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大忘年会ミーティング

概要

日時:2021年12月30日14:50〜16:00 
「開拓の壁」協賛イベント「大忘年会」中に開催
参加者:大忘年会参加者:非開拓クライマー9名/開拓経験者10名
       大忘年会実行委員会:2名+MC1名

三重県紀南地方の非公開エリアで実施された、「大忘年会」というクライミングイベントに参加頂いた、非開拓クライマーと開拓クライマーの意見交換を目的に、テーマに沿いつつミーティングを行いました。参加者の方に許可を頂けましたので、ミーティングの内容を掲載します。

※非開拓クライマーを「A、B、C…」、開拓クライマーを「ア、イ、ウ…」と記載します。
また、繊細な内容も含まれていますので、ミーティング内容の全てを記載はしておりません。ご理解ご了承ください。

テーマ:『公開エリアと非公開エリアについて』

MC:僕たちが活動している「開拓の壁」というプロジェクトがあるのですが、そこでテーマに上がった「公開エリアと非公開エリア」について、皆さんのご意見を聞かせて貰きたく、テーマにしました。公開と非公開エリアについて感じることを聞かせてください。

ア:よくあることで「非公開エリアはトポなどの情報公開しないのですか?」と言う様に、情報を独占している様に言われてしまうことがあるのですが、全部情報公開して欲しいですか? 情報公開しないのは「ズルい」と感じますか?
A:問題が発生しないなら、出来れば情報発信して欲しいです。
ウ:その岩場の情報公開が無ければ、その岩場(課題)は死んで(自然に還って)しまうものね…。
イ:問題を発生せず、岩場を存続させるためには、地権者さんに許可を頂くことや、マナー、場合によってルールを守ることは必要ですが、逆にマナーやルールの情報発信方法に問題がありますか?
B:トポが紙媒体(手書き等の簡単なもの)で、課題とマナーの掲載ページが違うと、課題のページだけがコピーされ、子トポ、孫トポとルールやマナーが伝わっていかないかもしれませんね。
ウ:打開策に課題の写真の上にでも、ルール書いちゃいます?(笑)
全員:(笑)
C:今回は非公開エリアで登りましたが、このエリアは公開しますか?
ア:しないと言うか、情報公開出来ません。イさんも言っていたように、公開するためには地権者さんに許可を頂いて、トポなど情報発信を行って、また行政にご協力頂いて…等々、とても大きい労力が必要で辛いんですよ。(苦笑)
ウ:昔は基本的に地権者さんに許可を取らずに登っていましたが、なんか悪いことをしている認識はありましたね。
エ:私は岩でのクライミングは白か黒かと言うと、黒に近いグレーだと考えているので、その辺りの認識を持ちつつ行動することが大切だと思っています。
ア:特に山中の岩場だと、土地の境界が入り組んでいることが多く、地権者さん全員を探すのは特に大変ですね。
オ:探すのも大変ですが、地権者さんの許可を頂くのも大変で、ある山のエリアで苦労して地権者さんを全員調べた上で、皆さんにお願いに伺ったのですが、許可を頂けなかった場所もありました。
C:今日の非公開エリアに、今後来ても良いのですか?
ア:もしこの岩場で登りたければ、私に連絡ください。基本としては自己責任を理解頂いた上で、僕もご一緒させてもらえればOKです。
D:たまたま一般のクライマーがこの岩場を見つけて、先ほど教えて頂いた様な地権者さんへの許可や問題発生などのリスクを考慮せずに、この岩場で登って、SNS等で情報を上げた場合はどうですか?
ア:そういった情報を止めることは出来ないのでどうしようもないですね。その方の為にも、その行為が原因で問題が発生しないことを願います。
イ:要点としては、マナーやルールも岩場情報の一つで、地元を含めたコミュニケーションが大切ってことですね。
一同:(笑顔)

テーマ『トポに求めるもの』

MC:皆さんはトポに何を求めていますか?トポに求めるものを自由に上げてみてください。

A:岩場の近くの食事や温泉、トイレなど、周辺情報を載せて欲しいです。岩場のある場所は田舎も多いので、帰りの夕飯の情報とかってあると嬉しいです。
イ:トポの大きさってどのサイズが良いですか?
C:紙媒体ならA5など持ち運びやすいサイズがいいです。
A:古いトポを持っていたのですが、その情報を信じたせいで、アプローチや課題など間違えたことがありました。後で聞いたところ、状況が変わっていたらしいです。
エ:その点、トポアプリなどは、情報が都度更新されているので便利ですよね。
E:個人的にトポに掲載されているコラムを読むのも楽しいです。
F:黒潮、仁淀川などトポにある文章も楽しかったです。海外のトポには環境についてまで書いてあるものもあるよね。
オ:岩場を維持継続できるようにするためにも一番読んで欲しい部分は、注意事項ですが、読み直しとかあまりしませんね。
C:えっ、トポに注意事項が載ってるんですか? 課題のところしか見ていませんでした。(汗)
MC:そうゆう方も大なり小なりいらっしゃるのかもしれませんね。(苦笑)
C:トポの価格が高いと思います。 例えば、初版を持っていて、更新版を購入するときには、旧版のトポを下取りとかして割引して欲しいです。(笑)
A:逆に安すぎるトポもありますね(ウの方を見て)?
ウ:あれは初回清掃に来て下さったクライマーさん達へのお礼として作成したので、できればプレゼントとしたかったのですが、自費作成なので難しかったのが本音です。(苦笑)
イ:トポを作るための素材(写真等)準備だけで大変だったですけどね(遠い目…)。
F:トポって言っても、色んなフォーマットのものがありますよね。岩の場所を示す程度のものであったり、課題名とグレード以外にスタートホールドも載っているトポであったり…。課題の情報が少ないと、完登してSNSに上げた後に、スタートが間違っているとか、ラインが間違っているとか、連絡を頂くのですが、そんなことにならないように、明確な情報をトポに記載して欲しいです。
オ:昔はトポに載っている岩を楽しんでいた感じで、既成課題のスタート位置やラインに、そこまで拘ってなかったですが、今はそこにこだわる人が増えてきたので、提供する情報に求められるもの変わってきたのかもしれませんね。


テーマ『初登について』

MC:「初登」ってどうですか?どんな面からのアプローチでも良いのでご意見ありますか?

A:既存課題とスタートが半手違う課題は、「新課題」で、それを「初登した」と言えますか?
イ:言えないと思うけど、単に「新しい課題を初登した。」言ってみたい人は、ソコソコいるかも(笑)
ウ:半手違いを新課題と言った人には、「おぉー、半手頑張ったね。でもセンスって知ってますか?」と聞きたくなる私は悪い人?(笑)
エ:そこについては、その岩場や課題の発表者の考えやスタンスに寄るかもしれませんね。
MC:たまに課題名が無いものがありますがどう思いますか?
エ:僕は付けます。
ウ:私は、自分しか知らない岩場や岩だと課題名は付けない場合があります。
C:今日とかもそうですが非公開エリアって、SNS等にどこまで情報を出していいんですか?
ア:僕の個人的な意見ですが、その非公開エリアに到着出来ない程度の情報であれが、出してもらってもいいですけど。
C:写真からしてかっこいい課題や、高グレードな課題とかだと、その課題を登りたいと思った人から、SNS等を通じて連絡が来た場合はどうすれば良いですか?
ア:例えばこの非公開エリアの課題であれば、Cさんがその方と私を繋いで頂ければ、私がその方とコミュニケーションを取って、一緒に登りに来たりするなどします。全く面識のない方に非公開エリアの場所や課題だけ連絡することはしません。
オ:最近は、写真や動画にGPS情報が載っている場合が出てきたので、現段階で明確な答えは出せませんが、情報化社会における課題の一つかもしれませんね。
C:私は何もかも出していいとは考えていませんが、そこまで気にしたことがありませんでした。
F:ちなみに遠征等で来た人が、そのエリアの開拓者や管理者等への確認無しに、初登したことを主張した場合はどう考えますか?
ウ:未公開や非公開エリアかつボルダーで、Closed Projectとしての権利を主張しても、公開エリアでは無いので、事前に情報を伝えるのが難しいですね。
F:とある岩場で、トポに記載の無いラインにチョークが付いていたのですが、それなら逆にClosed Projectとして、トポ等に明確に記載して欲しいんです。
ウ:Fさんの言われるように、ライン全部をトポに記載するのも難しいですし、それぞれの岩場の成り立ちやクライミングに対する考え方で、表現が違う場合があるので、一概に記載する/しないの二択で決めるのは難しい場合があると思います。
MC:非開拓クライマーの方は、初登してみたいですか? 憧れますか?
B:もちろん私は初登したいです!(満面の笑み)

大忘年会ミーティング終了後

MC:みなさん、今日は楽しかったですか?
一同:楽しかったです♪(異口同音)
MC:ホッとしました(笑)
ア:今回のようなイベントの場合、課題を示したトポを用意した方がいいですか?それとも今日みたいに岩だけ提供する方がいいですか?
C:私は外岩経験が少ないので、課題とグレードが示されている方が楽かも。
G:私がは岩がありますが好き。
E:クライマーのほとんどが非開拓クライマーなので、課題があるのが普通なのかもしれませんね。でも今日みたいな場合は、コミュニケーションのきっかけにもなるので、あえてトポが無いのもありかもしれませんね。
MC:いろいろなご意見を頂きありがとうございました!
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謝意

今回、大忘年会2021にご協力頂きました各ジム様、参加者の皆さんのおかげで、大忘年会セッション&ミーティングを開催でき、また事故やトラブル無く終了できたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。
今回も感じましたが、物事を進める、また問題を起こさない為には、コミュニケーションが大切だということです。このような場を持つことにより、多様な立場のクライマー間で交流する機会を作ることができました。ひいてはこのような機会が岩場の継続・発展に繋がるのではないかと感じました。
改めまして、ありがとうございました。

大忘年会2021実行委員会


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