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B2プレーオフ、アルティーリ千葉に起きた3.3秒の出来事

B2プレーオフ、アルティーリ千葉vs越谷アルファーズ。B1昇格をかけた負けられない戦い。リーグ戦上位だった千葉のホームでの開催。6000人近いお客さんが集まった、素晴らしい試合でした。

オーバータイム(延長戦)にまでもつれたGAME1は、ラスト3.3秒にすごいドラマが待っていました。珍しい光景で、解説をしていた松島良豪さんもびっくり。

何があったかと言いますと、、、

オーバータイム残り3.3秒で、越谷が4点リードしていた上に、千葉のファウルにより越谷にフリースロー2本が与えられました。このフリースロー、1本でも決めれば点差が拡がり、越谷の勝利が確実になります。シューターは小寺ゲイリーハミルトン選手。

しかし、小寺選手が2本ともフリースローを外してしまいます。リングに当たって外れたボールがコート内をバウンドしている中、そのボールを拾おうとした千葉の杉本慶選手が、自分がドリブルしやすい体勢を整えてからボールをキャッチします。そこからドリブルを突き、ハーフコート手前あたりからロングスリーを決めて、時間を残したまま1点差でファウルゲームに持ち込む…というプランを残り3.3秒の間に遂行したかったのだと思います。バスケットボールの試合は残り0.1秒切るまでどちらに勝負が転ぶか分からないのが醍醐味ですから。杉本選手の冷静な判断だったと思います。

しかし、杉本選手がフリースローの外れたボールをキャッチし、ロングスリーを打つためにドリブルを始め、顔を上げ、リングを見た瞬間、ゲームクロックが残り1秒くらいまで進んでおり、シュート体勢に入ることなく、そのまま試合が終了してしまいました。4点差で越谷が勝利したという形になったのです。
アウェーの越谷にとっては敵地で大きな1勝をあげた訳で、選手もブースターも大喜び。試合の進行としてもそのまま時間が流れてゆき、バスケットLIVEでは勝利チームインタビューも行われていました。

この時、テーブルオフィシャルズ(タイマー)は、小寺選手のフリースロー(2本目)がリングに当たったと同時にゲームクロックを進めてしまい、杉本選手がキャッチした時点で1秒近く時計が進んでしまっていたのです。
本来、バスケットボールのルールだと、フリースローのリバウンドはどちらかのチームがボールをキャッチ(保持)した瞬間にクロックを進めるというルールのはずです。杉本選手がボールに触れるまではゲームクロックを動かしてはならなかったのです。

アルティーリ千葉としてはテーブルオフィシャルズの誤りをそのまま見逃す訳にはいきません。なんせ、B1昇格がかかった大事な試合なのですから。越谷の選手たちがロッカールームに下がったあとも抗議を続けました。試合が終わったと思って帰るお客さんもチラホラ。しかし、千葉のアンドレレマニスHCは断固として抗議を緩めず、およそ30分ほど協議が続きました。
一度ロッカールームに下がった越谷の選手も、勝利者インタビューを終えた安斎竜三HCも、再びコートに戻ってきます。この30分の間、一度は「敗戦」を覚悟したアルティーリ千葉の選手たち、そしてブースターたちが待っているアリーナの雰囲気は、何ともいえない、今までに味わったことのない空間でした。

残り3.3秒で、4点差、バックコートからのスタートというのは、本当に奇跡でも起きない限り逆転するのは難しいと思います。それでも、このまま敗戦を認めて易々引き下がる訳にはいかない。まだこの先、GAME2、GAME3…と試合は続く訳ですから。この試合の終わり方というのは非常に大事だった訳です。
協議が終わるのを待つアルティーリ千葉の選手やコーチの姿勢は立派でした。そして、千葉ブースターさんたちも冷静にチームを見守っている姿が、見ていてすごく格好よかったです。

結局その試合は、千葉のヘッドコーチチャレンジが認められたという形で、ルーズボールシチュエーションとなり、残り時間3.3秒、千葉ボールでの再開となりました。
およそ30分の間、待ち続けた選手たちのメンタルも心配されましたが、どちらのチームも気持ちを切り替え、集中し、3.3秒をプレーしました。
バックコートスタートから、千葉のアシュリー選手(?)のスローインでペイント付近にいるリュウ選手(226cm)へロングパス(タッチダウンパス)。それを越谷のハーパー選手がカットするが保持できず、そのルーズボールを千葉のリュウ選手がキャッチし、2ポイントシュートを打ちます。しかし、そのシュートは外れ、4点差のまま試合終了。スコア通り、越谷の勝利となりました。
最後まで勝負をあきらめなかった千葉は立派でしたし、作戦を遂行した選手もさすがでした。バスケットボールの素晴らしさが凝縮された3.3秒間でした。


本当に、B1昇格のかかったプレーオフで、こういうジャッジ、結末は前代未聞で、異様だったと思うのですが、この続きは明日のGAME2で晴らされることでしょう。
越谷が勝てば、埼玉県のチームとしてBリーグ史上初のB1昇格となりますし、千葉にとっても2年連続B1の壁を破ることができず、悔しい敗退となってしまします。(滋賀vs山形の結果次第では3位決定戦?も行われるのでしょうか?)
とにかくHOMEのアルティーリ千葉はがけっぷちです。明日は絶対に負けられない、すごい試合になりそうです。
A千葉vs越谷、、、とんでもない試合になりますよ。(ガクブル)

でもね、、、アルティーリ千葉は強いです。B2最高勝率は伊達じゃない。勢いに乗せてしまっては止められません。ディフェンスもいいですし、スピード(走力)があって攻撃力もハンパないです。越谷はねぎをバンバン、バンバン、叩かないといけませんね!

越谷のブースターさん(アルファメイトさん)は、やっぱり滋賀県民として親近感があるんですよね。「翔んで埼玉 同盟」を組みたいくらい、これからも対戦が楽しみなチームですし、頑張ってほしいのが本音です。
いや~(汗)、本当にどうなってしまうんだろう?B2セミファイナル!


B革新で、昇降格制度がなくなるのは、ある意味でBリーグの盛り上がりが減ってしまうという議論もされているんでしょうかね?どうなんでしょう?
滋賀は今季、こういう(ポジティブな)プレーオフに参戦できたのが初めての経験ですので、本当にレギュラーシーズンとは全く違う面白さや激しさを実感しています。運良く勝ち進めているのでいいですが、負けた時の悔しさとか、絶望感は、想像したくありません。
B1残留プレーオフで苦戦したり、昨シーズンは実際に“降格”も経験していますので、悔しい思いはたくさんしているのですが、こういうポストシーズンの盛り上がりもBリーグの風物詩なんだなと実感しております。

プレーオフやばすぎ、、、
こればっかり言ってますね。


今回はこのへんで!

アルティーリ千葉vs越谷アルファーズのGAME1、オーバータイムの末に見た3.3秒の出来事についてお伝えしました。

てはまた!

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