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本屋の新井さんの新井賞の本を読んだ

先週の金曜日に午後半休をとって、夕方の用事までの時間を神保町のブックセンターなるカフェ図書館みたいな空間で時を過ごした。その時に「本屋の新井」なる本に出会い、なんとなく読んだ。一気に読めた。その本で角田光代の「坂の途中の家」が新井賞として紹介されていた。

土曜日、ちょっと人間関係で落ち込むことがあり家からトボトボと歩いて5分のブックオフに逃げるように出向いた。そこで、新井賞のことを思い出して買った。そのまま駅までさらにトボトボと歩いて上島珈琲店で読み始めた。
その物語は全然ひとごとじゃなかった。あらすじは割愛するが、そこにある言葉、その空気感、言葉を放つ人の雰囲気さえ掴めるようにわかった。そして思った。人と人が理解し合うなどということは絶望的なまでに難しいことだと。本当の気持ちなど、本人でさえわからぬまま生きて自分の気持ちを発言しているかのようで実はそうでなくて、だとしたら誰が本当の気持ちなどわかろうか。大人になるにつれ、小賢しくなるにつれ、気持ちをオブラートに包みすぎてもはや気持ちに原形がないのだ。

とはいえ、私はその本に救われた。自分の状況をひどく冷静に見ることができた。「本屋の新井」を金曜の午後に読んでいてよかったと思った。
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