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#013 オーディション 服装のチョイス by Ko Iwagami

割引あり



🦖岩上紘一郎 / Ko Iwagami - Casting Director
Casting Society of America (全米キャスティング協会正式会員)
・2024 D&AD Award Casting Category審査員
幼少期からハリウッド映画に憧れ、中学卒業後、単身で渡米。 高校卒業後、デュー・デート』『アベンジャーズ』『ウルヴァリン:SAMURAI』などの制作に携わる。世界の舞台に日本人を輩出することを使命とし2015年に株式会社カイジュウを設立。
東京とロサンゼルスを拠点に、大手企業のグローバル広告、グラミー賞受賞アーティストのMV、全世界人気リアリティー番組、数々のテレビドラマや劇場公開映画のキャスティングを手がけるなど、活躍の場は多岐にわたる。「The Hollywood Reporter」「The Japan Times」は「既存の枠組みを超える世界との架け橋」と評した。2022年よりAmazon Studiosにて「Head of Casting Japan」として就任し、Prime Vidoeオリジナルコンテンツのキャスティングの総括に当たる。
代表作:「全裸監督シーズン2」(Netflix)、「TOKYO VICE」(HBO Max / WOWOW)、「PACHINKO」(Apple TV+)、「コットンテール」(日英合作映画)、「バチェラー/バチェロレッテシリーズ」 (Amazon Prime)など。

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「服に着られる」のはやめよう

キャスティングから、オーディション参加/セルフテープ撮影の際の服装指示として「役のイメージに合わせた服装で」と言われた場合、結局のところ何を着れば正解なのだろうか?

逆に絶対に避けてほしいのが「服に着られてしまっている」パターン。つまり、役設定を意識しすぎて、かなり無理をしてスタイリングしてしまっているケース。それをしてしまうと、あなたと役の間に違和感が生まれて、単純に見る側の気が散ってしまい、お芝居に集中できなくなってしまう。そして、良い意味でも悪い意味でも、服装の印象がついてしまい、拭い去れない。

服装は「演技モード」のスイッチ

役設定に合った服装は、俳優が演技モードになるために、肉体的にも感情的にも影響を与えることができ、それは見る側においても同じ。ビジュアルから受ける印象は非常に大きいため、慎重かつシンプルに選択してほしい。極端な例だが(でも結構いる)、刑事が容疑者をゴン詰めするシーンなのに、タンクトップ&ビーサンで来られてしまったら、そこには相反するビジュアルが存在してしまい、演技に集中できない。それどころか「この役の役割やシーンを本当に理解できてるのかな?」と不安になる。

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