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介護業界の人手不足をデジタル化で補う方向はわかるけど・・・

2024年4月に行われる介護報酬の改定。今回の改定では、デジタル化を推し進める事業所への報酬加算や条件緩和がたくさん盛り込まれていて、国としては介護現場で積極的にDX化を進めてもらいたい、という想いが強く感じられる改定となっていますね。とはいいながら、個人的にはうーん、と思うところもあり・・・、ということで、今回は介護報酬改定でのデジタル化の動きについて、思うところを書いてみたいと思います。


●人手不足の介護業界、国はデジタル化でリソース不足を補うつもりだが・・・


今回の改定で、介護人材不足の中での処遇改善や生産性向上に向けた取り組みを掲げています。

たとえば・・・
・「介護ロボット」「ICT」などを活用した業務負担軽減
・テレワークなどの柔軟な働き方(ITツールの活用が必須)
・逓減制の人員基準を緩和(早急なITツールの導入が必要)
などなど

国がDX化を促進させたいという意図が強く読み取れる改定ですね。
このようなDX化推進の意図としては、みなさんお分かりのとおり、介護業界の人手不足をDX化で補いたい!という想いですね。なんでもマンパワー、人の手を全て介して行う仕事は、これから人手不足を見据えていけば、当然新しい仕組みづくりが必要!少しでも効率化を目指していく必要があると考えます。当然マンパワーでしか対応できないこともあるので、全てをDX化することは困難なのですが、必ず発生する事務作業・書類作成等、DX化を進めることで、より効率的に進められる業務内容はたくさんあります。国はこのような意図があって、DX化をすすめたいし、DX化に積極的な事業所にはしっかり加算してあげるよ!というメッセージが発せられているわけですね。

●デジタル化の仕組みを作っても、介護業界の人たちはそれを使いこなせるのか?問題

しかしながら、どれだけDX化で加算しますよ!といったところで、現状周りを見渡す限り、それを使いこなせる人たちが介護業界の現場でどれくらいいるのかな?と、首をかしげてしまう状況です。ようやくスマホは普及してきてはいるものの、PC操作もままならない介護職の方も多く、DX化しましょう!といくら言ったところで、いきなり介護業界全体で使いこなせる状態には、なかなかならないのでは、と思っています。

●国はデジタル化の教育をやるつもりはなさそう(加算や条件緩和のオンパレードでついてくるのか?)

それならば、IT系に弱い人たちに、デジタルツールの扱い方などの教育をすることは出来ないものか、と思ってしまうのですが、どうも国はそんな教育に力を入れようというつもりはさらさらないようです。
先日、この度の介護報酬改定についての外部研修に参加したのですが、講師の方に質問してみました。
「DX化はわかるけど、扱う介護職や介護者のIT知識が追いついていないから、国を上げてIT教育を普及するとかいう話は出ているのか?」と。
講師の返答としては、「国からは目立ってそういう話はなく、DX化に関わる加算をひたすら掲げて推進しようとしている」とのことでした。
振り返ると、「これからはITだ!デジタル化だ!」と言って「IT革命」が流行語大賞となったのが2000年あたり・・・そこから、対して国を上げて目立った教育もされないまま20年くらい経っているこの状況で、今になって「DX化で加算だ!」なんてやっているのも、なんだか都合のいい話だよな・・・なんて思ってしまいます。

●年配になってからの自己学習は限界がある・・・次の世代に期待するしかない?

スマホやパソコンなど、ITツールを使いこなすこともなく年配になった人にとっては非常に酷な時代になってきているように思います。そんな人たちに、これから自分で勉強してみて、と言っても、なかなか難しいのが現実。もっと早い段階でITツールに馴染めるように、何かしらの策を打っておくべきだったように思います。とはいえ、年配の方でも、新しい技術に率先してチャレンジしようとする人もたくさんいます。こういう気持ちってちょっとしたきっかけ次第だと思うので、今はスマホとかよくわからん!という人も、まずは知ろうとすること!
ちょっとでも触れてみて「こんな感じなんだ、思ったより面白そう」なんて、少しでも前向きに捉えて、一歩一歩前進していってもらえるとありがたいな、なんて思います!

ではでは。

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