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三大ギタリストという呪縛〜そして3人は残った。

この年になってもロックの中で取り憑かれている概念がある。

それが三大ロックギタリストだ。
三大ギタリストはエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック。
なんと日本がこの3人を初めて三大ギタリストと名づけたのである。
しかし本当は三大ではなく元は三代ギタリストであるという説もある。
つまりヤードバーズのリードギターに3人が歴代として務めたことにある。

私は昔はクラプトンとペイジしか知らなかった。

3人目はというとジミ・ヘンドリックスだったり、リッチー・ブラックモアとか色々言い放ってた記憶がある。
海外ではもっと話題になってなかった。
海外でも三大ギタリストといわれるようになったのは1983年のARMSコンサートからではないだろうか。
これはロニーレーンのためのチャリティーコンサートで数多くのミュージシャンが集まったのだが、目玉は三大ギタリストが初めて共演するというものであった。
チャリティーとは別にツェッペリンが活動停止になり放蕩生活を送っていたジミーペイジを表舞台に引き摺り出すという目的でもあったのだ。

ジミーペイジとジェフベックは少年時代からの友人であり、クラプトンとはヤードバーズというバンド出身というだけで面識もなかった。
ところがポリスのスティングがアムネスティ・インターナショナルに賛同し主催した1981年のシークレットポリスマンズのコンサートで初めてベックとクラプトンが共演することになる。
そしてこれが2年後ARM Sに直結する。

○シークレットポリスマンコンサートから
ジェフベック&エリッククラプトン〜ファザー・オン・ザ・アップロード

この時のクラプトンの方は体調も悪いのかどうもソロのキレも悪く、芳しくない。
一方ベックの奔放なプレイが耳に残る。

ARMSのインタビューでクラプトンは、みんなは俺たち3人のギターを観たがっていると答えている。
これは私感だが、76年以降頻繁に来日してる彼は3人の中で最も日本の事情に詳しい。
スタッフとともに観光にも出かけており、三大ギタリストのことを知り得たのではないかと思われる。

このARMSはクラプトンが力を注いでおり、終盤に3人が共演する「愛しのレイラ」と「タルサ・タイム」を提供し、ジェフベックと共に快適なプレイが見られる。
ただ残念なことにジミーペイジに関しては先程の事情から冴えがない。
しかし3人が集結し、三大ギタリストという概念を創り出した歴史的なコンサートであった。

海外でも三大ギタリストという言霊はここから始まったのではないかと思う。
80年代を代表するテクニカルギタリスト、ジョーサトリアーニが提唱するライブイベントはまさにそのままギタリスト3人が共演するもので今も継続している。

当初メインはジョーサトリアーニ、スティーブヴァイ、エリックジョンソンだった。

○G3〜レッドハウス
ジミヘンドリックスのブルースナンバーを競演。
コンサートは終盤で3人が往年のロックナンバーを演奏するのがお約束のようだ。

のちにエリックジョンソンは抜け、その穴をイングヴェイ・マルムスティーンやジョーベトルーシなど凄腕のギタリスト達が三番手を担っている。
三大ギタリストを逆手に取った形式のコンサートは斬新である。

今世紀に入りギターの位置は厳しい。
それでもギターの魅力を伝えて行こうというミュージシャンも多い。

私的にはデレクトラックス、ジョンメイヤー、ジョーボナマッサが現代の三大ギタリストではないかと感じる。
年齢は40代半ば、ブルースに大きく影響され、少年時代から頭角を現してきたところが共通している。

○デレクトラックス&ジョーボナマッサ&ZZトップ

ZZトップと演奏するデレクとジョー。

大物アーティストらも彼らのブルースセンスには一目置いている。


○ジョンメイヤー&デレクトラックス&BBキング

BBキングが主催したブルースセッション。
3人揃って演奏してるライブはどうもないようだ。


ロックに欠かせないギタリスト。
ギターヒーローはかって存在したし、今も存在すると信じて疑わない。私は今も三大ギタリストという呪縛に縛られている。








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