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Room Mate Giulia/ミラノ

インテリアデザイナーのホテルレポートをお届けします。ミラノのホテル情報第2弾は、Room Mate Giulia。こちらは世界の都市で展開するルーム・メイトホテルがミラノのドゥオモ広場から徒歩2分の歴史的建造物を改装し2016年3月にOPEN。6フロアに客室は85室。本当に近いのです!周辺でのお買い物をたくさんして、手がいっぱいになってしまったら、一度部屋に荷物を置いて…また次のショッピングへもスムーズに行けてしまうくらいのロケーションの良さです。

もちろん、よいのはロケーションだけではありません。このホテルの内装を手掛けたのは、「パトリシア・ウルキオア」。カッシーナのアートディレクターにも就任し、イタリアやサローネでも彼女の作品等に出会う機会は頻繁です。「友人に会いに行く」というコンセプトで、リラックスした空間創りになっています。ヴィンテージ風の家具は優しいフォルムであたたかく迎えてくれるようなイメージ。多色使いながらも、トーンや配色が流石で、落ち着いたまとまりになっています。そう!お友達Giuliaちゃんの家に遊びに来たようなイメージなのです。

そして、水回りの素材や配色も独特。真っ白なタイルを色目地が引き締め、洗面ボールやパーツの色がポップな彩りを添えています。お部屋も洗面室も天井から壁に折下がってきている仕上げが、天井面を広く見せる錯覚からの広がり性と、壁面の重心の下がりから、安定感ある空間になっています。全体のスケール感も家っぽく、住宅デザインに取り入れやすいポイントも色々です。

(ちなみにシャワーブースとクローゼットは、だいぶラフな雰囲気です)

せっかくのなので、もっとゆっくり過ごしたかった私ですが、翌日は帰国のフライトのため早朝にチェックアウトをしなければなりません…というようなことを前日にフロントで話していたら、「朝食をテイクアウトで用意しようか?」と提案いただき、楽しみに朝を迎えました。ランチボックスのような朝食ボックス?!を受け取り、空港へ向かうタクシーでのモーニングを食す~中に入っていたのは、丸ごとの林檎やパンやジャムやクッキーやお菓子が…ごっそりと、これまたラフな感じに詰め込んでありました。まさに、お友達Giuliaちゃんのお母さんが持たせてくれるようなフランクで、あたたかい心使いをじわっと感じる。ミラノに行ったらまた立ち寄りたいホテルの一つです。

■Essence in life~暮らしの中へのエッセンス

空間の境目だって、自由に考えてみてもいい!例えば、天井面と壁面の境目のラインは、両者の交わる入隅(いりすみ)部分とは限りません。どこまでを天井とするか?壁とするか?クロスの仕上げや貼分けでボリューム調整の可能性を探ってみるのも一つの方法です。タイルの目地色をあえて目立たせたるのも、境目の存在感への着目の可能性です。

所在地: Via Silvio Pellico, 4, 20121 Milano MI, イタリア

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