私のテレビは映らない

 壊れているのではなく、アナログのままで、デジタル化していないのだ。
 確か、アナログが停波したのは2011年だった。その年の3月に東日本大震災があり、世の中は大混乱し、エネルギーが不足していて、ものを大切にしろ、とか言われていたのに、まだ使えるテレビを買い替えろ、というのはおかしいと思った。

 状況が変わっているのに、一度決まったことだからと、押し通すのはおかしいと思う。
 太平洋戦争だってそうだ。百歩譲って、開戦したのは やむを得なかったとしても、途中で引き返すことは、いくらだってできたはずなのに。
 昔のことだけでなく、今もそうだ。マイナンバー化に伴う保険証の廃止も、オリンピックも万博も、強引に押し進めようとしている。

 間違った、あるいは、やってみたら見込みと違っていた、ということは、いくらでもある。
 そのとき、せっかくここまで来たのに、とか言わずに、すぐに引き返せばいいのに。あるいは、別の道を行くなり、立ち止まるなりすればいいのに。
 でも、どうせ私の言い分なんか、聞いてもらえない、と思うと、無力感が募る。

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