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あとがき(ネタバレ含む)w

梶モード処女作『メニー・クラシック・モーメンツ(Many Classic Moments)』を書き終えて…

メニー・クラシック・モーメンツ(以下、MCM)は、数年前(2016年頃くらい)から構想自体は存在していたのですが、小説化するふんぎりがなかなかつかず、断片的なエピソードが独立してぽつんぽつんとあるだけで、5〜6年は宙ぶらりんの状態になっていました。
そんな宙ぶらりん太朗くんを、時々、パソコンのフォルダの中から引っ張り出してきては、骨を組んでみたり、組んだ骨をまた崩して組み替えてみたり、筋肉をつけたり、贅肉を落としたり…。
そういった作業を続けていると、だんだんと物語っぽくなっていって、いつしかひとつの作品としてまとまっていきました。

いつの間にか、時間が経っていたよ…

当初「シュン」を主人公にする予定だったのですが、書き進めていくうちに、あれ?「有季ゆうき」のほうが物語の中心人物(独白者)になりそうだな、という感じになって、主人公の座は、彼に渡すことにしました(…、といいつつ、最後のおいしいところは、ちゃっかり「逢子あいこちゃん」が全部持っていっちゃいましたが…^^)。

構想段階とだいぶ乖離したラストになってしまったことに、作った「梶」本人がたぶん一番驚いていると思います。
書いているうちに、各々のキャラクターに個性やアイデンティティが確立していき、このキャラだったらこういう行動をとるはず、あのキャラだったらこんなことを言うはず、といった感じで、自然にシュンや有季や逢子の手足や口が動いていきました。
よく言われる「キャラクターが勝手に動き出す」というのは、本当のことだったんだ、と、この作品の執筆を通じて、その ” 事実 ” を知ることになりました。

有季のモデルは ” 意外 ” な人物!?

ちなみに初期構想では、有季くんは「マッドサイエンティスト」の役にする予定でした^^。まさか真逆の「文学青年(コラムニスト&エッセイストのおじさん!?)」になるなんて… w
サトシくんのイケメン度も、初期形と比べて、ぐんと上がっています。シュンがぶるぶる震えるほど、パーフェクトなイケメンに仕立て上げました。  
時子ママも、より美しく、よりヴィラン度 w がアップした女性(!?)に描いてみました。

実は今、MCMのスピンオフ作品(三部作)を制作している最中なんです。どのキャラクターがフィーチャーされるかは、乞う(!?)ご期待!

いつの日か「note」にて、発表できたら…、と思っておりますので、公開の準備が整いましたら、改めてご連絡させていただきたいと思います^^

MCMは ” スピンオフ ” があって完結!?

MCMは、男性同士のカップルを登場させた物語になっていますが、単に同性愛モノを描きたかったワケではありません。どちらかというと、老後や死別についての不安(または、恐怖)だったり、修復不可能な恋愛についてだったり、好きな人にどんなことをしても振り向いてもらえない虚しさや折り合いのつけ方だったり、愛する人の死に目に会えない苦しみ…、等々、ユニバーサル(誰にでも起こりうる)な問題をテーマに、敢えてマイノリティの視点で執筆しました。
人間が生きていく上で、ふつうに悩むことを、ふつうに描きたい、その想いが、この小さな物語を執筆する私自身の動機にもなっていました。

メメント・モリも、物語の重要なテーマでした

私が尊敬している漫画家「よしながふみ」さんの『きのう何食べた?』のように、登場人物たちがごく身近な日常の中で、真摯に人生と向き合っていけるような物語を紡いでいきたい…、と思いながらMCMを綴ってきました(梶ごときが大先生に憧憬を抱いている時点で、たいへんおこがましい話ではあるのですが…)。

それでも、いつの日か自分にもよしながふみ先生のような、読者の心の中にあたたかなものをそっと息づかせられる物語が書けたら本当に幸せなことだな…、そんな理想を掲げながら、物書きとしての活動をこれからも続けていきたいと思っています。

梶も『何食べ』の大ファンなんですよ~

ちなみにMCMの登場人物「シュン」は、大の『何食べ』ファン、という設定にしています。料理好きな彼が参考にしているレシピは『何食べ』に載っているものばかりなんですよ。単行本でいうと5冊目の発売年くらいにシュンは夭逝ようせいしたため、その頃の彼がきっと読んでいたであろう「シロさんの(佳代子さん直伝の簡単)ハンバーグ」のエピソードを、本物語の前半部分に登場させていただきました。
シュンくんと有季が『何食べ』を読みながらその魅力的なハンバーグを一緒に作るという、ふたりのかわいい暮らしぶりをどうしても描きたかったのです~^^

読者の皆さま、本当にありがとうございました!

長くなりましたので、そろそろまとめに入りたいと思います。
おかげさまで、無事(!?)『メニー・クラシック・モーメンツ(Many Classic Moments)』を書き終えることができました。
最後まで読んでいただき、読者の皆さまには心より感謝申し上げます(あとがきを契機に、梶の物語にご興味をもたれた(!?)” 未来の読者さま ” ももちろん、大歓迎です^^)。

私はこの物語の作者として、ひとつの「答え」のようなものを頭の片隅に置きながら書き綴っておりますが、読んでくれた方々、一人ひとりが多様な解釈をし、たくさんの色で彩られ、大きな海へと続く「河口」のように、この作品の世界が広がっていったら、どんなに素敵なことだろう…、と、空想(妄想!?)しています^^

終わらない旅を~

読者の皆さま一人ひとりの心の中で、この小さな物語、そして、シュンや有季の人生が、かわいい感じにずっとずっと生き続けていってくれたら…、とても幸せに思います。
約半年もの間、梶の処女作にお付き合いくださり、本当にありがとうございました^^

🐾 梶モード 🐾

もし、万が一、間違って(!?)梶のサポートをしてしまった場合、いただいたサポートは、なにかウチの「ネコチャン」のために使わせていただきたいと思います。 いつもよりも美味しい「おやつ」を買ってあげる、とか…^^にゃおにゃお!