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サヨナラを越えていけ。

車で15分ぐらいの場所にある施設に住みはじめて、1年。

特別困ることはないけど、
認知症が進行したら、ずっといれない。
今でギリギリライン。

ありがたいことに、家の近所にグループホームができて、ずっと入居待ちをしてた。立地や建物に魅力ある施設は、だいたい満床が続く。年末の時点で私の前に6人以上はいると聞いていた。

けど、どんなご縁なのか順番がまわってきて、入居できることになった。ありがたい。家の近所だから自転車でいける。歩いていけるぐらいの近さは、やっぱり助かる。

認知症は発症から10年で手に負えない状況は消えるって、本で読んだけど…うちは全く該当しない。この先、さらに10年を考えると、ちょっと私の心が持たないかもしれない。ありがたい。申し訳ないけど。

引っ越しが決まったとき、いちばん泣きそうだったのは、となりの部屋を利用している女性のひと言だった。

女性は、離島で80年以上暮らしてきた。足が不自由になって、娘さんがいるこっちに引っ越してきた。80年も暮らした島を出て、誰も知り合いがいないこの場所。「わたしは、ずっとここにいるから」と言った言葉が、辛かった。

せっかく知り合ったのに。
仲良くなったところなのに。
80歳のお別れは、本当にお別れになりそう。うちは、どんどん忘れちゃうし。
覚えて、声をかけてくれる人の温かさに支えてもらってたのに。なんだか、ごめんなさい。と思ってたら涙で視界がぼんやりした。

去年のわたしは、そこまで考えてなかった。軽すぎるほど、気軽にやってきた。
ちゃんと考えてなかったことを反省しつつ、できることを探したい。もう会えないかもしれないけど。なんとか、どうにか、考えたい。

#介護の話
#認知症介護
#引っ越し

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