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新しい音楽と出会いたいなら黙ってSYNCHRONICITYに行け

SYNCHRONICITY(シンクロニシティ)というフェスをご存知だろうか?

一言で言うと、毎年春頃に渋谷のライブハウス群で開催される麻生潤さん主催の都市型ミュージック&カルチャー・フェスティバルだ。

シンクロニシティのコンセプトや成り立ちは、最近公開された下記の記事が分かりやすい。


私は音楽フェスが大好きで、毎年野外フェスからサーキットフェスまで様々なフェスに足を運ぶが、最も好きなフェスの一つがシンクロニシティである。
シンクロニシティには2016年に初めて行き、以降毎年欠かさず行っている。勿論今年も行く。


私がシンクロニシティというフェスを好きな理由は

「なぜあのとき知らなかったんだ!!!」

が最も多いからだ。

出演する全アーティストが自分のよく知る大好きなアーティストだ!というのも勿論素晴らしいフェスだと思う。私も、大好きなアーティストが一組も出ないフェスには流石に行く気が出ない。
ただ、自分の知らない新しいアーティストとの出会いがあるのもフェスの魅力の一つだし、そういった出会いを一つでも多く生み出すことができるフェスが価値のあるフェスだと私は思う。

よくフェスに行った1年後とかにフェスのタイムテーブルを見直してみると「いま大好きなこのアーティストが出ていたのか!知らなかった!観ておけばよかった!」という後悔をした経験がある人は決して少なくないはずだ。後悔とかはなくとも、いまめちゃくちゃ流行っているアーティストが、1年前自分の行ったフェスに実は出ていた、といったことがきっとある。

その「知らなかった」が個人的に1番多く起こってきたフェスがシンクロニシティである。

ここで、これまでの「知らなかった」を順を追って振り返ってみたいと思う。

まずは2016年。
ラインナップがこちら(黒枠が私の実際に観たもの)

最高のラインナップだ。

ネバヤンとヨギーをduoで連続で観れる日はもうそうそう来ないだろう。
jizueの途中で泣く泣く抜け出し、SHERBETSに移り、SHERBETSの途中で泣く泣く抜け出し、D.A.N.に移った記憶がある。そして、envyとMONOは入場規制で観れなかった気がする。

ここで言及したいポイントは、PAELLASや思い出野郎Aチーム、DALLJUB STEP CLUBといった今は大好きなバンドを、当時は名前も知らず、”行く選択肢にまったく入れていなかった” ところだ。

toconoma、MOROHA、group_inou、regaなどは、みな私が大好きなアーティストだが、悩んだ末 ”見ない” という選択肢を取った。観たいアーティストが被っていて、それを苦渋しながら取捨選択していくのがフェスの醍醐味であるが、知っていて捨てたのか、知らずに捨てたかの間には大きな差がある。


2017年は2日間開催で、以下のラインナップ。

相も変わらず2日ともびっくりするほど豪華である。
浅井健一→向井秀徳→斉藤和義を連続で見られるサーキットフェスが他にあるだろうか。浅井健一と中村達也が同日に同じ会場で演奏するっていうだけでもかなりエモい。
すごいのはO-EASTだけではもちろんなく、他の会場もいまはこのキャパシティーでは見れないだろうというアーティストばかりである。
O-nestなんかは、フレンズ、iri、chelmico、STUTSといった、いまでは日本の音楽シーンの第一線を走っているアーティスト、PAELLASやHomecomingsといった着実に活動の幅を広げているバンドがずらりと並ぶ。
ここでも、私はPAELLAS、Group2、Wanna-Gonna、chelmicoといった今では大好きなアーティストを知りもせず観る選択肢にすら入れていなかった。

2018年がこちら。

このように年を追って見ていくとアーティストの躍進ぶりも見えてくる。
CHAIは、O-EAST SECOND STAGE(17)→O-WEST(18)→O-EAST(19)と勢いがすごい。King Gnuなんかは、O-nestで観られる日なんて二度と来ないのではないだろうか。
私がこのとき知らず今は好きなアーティストが、MISTAKES、MANON、all about paradise、Pavilion Xool、Emerald、UDOなど。滅多に観る機会のないアーティストもいるので、知らなかったことが悔やまれる。

後から振り返ってみて、この3年間で、私は素晴らしいステージを選び観てきたし、それ自体に一切の後悔はない。
ただ、自分の好きになるであろうアーティストとの出会いがあったにもかかわらず、知らなかったという理由でその機会を損ねてしまうのは非常に勿体ないことだ。悩んだ末導き出したマイタイムテーブルは、本当はもっともっと悩むべき要素がたくさんあったのだ。


そこで今年2019年。
辿り着いた答えはこうだ。

出演する”全アーティスト”を予め聴きまくる

そう。
終わった後に観ておけばよかったと後悔するのなら、そのとき知らないアーティストを事前にすべて調べればよいのだ。

それを可能にするのが、サブスクリプションサービスだ。
サブスクリプションが広まってきている現在、出演するほとんどのアーティストの楽曲をスマートフォンですぐに聴くことができる。
これまではCDを買うか借りるかせねばならず、金銭的にも労力的にも知らない音楽を積極的にたくさん享受することは厳しかった。
YouTubeでも知ることはできたかも知れないが、私はアルバム至上主義なので、YouTubeで1,2曲だけ表面的に聴く行為を嫌ったし、劣悪な音質で聴いてもそのアーティストの本質的な良さを知ることができないことを知っていたため、YouTubeでディグるということをほぼしなかった。
それが今では、SpotifyやApple Musicで、高音質で、しかもアルバム単位で調べてすぐに聴くことができる。なんと素晴らしい時代になったのだろうか。

そういう訳で、今年のシンクロニシティではいわゆる ”予習” というものを徹底的にすることにした。
断っておくと、1つのフェスに対し全出演アーティストの予習をするといった臨み方をするのはシンクロニシティぐらいである。
それは、シンクロニシティが「自分の知らないアーティストでも素晴らしいアーティストしか出ないフェスである」という圧倒的信頼感があるからだ。
過去のラインナップを振り返ってみても、主催者の麻生さんが呼ぶアーティストに外れがないことは立証済みだ。そんな全幅の信頼をこのフェスには置いている。

そんな全予習対象の今年のシンクロニシティのラインナップはこちら。

痺れる。熱いぜシンクロニシティ。
シンクロニシティの素晴らしいところは、常連のアーティストは一定数いながらも、毎年新しい顔ぶれがたくさんいるところだ。

残念ながら、1日目は私の敬愛するバンド「THE NOVEMBERS」のワンマンライブがあるので行けない(最近出たアルバム「ANGELS」がマジで最高なので絶対聴いてください)。
ただ、1日目の豪華過ぎるラインナップによるタイテかぶりを考えると、まるで、溺れている親を助けるか恋人を助けるかの究極の選択を迫られるような場面が多すぎるので、逆に行けなくてよかったのかもしれない(よいはずがない)。
というか一層のこと、シンクロニシティは10日間開催にしてほしい(2ステージ開催×2日分)。

なので今は2日目の予習をメインで楽しんでいる(タイテの黒枠が観る予定のもの)。
いまをときめくSIRUP、LUCKY TAPES、Tempalayといったアーティストをすべて観ないのは正直気が狂っているが、彼らはワンマンライブも行ったことがあるし、これまで何度も観てきたので、今回は泣く泣くパスする予定だ。それよりも新しい出会い選びたい。

ここで、2日目のラインナップで私が知らなかった個人的にかなり熱いアーティストを2組紹介したい。

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Johnnivan(ジョニヴァン)

東京を中心に活動するDancepunk/Lo-Fi/Indie Popバンド。
第一弾アーティストとして発表されていたこともあり、昨年末から聴き始めたのだが、初聴時から衝撃を受けた。ジャンルに当てはめてしまうならインディーロックなのだろうが、エレクトロな音の混ぜ方のセンスが半端ない。音の重なりというより各楽器の音の連なり、繋げ方が心地よく、独特の空白感が癖になってしまう。そして、これまで発表されているすべての曲が良い。
シンクロニシティ2019で最も楽しみにしているバンド。

Shiki(シキ)

熊本の女性ボーカルのドラムレス3ピースバンド。
ドラムがいなく、リズムはすべて打ち込み。
”ドラムがいないから同期音で補う” のではなく、むしろドラムが表現でき得る幅を超え、より自由に曲作りをしている。
極めて人間的で暖かみのあるボーカルの声質、そしてギターの奏でる美しいメロディーに、無機質で機械的な打ち込みが絶妙なバランスで共存していて、曲と歌詞の世界観により説得力を持たせている。
ライブでどのような空間を生み出すのか非常に楽しみである。
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シンクロニシティの掲げているスローガン

「未来へつなぐ出会いと感動 – CREATION FOR THE FUTURE – 」

こんなにも名が体を表しているフェスがあるだろうか。
ここで出会う音楽は、観る者聴く者に感動を与え、そして未来の音楽シーンを創っていく音楽たちだ。
私はこのフェスが続く限りこのフェスに必ず足を運ぶ。
そして、願わくば、いつかこのフェスと同じくらい未来を創っていけるイベントを自分でも企画したい。そのくらい憧れるフェスだ。
さあ、残り2週間、フェス当日の新しい出会いに向けて後悔のないよう十分に準備して臨もう。

↓↓出演アーティストのSpotifyプレイリストはこちら↓↓


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