチェックしたり、食事介助も行います。

13:00 トイレ誘導・排せつ介助

14:00 レクリエーション
●入浴介助
●介護記録を書く

15:00 おやつ・お茶(水分補給)
⇒食事が進まない方でも、おやつは召し上がられる場合があります。
フロアで摂取しない方には、居室まで配膳します。

16:00 トイレ誘導・排せつ介助、
⇒ベットから起こしながら、車いす・椅子へ座ってもらい、夕食の準備をします。
また、この時間のオムツ交換は、夜用オムツを使用します。

16:30 夜勤者へ申し送り

17:00 夕食・服薬介助、就寝前ケア

17:30 退勤

<介護士の仕事内容【夜勤編】>

16:30 日勤者からの申し送り

17:00 夕食・服薬介助、就寝前ケア
⇒歯磨きや洗面など、介助します。

19:00 着替え介助
⇒入居者様へ生活リズムを考慮し、夜間は、寝間着に着替えます。

20:00 トイレ誘導・排せつ介助・就寝介助
⇒消灯前の、歯磨き等、身の回りのケアを行います。

21:00 消灯・介護記録を書く

0:00  排泄介助

4:00 排泄介助

6:00起床

8:00 朝食・服薬・食事介助・口腔ケア

8:30 日勤者への申し送り・介護記録を書く

9:00 退勤
●上記に加え、21:00の消灯後は6:00の起床時間まで、1~2時間ごとに、安全のため、居室内を巡視をしています。
●空いている時間に、翌日の準備や入居者様のレク活動の工作、洗濯物をたたといった作業も行います。
●勤務が2交代の場合のスケジュールです。この場合、勤務中に、2時間程度の仮眠時間を設けている施設が一般的です。

介護士夜勤のメリット・デメリット

図1

次に、介護士が夜勤勤務をすることの、メリットとデメリットを考えてみましょう。

【メリット】

■ 夜勤手当をもらえる
「夜勤の手当がもらえること」は、最も結果に出やすい、メリットです。夜勤手当の金額は、施設によっても差がありますが、1夜勤あたり、5,000~10,000円が相場と言われており、夜勤を月に4回おこなった場合には、2~4万円が上乗せされる計算です。日勤で働く以上に、給与が増えます。

■ 就職先の候補が増える
夜勤において、介護業界は、慢性的な人手不足という現状があります。そのため、夜勤対応もできるという条件を、職場選びの際に入れることで、選べる就職先の数が増えます。さらに詳細な条件もあるでしょう、給与や、働き方など、希望に合った施設に出会える可能性が高くなるのは、メリットと言うことができます。

■ 休みが増える
大半の施設では、夜勤明けの日の翌日に休みとなることが、ほとんどです。夜勤明けの日の帰宅以降~、次の日の休みの時間を合計すると、1日半もの時間を、自由に過ごすことができると言えます。一般的なデスクワークをする企業より、介護職はまとめて連休を取ることが難しい仕事かもしれません。しかし、小まめな休みを取ることは、リフレッシュする機会が多いとも言えます。

■マイペースに仕事ができる
夜勤は、ケアの対象である入居者様が休まれていることも多く、マイペースに仕事ができると言う方もいらっしゃいます。また、一人夜勤の施設では、自分以外にスタッフがいないので、「そりの合わないスタッフと、一晩中一緒になるのが辛い」と言った、心配はいりません。

■空いた時間を好きに使える
夜勤と聞くと、忙しいように思われがちです。しかし、実は仕事がない時間帯も存在します。定時の巡回や排泄介助、介護記録などが終わり、特別なことがなければ、自由に過ごすことも許されています。書類整理をする方や、日勤業務のフォローなどに時間を使う方も多いようです。

■入所者様とゆっくりと対話できる
夜間ふと目が覚めた入居者様より、ナースコールがあり、入居様の居室で、ゆっくと話をする機会を、得られる場合があります。一対一で、ゆっくりとした時間取れるからこその、場面です。

【デメリット】

■介助の負担が増える
日中は複数で介助を行っていた利用者様にも、夜勤ではフロアあたり、1人で介助を行わなければならない場合や、全く一人で夜勤を行うことがあります。そのことから、介助の負担が増えると言えます。例え一人で夜勤勤務を行う状況だったとしても、入居様の人数は変わらないため、認知症の方、徘徊される方など、一晩で幾度も対応せざるを得ないことがあります。

■緊急時の対応に対する責任が重い
地震や洪水といった「天災」や、利用者様の状態が急に変わってしまう「急変」など、イレギュラーな緊急事態が発生することは、いつでもあり得ます。もともと夜勤は、日勤と比較し、人数が少ないため、限られたスタッフでイレギュラーに起きた出来事に対して、対応しなくてはなりませんので、特に責任が重くのしかかります。

■トラブルに対し、冷静な判断力が求められる
入居者様の急変や、地震等の災害など、1人で対処しきれないトラブルが起こる可能性もあります。このような思いもよらないトラブルがに対しても、相談する相手がいないことや、相談相手が少ないこともあるため、焦らず、冷静に対応する必要がでてきます。

■休憩が取れないこともある
入居者様への対応や、急なトラブルにより忙しくなってしまった結果、休憩時間が確保できず、休憩や仮眠が全く取れないこともあります。2交代制の場合は、勤務時間が長いため、休憩が取れないと、体力的にも大変だと言えます。

夜勤勤務をすることで給料はどのくらい変わるの?

図1

夜勤をすると、「給与が上がる」という話を耳にしたことはありませんか。その理由は、深夜の時間帯に働くことで、「深夜割増賃金」が支給されるためです。それに加え、法律で定められている、「法定労働時間」の8時間を超えて働く合は、超過時間分が割増賃金となるのです。いずれも、通常賃金(時給に換算した場合)の1.25倍で計算されます。

夜勤(4~5回)を含めた施設介護職員(正社員)の給与平均給与額(参考値*1)は次のようになります。(月給の下4桁は切り捨て)(*2)

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1回あたりの夜勤手当は6,000円程度と言われているため、夜勤を行わない場合は、上記月給から、夜勤手当(平均月4-5回)である(30,000円~35,000円)+基本給の一部が減額になると考えてよさそうです。ボーナスのことも考慮すると、日勤のみの場合の給与に加え、月30,000円以上の増額は大きいものです。また、施設によっては夜勤専従の募集を行っているところもあります。その場合は、出勤日数が少なく、さらなる給与のアップが望める場合があります。

また給与に関しても、夜勤専従の正社員となった場合、平均350,000円/月程度の月収とみられています。出勤日数が少なく、一般的な勤務(日勤+夜勤)から考えても、時間的な拘束に対し、収入には大きな変化がありません。

図1

慢性的に人手不足である、と言われる介護業界の人材で、夜勤勤務が可能な場合、さらなる就職の選択肢が広がります。夜勤を行うことで、給与のアップや休日が増えること、マイペースに仕事がしやすいなどのメリットがある一方で、忙しさや責任が問われるというデメリットも存在します。とは言っても、一度現場に足を踏み入れてみないとわからないことも、数多くあるはずです。介護士として夜勤勤務を検討されている方は、一度当社までご相談ください。

(*1)介護求人サイトにおいて、関東圏において2021年9月現在募集をしている求人の中より、各施設10件すつ無作為に選び、計算した参考平均値です。

(*2)厚生労働省,令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

フッターB


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