オリーブの首飾り。

昨日のこと。

夕飯を作ってる夫がちょいイラな空気を発している事に気づいた私はすかさず「何か手伝おうか!?」と申し出た。

すると夫は「鍋のお湯が沸騰したら教えて」と言ってゲームをやり始めた。

メニューはつくね鍋。台所に行くとコンロに水の入った鍋がかけてあり、その横にはつくねのタネ。

ほどなくしてお湯が沸いたので「このタネを入れればいいのね!」とタネにスプーンを突っ込もうとしたら、夫が「待て待て待て!勝手にやるな!」と慌てて飛んできた。せっかく手伝ってあげようと思ったのに。

夫は手にごま油を塗ると一つ一つ丁寧につくねを丸め始めた。

そして鍋を見るなり「少し水が足りないかも。足してくれ」と言うので、私はピッチャーにたっぷりの水を汲み鍋に注ぐ。

「ありがとう」の言葉が返ってくると思ったのに、意外にも夫は無言だった。

なんだよ、せっかくやってあげたのに!と思っていると、突然笑い出す夫。

「ねえ!なんで水入れたの?せっかく沸騰してたのに冷めちゃったじゃん!ポットで沸かしてからお湯を入れてよ!オレ、こんな油だらけの手でまた沸騰するの待たなきゃいけないじゃん!!水入れたらぬるくなるのわかるでしょー!?」

笑いながら怒っていた。

だって「水入れて」って言うから。


「もういいっ。お前はネギでも切っててくれ!」と違う仕事に回された。

じゃあネギ切るかと思ったら、まな板の上で夫がつくね作りをしていて使えない。

「おい!ネギ切れねーじゃん!まな板使えねーでどうやって切れっつーのよ。マジシャンじゃねーんだから!」と言ったら、ソファでゲームやってた娘が「チャラララララ~♪」とオリーブの首飾りを口づさんだ。

画面から目を離さないままメロディーを口づさむ娘を見て「あ。子供って聞いてない風で聞いてるんだなあ」と改めて思った。下らない会話を聞かれていたの、ちょっと恥ずかしい。


やっとまな板が空いたのでネギを斜め切りにする。

普通に切ってたら夫が「怖い怖い怖い!手!危ない!もうやめて、見てられない!」と止めに入って来た。手つきが危なっかしいらしい。主婦歴13年目にしてまさか包丁を取り上げられるとは!

結局、夫が手際よく鍋に材料を放り込み「もういいからそこで鍋を見ててくれ」と、見るだけの役にされてしまった。


しばらくして夫がゲームをしながら「鍋どう?煮立ってる?」と聞いてきた。

「どうって聞かれても、鍋に蓋がしてあるので中の様子はわかりません!蓋は熱いので持てません!でも蓋の穴から煙が出てる」と答えたら「・・・そうか、煙が出てるか」と夫は力なく笑った。


という我が家の日常。

こうして書いてみると私ほんとにポンコツだな。

でもポンコツペースで暮らさせてくれている家族に感謝なのです。

居心地の良い場所を手に入れた。私結構やるじゃん。

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