【創作】ジンチカ短編
また、お母さまに怒られた。
私は自室のベランダから夜空を見上げる。少し冷たい夜の風が私の髪を撫でていく。
お母さまはいつも、婚前の、婚約者がいる女子は婚約者以外の男性と仲良くしたり、無闇に話してはいけない、と言う。
私は最近、その言いつけを破って仲良くしている一人の男性がいる。その男性は、いつもぶっきらぼうなのにどこか憎めなくて、言葉遣いは悪いのに態度にはいつも優しさがにじみでている、とても素敵な人。
こんな綺麗に星空が見える夜には、彼は闇に紛れて空を飛び、夜の街を散策して