国分寺五郎のオヤジメシ料理帖 -白菜漬け-
はじめに
毎年、11月下旬になると漬物用白菜がスーパーに並びだす。普通は1玉200円から300円ほど。鍋用白菜でももちろん作れるが、割高になって年金生活者には手が出ない。
走りのころは待ちかねたように、3月の仕舞のころは名残惜しそうに白菜を買い求める。漬物用白菜が出回る間はサラダを作る必要があまりなく、その意味でも大変重宝している。季節を感じさせてくれる大切な食材である。
設備投資
漬物容器:落とし蓋つきプラ容器と重石の組み合わせでも良いが、ねじ込み式漬物容器が場所を取らずに便利。1000円ぐらい。
本日のお題:白菜漬け
わたくしの親の家業は町中の市場の中にある野菜屋。お店も台所も食卓も一緒くたで、母親が大きなすり鉢に塩した白菜を入れ、木の鍋蓋に一抱えもある漬物石を乗せて白菜を漬けていた。安山岩だったと思われるが、今でもその漬物石の形状が目に浮かぶ。あの石は今ごろ何処にあるのだろう。
材料について
①漬物用白菜:11月になると、漬物用白菜が出回ってないかと、自転車で10分ほどの業スーに、時々パトロールに出かけるようになる。12月中は必ず入手できるが、年が明けると段々と少なくなり、温州ミカンがなくなるころには漬物用白菜もすっかりなくなる。今回買い求めたものは特別大きく4.2kgもあって、業スーでも350円した。
②昆布:超安い、耳昆布の使用をお勧めする。
③唐辛子:スーパーの直売コーナーに唐辛子があれば薫り高く、美味しい。白菜漬けでは種も使う。
④ユズ:庭にたわわに生るが、上戸夫婦の私どもは、ほとんどをユズ酒として漬け込む。そして少し取っておいた貴重なユズを白菜漬けに用いる。干し柿を剥いた後の皮、あるいは温州ミカンの皮を薬味として使うこともある。ニンニクを使っても面白し、さらにキムチの素を使うとキムチもどき。
⑤食塩:塩分量が多い食事は、高血圧症になるので良くないと多くが信じている。ナトリウムを排泄する腎臓に問題がなければ、習慣的に塩分量が多い食事を摂取し続けたとしても、ナトリウムは水とともに速やかに排泄されるので、それだけでは高血圧症になることはない。
とはいっても高血圧になってから薄味にするのは酷だし、薄味に慣れ親しんでいた方が良く、また薄味の方が素材の味のすばらしさを堪能できる。
調理
①白菜を大きく2つに割る。切れ端がボロボロ落ちないように又裂きするのがコツ。漬物容器には半分しか入らないので、あとの半分は新聞でしっかりくるんでレジ袋に入れ、立てて冷暗所で保存。
②さらに1/4、1/8に裂く。
③葉の間、葉の根元も念入りに流水で洗う
④よく水を切って干す。干さなくても白菜漬けは出来るが、干した方が気持ちいい。良い乳酸菌も付くかもしれない。
⑤葉の間も含め、食塩を振りかける。十分に、かつ過剰にならないように。
⑥漬物容器に白菜を押し込み、蓋をねじ込む。大きい白菜だと半分が入りきらないことがある。その場合は入りきらなかった分にも塩を振りかけ、しばらくボウルにおいておく。そうすると全部漬物容器に入るようになる。
⑦数時間して水が上がったら、薬味(ユズ、昆布、唐辛子)を用意する。水が上がらない場合は、上下を返しながら、少量の塩を足す。
⑧水を流し捨て、
⑨一旦取り出して絞り、上下を返しながら、
⑩みじん切りしたユズ、昆布、唐辛子と白菜を順次積み重ねる。
⑪翌日、再び水が上がったら、
⑫保存袋に入れて冷蔵庫で保存する(寒い時期にはそのまま漬物容器で保存しても良い)。思いがけず暖かく、進みすぎて酸っぱくなった場合は、洗って保存する。
⑬食卓に上げる前、余分な食塩および過剰に繁殖した乳酸菌を洗い流すため、冷水で洗って絞る。ただし、かなり進んで少し酸っぱくなっても、それはそれで美味であることがそのうち分かってくる。
⑭食卓に上げる際には、根本の茎を切り落と、
⑮喉に詰めないようにやや細かく切る
⑯いただきま~す
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