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クロネコヤマトの歴史と経営術

「クロネコヤマト」

と聞いたら、パッとトラックの画が思い浮かぶ人は多いのではないでしょうか。
でも、戦後の個人宅配をやる以前、長距離トラックのクロネコヤマトを知る人は少ないのではないでしょうか。

今日は、クロネコヤマトが戦後の長距離トラック市場から個人間の宅配市場に移り変わるまでの歴史と、そこから学ぶべきことをお伝えしようと思います。

まずはじめに、クロネコヤマトを一言で表すと
「サービスが先、利益は後」です。

この真相は、本文を読めば分かるはずです。

では、まず今のクロネコヤマトになる前の戦後から見ていきましょう。
戦後に、長距離輸送市場に大きな変化が現れました。
長距離=鉄道という概念から
長距離=トラックへと移り変わったのです。

理由は、大きく分けて3つあります。
1つは、道路が改良されたことです。
2つ目は、トラックの質が向上したこと。
3つ目は、消費製造業の経済復興です。
(関西→東京への輸送需要がUP)

戦後の経済成長により、長距離輸送市場も大きく動いたのです。
さらに、鉄道輸送には大きなデメリットがありました。
レールの上では、時速70kmと高速で走れる鉄道でしたが、貨物駅を出るまでの連結などに時間が取られてしまうのです(二時間ほど)

そんな中、クロネコヤマトはというと
関東一円のローカルに閉じこもっていたのです。

戦前は、ローカルに徹していたから成功していたものの、時代が変わるとなると、そうはいきませんでした。
長距離市場がぐんぐんと勢いをます中、ヤマトは約5年もの遅れをとり市場に参入を果たしました。

既に市場は、シェアが伸びている3社とそうでない「その他」に別れていました。
「同じことをやっていては、到底追いつけない状況」です。

そこで、「労働生産性を高める」ことに注目をし戦術を立てていきます。
なぜ、労働生産性なのか。
ヒントはアメリカにありました。戦後のアメリカは、高賃金かつ一家に車一台と経済が成長していました。
その秘訣にあったのが、「労働における生産性が高い」ということなのです。
では、どうしたら生産性が高まるのだろうか。
2つの戦略を立てました。
1つが、
運行車両を大型化することです。
今まで最大8トンだったトラックを大型トラックの禁止をし
12トンのトレーラーの購入へと切り替えたのです。

2つ目は、ロールボックス・パレットという方式を採用したことです。
荷物の積み下ろしに2時間かかるという課題があった輸送市場でしたが、
車輪が付いた箱型の荷物に切り替えることで2時間を5分に抑えたのです。

こういった戦術により遅れを取り戻していくヤマトでしたが、
途中で伸び悩んでしまいます。理由としは、多角化していたことです。

ヤマトは、戦後の5年の乗り遅れを取り戻そうと「多角化」を目指した。デパート、航空、船舶と広げました。
しかし、どれも半端でうまくいくものはなかったのです。

そんな中で、吉野家の記事の「牛丼ひとすじ」という言葉と出会います。
そこで気づいたのです。
我々も、多角化するのでなく1つのものに特化するべきだと。

当時の宅急便市場は、同業者の参入はなくブルーオーシャンだった。
戦前No.1だった大和運輸を復活させるべく起業家魂をもち参入するのです。

そこでも、「サービスが先、利益はその後」を掲げます。
その中で仕掛けた2つのサービスを紹介します。

1つ目のサービスが、ハブアンドポークシステムと呼ばれるものです。
例えば、あなたがアメリカの地方に行くとするとします。その時、まず日本の主要空港の成田や羽田に行くでしょう。そして、そこからアメリカに飛び、アメリカの主要空港に着いたら地方都市に向かう便に乗り換えるでしょう。
これがまさにハブ・アンド・スポークシステムです。
運送業界でみると、名古屋、東京、大阪などの主要都市にセンターと呼ばれる本部を置きます。そして、そこから

2つ目のサービスが、運送を商品化するということです。実は、クロネコヤマトはJALの旅行代理店をしていたという歴史があります。

当時、JALは「旅行」という概念を生み出した第一人者です。その時、JALが行ったのがまさに商品化です。チケット購入、ホテル、料理、市内観光なと旅行における一連の流れを全て請け負い商品、パックとして販売しました。クロネコヤマトはこれを宅急便業界に置き換えようと試みました。
実際に家庭の主婦をターゲットにどうしたら喜ぶかを考え抜いて出来たパッケージはというと、
・「集荷」
・「翌日配達」
・「ニ便性」
の一連の流れです。

当時、これは手間やコストがかかると言われ避けられてきました。しかし、サービスが先、利益はその後を掲げるヤマトは違いました。JALが旅行を商品化したという成功例から、宅急便を商品化しました。

宅急便業界を築き上げTOPを走り抜いているクロネコヤマトの戦術はいかがでしたか。
自分自身、クロネコヤマトから学んだ教訓が2つあります。

1つが、サービス、概念を真似すること。
2つ目が他の人が嫌がる面倒くさいことをやるということ。

自分の人生において大きな学びとなりました。
そんな、クロネコヤマトについて書かれた本がこちら、小倉昌男さん著書である「経営学」です。

経営者やビジネスマンに置いては、非常に学びが多い一冊となっているので気になる方は、是非チェックして見てください。

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