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20歳になった八宮めぐるとお酒を飲んだ話をしよう

八宮めぐると出会って4年半以上過ぎた。
 この4年半というのも長いようでとても短い時だった。1年目の最初はイルミネーションスターズのメンバーの顔合わせで真乃・灯織とも持ち前の明るさとコミュニケーション能力を発揮し、上手く纏まりあいながら、並行してW.I.N.G.を目指す。無事に優勝できいいスタートをきった。イルミネのユニットの仕事もめぐるのソロでのお仕事も増えていき、2年目には283事務所のファン感謝祭を開催し、事務所内でもユニット間でより高く仲間でありライバルであるとお互いを意識しあえた。その中でイルミネがMVPを獲れたのもどんどん彼女の知名度をあげることになった。3年目は実力者が集うG.R.A.D.。ラジオの練習やTVで旅行券を手に入れたりホットミルク貰ったりといい思い出だ。そして、4年目。イルミネ初の単独ライブが決まり、それがなんと7月の3連休の時で来る22日のめぐるの誕生日に向けたサプライズを真乃と灯織とスタッフでバレないようにするのも大変だったが、先日無事に大成功を収めた。出会った当初16歳だった彼女も今ではもう立派な20歳を過ぎ正真正銘大人の仲間入りとなった。そこからも283プロとしてフェスティバルもあったりして、最近は景色も緑色だった木々が色鮮やかに変わり始めて寒さも深まってきていた。その頃が丁度仕事にも一区切りがつき、久々にまとまった休日をめぐるを始めイルミネ全員が取れることに。そんな時ふとめぐるから急に

私プロデューサーとお酒を飲んでみたい!初めてのお酒はプロデューサーと一緒が良いけど・・・だめかな・・・?

 と最初は元気よく言っていたものが少しずつシュンとなって子供がおねだりすように尋ねられた。俺もここの所は接待でお酒を飲む機会はあるのだが、お酒を楽しむことがあまりなかったから特に否定はしなかった。お店を選ぼうとしたとき、最初はそこら辺の居酒屋にでもしようと思ったが仮にもトップアイドルのめぐるが居酒屋に出没したら一緒にいるお客様(ファン)も驚きお店にも迷惑をかけてしまう可能性もあるだろう。仮に個室のところでも店の入口でばったりファンにバレる可能性も0ではないので、居酒屋チェーンや個人営業店は条件から外した。
 とは言っても接待でお世話になっているちょっとお高い所だと当然経費ではなく個人の支払いになる。勿論俺が全て払うつもりなのだが、そうするとめぐるの優しい性格からすると「私が誘ったのだから」と言っても必ず彼女も払おうとするはずだ。誰が払うかという話はしたくないし初めての席では年長者としてなるべく俺が払いたいのでこのようなお高いお店も条件から外した。
 そうこうお店を選びに苦戦しながら仕事をしていると、灯織から今度イルミネの皆で初単独ユニットライブのお疲れ様会をしに行くと報告があった。日程を聞くと丁度イルミネの休日が始まる前日。しかも思ったより早い時間帯からだった。早い時間であれば平日ということもありお店もまだ空いていると思うので、そこで俺はいろんな条件(隠れ家・個室・雰囲気・値段・場所・お酒を楽しめる)で一番良いだろうお店を再度探し出した。ありがたいことに事務所から徒歩15分と割と近くにあるBARを見つけた。ここのBARは所謂ダイニングバーではなくオーセンティックバー形式なのだが店員さんも若い方が多く、育てるということでお値段も抑えられ、更にお酒を中心に軽食が出される。また座ったら区切り版を両端につけるということで周りの顔も気にしなくて済むということで女性も一人で入りお酒を楽しめると評価良くここに決めた。めぐるにも連絡しイルミネと別れたあとに事務所に集合することとなった。めぐるが来るまでになるべく仕事を片付けないとと思い集中しているといつの間にか夕方になり携帯にめぐるから連絡が入った。
社長に今日の業務の報告を行い、めぐると合流した。

「すまんな、少し待たせてしまった」
「ううん、そんなに待ってないよ。じゃあ行こうかプロデューサー!」

 その後歩いている時は特に会話もなく、まぁ声にも特徴があるめぐるが話していたらおそらく変装していてもバレる可能性があるから極力話さないようにしているのだが。
 そうこうしているとようやく目的地にたどり着いた。中を開けるとまだ他のお客はいないようだ。まぁまだ平日の18時過ぎだしな。沢山いたらいたで困るのだが。中もお店の手前側は明るい光で奥に行くにつれ徐々に光が弱まっている。カウンター席も15席はあるし後ろにはボックス席も3つあった。また金魚やメダカの水槽もあり事前に調べたつもりだが思っていたよりいい雰囲気なきがした。
「18時に予約していたのですが・・・」と伝え奥のカウンター席を案内された。俺の右側、左側に座っためぐるの左側に仕切り板を置かれめぐるも帽子とサングラス、マスクを取り背伸びをしながら

「う~ん!!やっぱりひそひそするのは疲れるよ~。」
「はは、しかもさっきまで食事会してたんだろ?それも疲れてないのか?」
「そんなことないよ!むしろ2人といると楽しくてリフレッシュできた!」
そんあ解答を聞きながら俺もネクタイを緩め早速注文をし始めた。
「すみません、私はジントニックを。彼女は今日初めてお酒を飲むのでお酒の種類を楽しめるようにショートで出していただきたい。苦手なフルーツはなく彼女は食後あとになります」
「かしこまりました。それでは先ず年齢確認をよろしいでしょうか?」

とめぐるの年齢を確認し、少し驚いた顔をしたが直ぐに平常心へ。そのままめぐるへ

「お客様。炭酸系も大丈夫ですか」
「はい!大丈夫です」
「かしこまりました。それでは用意いたしますので少々お待ちを」
「プロデューサー、なんか慣れてるね」
「そんなことないぞ。俺もBARなんて滅多に入らないし」

むしろ最初から状況を説明したほうがいろいろ向こうも考えて出してくれると信じているしな。それがBARじゃないのか?・・・違う?
めぐるから今日の食事会の話しを聞いているとお酒がやってきた。

「お待たせしました。こちらジントニックとイーグルレア10年のソーダ割りとなります」

イーグルレア


なんかいきなりとんでもないお酒がでてきたような気がするぞ

「説明させていただきますとこちらはアメリカ産のお酒バーボンウイスキーとなります。ほんのり甘くてまろやか、そしてスッキリと飲みやすいモノです」
「でも確かこのお酒の度数は高かったような気がしたのですが……」
「はい。確かに度数は45%で一般的なウイスキーより高いですが、そこはしっかりと飲みやすいようにソーダ割りをさせていただいております。45%は度数が高い分メリットとしてもその方に合ったいろんな飲み方が出来るも魅力の一つです。これをお飲みになられて感想聞かせて貰えれば今後のお酒を出させていただく参考にさせていただきます。勿論飲めなそうであればそのままお返しいただいても大丈夫ですよ」
「めぐる、どうする?」
「折角出してもらったんだもん!いただくよ!」

と手に持ち、意を決したように目をぎゅっと閉じて口に近づけた。そして目を見開き一口飲み終わった後更にもう一口飲み

「美味しい!これ美味しいです!」

…………そうか。飲めたか。それを確認した店員さんはそのまま奥に下がっていった。俺も一口ジントニックを飲んだのだがこれも美味しい。なるほど、ジントニックがそのお店の善し悪しを決めるというのだがなかなかの腕だな。若者を育てるお店とあるのに、さっきの人も若いのに中々のレベルだな。と考えているといつの間にかめぐるのグラスの中身がなくなっていた。…………ん?空いているだと!?

「めぐるもう飲み終わったのか?」
「うん!とっても美味しくて一気に飲んじゃったよ」
「はは、美味しくても一気に飲むとすぐに酔うぞ。お酒は飲むこともそうだが、その場の雰囲気や話しをしながら飲むほうがいいぞ」

と店員さんに軽食とめぐるの次のお酒を頼みしばし団欒することができた。
その後もめぐるは出てくるお酒を飲みながら真乃と灯織の話しにこれまで過ごしてきたことやイベントの話しなどに華を咲かせた。めぐるは本当に2人のこと好きだよなと改めて感じた。
 いつの間にかもう1時間以上経っていて、めぐるの頬もほんの少し赤くなっている。今まで見てきた元気の塊でとびっきりの笑顔が魅力のめぐるが今は大人っぽい表情でお酒を飲んでいて少し戸惑う感覚も覚えているとめぐるがお手洗いに一旦席を外した。チャンスと思い店員さんを呼び、携帯を見せながら訪ねた。

「すみません、こういうのってありますか?」
「・・・ええ!準備できますよ。ふふ、失礼ながらどうしてもこの距離感ですのでお二人のお話しは聞こえてくるのですが、それは彼女も喜ばれるのではないですかね」

少しこっ恥ずかしくなって後ろ髪を掻きながら

「キザりすぎですかね?」
「いい感じで盛り上がっているのとお酒の場ですし、そのくらいしていたほうが喜ばれるのではないでしょうか?」

今度は完全に恥ずかしくなり出されているマンハッタンをグイっと口に運んだ。

そしてめぐるが帰ってきてもしかして酔ったかと聞いたがそんなことはないよー。まだまだいけるよ!ということで注文していたモノが無駄になることはなさそうだ。そしてタイミングよく店員さんがやってきて、めぐるに対し

「お待たせいたしました。こちらはお連れ様からでございます」

と合計4つのショートグラスを出してきた。ショートグラスには見た目がそれぞれ白、赤、青、黄色ととても色鮮やかである。

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「こちらのお酒はキュラソーというお酒で作っています。リキュールというお酒の部類であり、数多くの種類がある果実系リキュールを代表するものとして、世界中幅広い分野で高い人気を誇っているお酒です」

めぐるがキョトンとした顔でこちらをチラッと見たが店員が説明をそのまま続ける。

「右から順番に先ずはホワイトキュラソー。軽い飲み口が特徴で、さわやかな甘みと心地よい風味を楽しめるモノとなります」
「続いてがレッドキュラソー。情熱のリキュールともいわれるほどの鮮やかな赤色が特徴のお酒です。甘みの強いカクテルの味のアクセントに使われることが多く、女性からも人気のキュラソーとなります」
「次にブルーキュラソー。、鮮やかな青色が涼しげな印象を受けるお酒で、色のイメージ通り、オレンジの酸味がさわやかな味わいが特徴であり、カクテルの色づけとして人気があるお酒です」
「最後にオレンジキュラソー。見た目の通り濃いオレンジ色が特徴です。ホワイトキュラソーに比べて香りや甘みが強く、世界中のプロバーテンダーやパティシエから愛されているモノです」

キョトンとしていた顔がいつの間にか目がキラキラと輝いて驚いた顔でこちらを見ている。

「まぁ・・・折角の初めてのお酒の席だし少しは思い出になるものをと考えていたんだ。同じ種類のお酒でもこんなに味も色も違うものがあるって知ってほしいと思ってな。283のメインカラーの白色。そしてイルミネーションスターズの3人を彷彿する色合い。283の土台はプロデューサーである俺がしっかりと作ってやる。そこからそれぞれの持ち味を大いに出していけば今のこのお酒の並びみたく綺麗な形になるのじゃないかと思っている。・・・俺はこのホワイトキュラソーを頂くよ。283プロのプロデューサーとしてめぐるを始めまだまだ君たち皆の翼を大きくしてもっと羽ばたかせたいという意を込めて、白色は他の色と混ぜて何色にも変化できる。まさしく土台である俺が飲むお酒かな」

ホワイトキュラソーが入ったグラスを持って

「いただきます」

と飲み干した。オレンジ風味を感じる美味しいお酒だ。と思っているとさっきからめぐるがそういえば一言も発してないことを思い出し、やっぱりキザっぽくて引かれたかなと思ったがめぐるは携帯でパシャと撮って満足げな顔でこちらににこっと笑顔を見せてきた。

「えへへ~。プロデューサー本当にありがとう。こんな形で私たちイルミネを出してくるなんて嬉しくてとっっっっても嬉しい!」

そう言いながら先ずはレッドキュラソーを唇に触れる程度に傾け少しずつ味わい、その後ぐいっと愛おしいそうに飲む。

「最初の頃は真乃も遠慮がちで灯織も自分にも他人も厳しくして、中々ユニットが纏まらない部分もあって不安な部分もあったけど、一緒に過ごしていると実は3人ともアイスクリームが好きだったりとか、2人とも料理がすっごく上手いとか、私が2人を知れば知れるほど2人も私を知ってくれて、それがすっごく嬉しくて」

そこまで言い続いてはブルーキュラソーをいつも飲んでいるかのように躊躇いもなく口に運んでいきまさしくこれだという頷きを一つ。

「いつの間にかこんなにも忙しくて毎日がキラキラして過ごせるなんて本当に夢のようだよ!小学生の私に今の現状を話しても信じないだろうなぁ~。あの頃は人との接し方が本当に分からなかったから・・・」

イエローキュラソーを少し懐かしむような憐れむような表情で見つめている。

「前にも話したけどあの娘が応募してくれなかったら今この場でプロデューサーとお酒を飲むこともなかったんだよね・・・」
「そういえばその娘とはまだ連絡とっているのか?」
「うーん…向こうも忙しくて中々会えないという状況かな。私は会いたいのに中々向こうがうんと出してくれなくてね…絶賛バトル中だよ」

とそこでぐいっとイエローキュラソーも飲み干しためぐる。

「ぜっっっったいいつか会ってやるんだから」

眼をギラギラして新たに決意をしためぐるだった。こうなっためぐるは手ごわいだろうしその娘もご愁傷様だな。まぁ良い意味でのご愁傷になりそうだが。めぐるは空になったグラスを並ばせ両手を合わせて

「素敵なお品でした。ご馳走様でした」

 そうこうしているとお客さんもそこそこ入ってくるので会計を済まし(めぐるが何か言ってくることもなくそのまま俺が出すことに成功した)、めぐるがコンビニに行きたいということでコンビニに寄った。俺はいつものごとくコーヒーにしようと思い、お酒で火照った身体が夜の寒さで冷やされ少し寒かったのでホットコーヒーを探していたが・・・無かった。マジかよ。仕方なく俺はホットココアを購入しようとしたらめぐるもホットココアに手を伸ばしている所で何故かめぐるが変装越しでも分かるぐらい嬉しそうに微笑んだ…気がする。

「プロデューサーコーヒーじゃないの?」
「それが品切れでさ、少し寒いからホットココアにしようかと思ったんだ」
「プロデューサーそれ飲むっていうより温める用に買うんでしょー」
「おぉー。よくわかったな!」

めぐるは今度はにししと笑うのが分かるくらい笑顔で、私が奢るよというとそのままレジに支払いをし始めた。その後は何故か近くにあるコンビニにも寄りたいということでそれも付き合い、今度は缶コーヒーもあったのだが、それもめぐるが俺の分を取ってコンビニを後にした。
 住宅街のちょっとした公園に行きそこでめぐるからホットココアを先ず渡された。めぐるもサングラスを外し、マスクも下に下げ自身のココアを開けふーっ、ふーっと一口飲む姿を見ると俺の脳裏にあるシーンが思い浮かんだ。

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「めぐる。以前もこういうことなかったか?」
「そうだよプロデューサー!えへへ~。思い出した?」

そういわれるとあの時は確か仲間内で久々あってお酒を飲んだとに寄ったコンビニで缶コーヒーがなかったからココアを買ったらめぐるがいたんだったな!

「あぁ思い出したぞ!あの時は寒いのにアイスを買っていたんだよな」
「ちーがーいーまーすー!あの時はおつかいで買い物していてその余ったお駄賃でアイスを買ってたときですよーだ。趣旨が違ってる!」
「そうか、それはすまなかった。・・・でもよくあの頃のパット思い出させたな」
「うん!あの時のことは鮮明に覚えているよ。その日のプロデューサーはいつものスーツではなくて私服だったから余計にね!」
「あの時も確か缶コーヒーがなくてホットココアを……あぁ、だからさっき俺がココアを取ろうとして笑ってたのか、あの時と一緒だから」
「うん!良かった~プロデューサーも覚えてくれていて」

とそこから当時の宿題の量が~とか、部活の話しをしてめぐるが飲み終わると続けてコーヒーを俺に渡してきた。そしてめぐるもコーヒーを開ける。俺も開けていないホットココアを持ちながらコーヒーを開けてグビっと飲んだ。めぐるは少ししかめっ面をしている。

「そういえばめぐるがコーヒーって珍しいな。飲めるようになったのか?」
「うーうん。お酒が飲めたから私もコーヒー飲めるかな~と思って挑戦したけど…だめだったみたい」とベーと舌をだしている。
「ははは、そうか、お酒はあんなに強いと分かったのにまだブラックはだめだったみたいだな」
「そうみたい・・・でも、前に飲んだ時ほどではない気がする。これも大人になったってことなのかな~」
「・・・めぐる、さっきは言う機会逃したが、こういう話をしたのも覚えているか?大人になるってことはみんなと会う機会も減っていくという話し」

少しポンポンポンと考えだし、チーン

「うーん…正直覚えていないかも」

残念。俺はこっちのほうがよく覚えている。

「その時はめぐるは大人になるってどんな感じか悩んでいたけどさ、その時は俺は大人になって友人たちと再会した時に『今こういうことをしているんだ』『今の夢はこれなんだ』『昔はこうだったよなー』という話が盛り上がると伝えてもめぐるは大人を想像できない、分からないって言ったんだぞ?それがどうだ?今日大人になった証でもあるお酒を飲んでいる時はこれからのこと、これまでのこと、応募してくれた娘のこと、めぐるがしたい新しいことを語っていたこと、俺が言った事を今日していたんだ。めぐるも立派な大人になったと感激したんだぞ。そのあとめぐるは『新しいことをたくさん始めていくと今が未来になるんだ』とも言ってた。20歳になったからこそ始められることも沢山あるし、大人の第一歩として今日踏み込んだのを近くで観れて俺は嬉しかった。いずれはそのコーヒーの苦さも美味しく感じる時も来るだろうさ。その時は俺のお気に入りのコーヒーを出すお店に連れていくよ」

とぱぁぁ!っと嬉しそうな表情をしたのだが、それは一瞬だった。

「全然自覚ないけど、本当に大人になったのかな?」
「そればっかりは人それぞれだな。俺もこの仕事を始めて生活に慣れたと思ったらもうすっかり30代に突入しようとしているし、立派な大人かと自問自答したらそれは違うとはっきりと言えるしな。でも俺はめぐるはもう立派な大人だよ」
「・・・そっか」

めぐるはまだ納得していない感はあるが、これは誰だって通る道だろう。こんな立派な大人になっていたいと思ってそうなっている人は世界でどれだけいるのだろうか。

「自分でもわからなくても周りの目から見たら大人ってのはそういうものだ。・・・俺からは以上だな。大人ってのは分からないと曖昧な結論で申し訳ないが」
「うん、わかった。もう少し考えて私なりの大人ってのを見つけてもっともっと立派な大人になるから、またコーヒーをプロデューサーが連れて行ってくれるのを待っているから・・・プロデューサーが今日の私よりももっと大人の女性と感じたら誘ってほしいな」
「あぁ、そんなに時間がかからなそうだな。・・・さ、折角の明日からの休日なんだ。明日真乃と灯織で奥多摩に行くのだろう?早めに休んで明日支障がないようにしないとな」

本当に3人は仲が良いな。休みなのに一緒にハイキング行くとめぐるから聞いた時は驚いた。

「うん!改めてプロデューサー、今日は付き合ってくれてありがとう!忘れられない夜になったよ!それじゃあ、ばいばいプロデューサー」

少し大人っぽい表情から最後は今までと変わらない明るく天真爛漫な笑顔をし帰路につくのだった。俺も久々に早く家に帰りつき今日はゆっくり休めることができた。

 後日、283の皆だけが入っているグループラインでめぐるが先日のお酒の写真と『初めて大人の夜というのをプロデューサーにエスコートしてもらったんだ!』という発言をしたらしく(にちかを通して知ったはづきさんから聞いた)最初は何も知らない中で千雪とはづきさんと冬優子、夏葉からは説教(大人の夜というワードを特に洗いざらい吐けと)を何故か受け、ノクチルメンバーもお酒が連れていけ(最初は透からだったが、雛菜も加わり、円香や小糸も最終的に加わり)や凛世と甘奈と恋鐘は何故か拗ねて宥めることになり、咲耶と麻美々と灯織とにちかはしばらく口を聞いてくれなく、真乃と霧子と結華と樹里と智代子と甜花と愛依は何故か遠慮がちになっているし、違う意味でドタバタする日が続き、果穂とあさひと美琴はいつも通りで暫く3人が心の癒しになったのはまた別のお話し。
 これが俺が20歳になった八宮めぐるとお酒を飲み、大人としてのこれからをめぐると話した出来事である。



 今回はハバネロP様主催の第4回シャニマス投稿祭に向けた投稿となります。前回同様書かせていただきました!ここまで読んでくださり誠にありがとうございました!

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