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地球人に偽装した異星人が見える人間の話を、10年前に考えた。

「人は自分に都合のよい信じたいものしか信じない。それが嘘の情報であっても」
 これをテーマにしたストーリーを10年前に考え、コマ割りまでしたのに、未だペン入れをしていません。
 SFで、異星人がすでに私たちの暮らしの中に入り込んでいて、着々と地球侵略を進めているという話です。

 ある科学者が、地球人に偽装した異星人の姿を透過して見ることのできる薬を、偶然、発見して、それを異星人に知られ、追われて逃げています。そしてとうとう、郊外の住宅街に追い詰められ、追手の車にはねられてしまう。
 その交通事故現場に、たまたまいた男女二人が、瀕死の科学者から薬をもらい、逃げるようにその場を離れます。薬を飲んだ二人の男女は、翌朝、出勤途中で、雑踏の中、異様な風貌の異星人が地球人に紛れ込んでいるのを目の当たりにして、警察署に行くのですが、警官の中にも異星人が紛れ込んでいるのに気がつきます。
 なんとかして、警察署に入り込み、見たことを刑事に話すのですが、
「薬の副作用で幻覚を見ているのだ」
 と、諭されるのです。
 そして、二人の男女は、警察署を後にするのですが、窓辺から二人を見下ろす異星人がいて、
「副作用の話、二人は信じたでしょうか? 殺しますか?」
「ハハハーッ。二人は信じたいんだよ。地球人は、自分にとって都合のよい信じたいものしか信じない。それが嘘の情報であっても。だから、侵略されるんだよ」
 で、ストーリーが終わります。

 こんなストーリーを考えていたのですが、当時は、荒唐無稽で話がアイロニーすぎて、ペン入れする気が起きませんでした。
 ところが、今回の侵略戦争で、為政者の思うままになっている市民の映像を見ると、アイロニーではなく真実であることを実感してしまう。いまだにペン入れするかどうか迷っています。

マンガだけに集中した生活ができたら!! 夢はいつか現実しますか? 私はあなたに何をバトンタッチできるでしょうか。