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「自走式車いす」と「介助式車いす」の違い

基本的な話ですが、車いすには、自走式と介助式の2タイプがあります。
今回は自走式車いすと介助式車いすの違いについて、説明していきます。


●自走式車いすとは

自走式車いすは
・後輪が大きい
・後輪にはハンドリムがついていて、手で漕ぐことができる
ざっくりですが、このような特徴です。それに対して・・・

●介助式車いすとは

介助式車いすは
・後輪が小さい
・本人で手漕ぎはできない
・介助者が後ろから押してあげる
という特徴があります。

車いすを選ぶ際は、もっといろいろな特徴を考えてどの機種がご利用者に合ったものなのか検討し、適合した機種を導入する必要があるのですが、最も大枠での種別としては、この「自走」「介助」のどちらにするのか、をまず考えていくことになります。

●「自走式」「介助式」での重心の違いが安定感の違いに

安定感という点では、自走式タイプの方が安定感があります。
車輪が大きく、低い位置の重心になる自走式のほうが安定感が高く、逆に重心が高い位置になる介助式は安定感が自走式に比べると劣ります。ただし、狭い廊下などの取り回しで、自走式はどうしても幅や前後の奥行きも広かったりするので、介助式を選ぶケースもあったりします。

ちなみに、転回のしやすさでいえば、大車輪が中央に配置され、前後に小さなキャスターがついている6輪タイプの車いすが有効だったりします!重心が駆動輪の中心位置とほぼ同じになるので、駆動の際に効率よく力を伝えることができ、少ない力で駆動ができて非常に便利です!

●介助式車いすを安易にすすめない

車いすを選定する際に、よく現場では・・・

「軽くて小さい方がいいからコンパクトな介助式の車いすでいいよ」

という声をよく聞きます。
しかしながら、安易な介助式タイプの選定には注意が必要!

というのも、介助タイプは後輪にハンドリムがついていないため、ご利用者本人の操作する機会を奪ってしまうからです。
まだ足漕ぎするのであればいいのですが、足漕ぎだけで自由自在に操作するのもなかなか難易度が高く、ハンドリム操作が少しでもできる方であれば、その機能を活かして、自分で操作するという機会はぜひ残してあげたいという思いがあります。

例えば、直ぐ目の前にあるペンを取りたい、と思っても、介助式車いすだと、自分では全く動くことができず、都度都度介助者を呼ばなければなりません。都度呼ばれる介助者の方も、正直手間もかかって負担も大きいでしょう。

自力でのハンドリム操作など、少しでも自分でできることがあるのであれば、せっかくの残存機能を活かせられるようにしっかり選定する!安易な選定で残存機能を奪ってはいけない!と思っている次第です。

ではでは。

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