「図解」とは何でしょう?

「抽象化力トレーニングスタジオ」管理人の開米瑞浩です。

なにか難しい知識や出来事を解説するときによく「図解」を使いますよね。
ブログ記事などで「○○を図解しました!」というキャッチで書かれているものを皆様もよく見かけることでしょう。よくあります。

でも、そもそも「図解」ってなんでしょうか?
「図解」という言葉で皆様はどんなタイプの図を連想しますか?

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絵が多く文字が少ないのがAタイプ、その逆がBタイプで、私はそれぞれイメージビジュアル型、ロジック型と呼んでいます。

上図中にも書いてあるとおり、イメージビジュアル型は一言で表せる「イメージ」を伝える場合に向いていて、ロジック型は因果関係・包含関係などの論理的な関係を伝える場合に向いています。

もちろん、この中間あるいは両者を併用したような図解方法もあります。たとえば「怒りと喜びは対照的な感情です」という1文をロジック図解で書くと下記のようになりますが、

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そこにイメージビジュアル要素を追加するとこんな表現ができます。

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「怒り」「喜び」という文字だけに比べて、ちょっとしたイメージ(アイコン)があるだけで印象がずいぶん変わりますね。


そんなわけで、ロジック図解とイメージビジュアルを組み合わせて使うこともよくありますが、注意しておかなければならないのが、

イメージビジュアルではおおざっぱなことしか表現できない

ということです。

たとえば、以下の4つの感情をそれぞれ「文字を使わず」イメージビジュアルだけで表現できるでしょうか?

怒り 不満 恨み 疑い

これはまず不可能なんですよ。そう考えてもらうと、「イメージビジュアルは言葉を増幅するツールであって、適切な言葉をつけてあげないと役に立たない」ことがわかります。実際、前述の図も文字を削るとこのように

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何を表しているのか意味不明なものになってしまいます。

実のところ、「怒り」「不満」「恨み」の3つなら同じビジュアルを使ってもそこそこ通用します(「疑い」は不自然)。

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したがって、イメージビジュアルは「言葉(ロジック)」なしでは役に立たないので、

イメージビジュアルの前にまずロジックが明確でなければならない

のです。

このことがあまり理解されていません。「図解」というとイメージビジュアルのほうが重要だと思うのか、かわいいキャラクターやきれいな画像を載せるほうに気を取られてしまい、言葉(ロジック)を厳選することをおろそかにしている例を非常によく見かけます。
(「初心者向けに豊富な図解で説明しました」と称する書籍にこのパターンがありがち・・・)。

そして実は「ロジックを明確にする」というのはかなり難しいのです。そしてここで重要なのが「抽象化力」です。

(続く)

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