岸本先生、すごいぁ

岸本先生とは、岸本斉史先生のこと。『NARUTO』の作者だ。

なぜ突然こんなことを書いているのかというと、私は今、10年ぶりに『NARUTO』をイチから読み直している。

連載中はまったく気づかなかったけど、今読むとわかる。『NARUTO』はとにかく”構図”が巧くてカッコイイ。

構図とは”レイアウト”と言い換えてもいい。ここぞ!の場面で、構図の決まった一枚絵を仕上げてくれている。キャラが一番カッコよく映る、凄さが一番伝わる絵になっている。

同じ時期に流行っていた『BLEACH』と比べると、話の展開は同じくらい面白いのだけど、ポスターにして部屋に飾りたいシーンはどっちが多いのか?という視点でみると、圧倒的に『NARUTO』のほうが多い。

すごい映画っぽいシーンの切り取り方をするなぁと思っていたら、岸本先生のWikipediaにこんなことが書いてあった。

岸本先生が『NARUTO』でデビューする前。ボツが続いて自信をなくしたとき、もう一度ゼロから漫画を勉強しようと決意したときの話だ。

図書館に通い、漫画や映画制作に関する本を借りては、ストーリーの書き方や脚本のハコ書き、ミスリード、前フリのテクニック、つかみ、三幕構成、キャラクターの作り方、見せ方、役割など、基本的な用語から基礎のテクニックまでを理解するまで熟読。映画を観賞する際も、その演出や構成など参考になりそうな事柄は全て書き出し、小説などを読む際にも読者を惹きつける話の展開やひっぱり法や溜め、名詞をわざと言わない手法などを独学で身につけた。「朝起きて図書館、本屋、レンタルビデオ店、映画館を巡る。そんな生活が2年近く毎日続いた」と語っている。

マンガだけではなく、映画からも理論を学ぶ。作品を楽しんだら、何が面白かったのかを分解する。小説からも参考になりそうな技を盗む。

これを2年も続けるのは、すごい。岸本先生の愚直さ、真面目さがよく分かるエピソードだと思う。

岸本先生、すごいなぁ

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