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福祉用具レンタル販売選択制スタートで分かってきたこと

2024年4月からスタートした介護保険制度の報酬改定のひとつ、「福祉用具のレンタル販売選択制」。

この選択制、4月になり実際に動き出してみて、いろいろ気づくところや分かってきたことがあり、今回のnoteでその事について話してみます。


●レンタル販売選択制スタート、しかし動き出しは様々

4月にスタートしたこのレンタル販売選択制ですが、現場にとっては、「どうやって進めるのか?」詳細が掴みきれないまま見切りスタートしている感がありあり。この運用を回していく現場の人達も、「わからないこともあるけどまずは案内しなきゃ!」と前のめりで動きながら考えていく事業所もいれば、「まだルールもよくわからんから、もうしばらく様子を見てから動き出そう」という事業所もいたり、スタートの号砲は鳴っているのに、ダッシュで走り出す人、周りに急かされてとりあえず歩き出してみた人、まだ走り出さない人…という感じでさまざま。


●案内を後回ししてしまうとクレームにつながるかも

とはいえ個人的には、「特に既存レンタル中の利用者については、運用もスタートしている以上、早々に案内していくべき」と考えています。なぜなら、既存レンタル中の利用者は、4月以降もレンタル料が毎月発生しつづけていく訳で、遅い案内は、クレームにつながるリスクがあると思うからです。

例えば、次のモニタリング訪問が7月のレンタル利用者がいたとして、選択制の案内をモニタリング訪問の時期に合わせて7月にしてしまうと、
いざ「販売にします」と決まった際に、「でも、そもそもこの運用いつから始まったの?」と聞かれたら、答えに窮してしまいそう…。

「もっと早くに知ってたら4月〜6月のレンタル料金を余分に払わずに済んだのに!」なんていうクレームも発生しそうです。

このように、既存の利用者も新規の利用者も一斉にこの選択制はスタートしているので、日々忙しい現場の仕事の中ではありますが、早めの案内をしていくべきだと思います。


●販売が選ばれやすいもの、レンタルが選ばれやすいもの

ちなみにこのレンタル販売選択制、対象の種目は
「歩行器(車輪のついていないタイプ)」
「多点杖」
「特殊杖(松葉杖除く)」
「ミニスロープ」

の4つ。

これらの中で、「販売が選ばれやすいもの」「レンタルが選ばれやすいもの」がなんとなくわかってきました。


・販売が選ばれやすいミニスロープ

まず、販売が選ばれやすいのが「ミニスロープ」です。

理由としては、
・販売の方が約1年でレンタルよりも元がとれる
・設置してしまえば特に機種変更することもなく劣化も少ない
(身体状況に変化などがあってもミニスロープはそのまま使用するケースが多そう)
これらの理由から、販売を選ぶケースが多いですね。


・レンタルが選ばれやすい歩行器・多点杖・特殊杖


逆にレンタルが選ばれやすいのは「歩行器」「多点杖」「特殊杖」です。

理由は
・身体状況の変化などにより、機種変更が見込まれるケースが多い
・脚先ゴムの劣化による取替の場合実費となる
・その際の手間賃・出張料も余分にかかるかも(事業所によって徴収するところ、しないところがあると思われますが)
という理由からです。

特に先ゴムの交換費用がかかるという点は、販売を選択する上で見落とされやすいように思います。介護保険レンタルであれば、半年ごとの定期モニタリングで商品のメンテナンスが行われ、その際のメンテナンスや部品交換にかかる費用はレンタル料に含まれているため、基本的には余分に費用はかからないのですが、販売の場合だと追加で料金が発生する事になります。
さらに出張料や手間賃などもかかるとすると、レンタルの方が適しているケースは多いのでは、と思っています。

種目によってそれぞれメリット・デメリットがあるので、それらも踏まえて、レンタルの方が適しているのか?販売の方が適しているのか?しっかり考えてどちらかを決めていくようにしましょう!


ということで、レンタル販売選択制がスタートして、わかってきたことを書いてみました。
とはいえ、この制度改正はまだまだスタートしたばかりで、これからも想定していなかったいろんなケースが出てきそうです。
また今後の進捗について、何かあればnoteに書き記していきたいと思います。



ではでは。

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