スマホの次の波であるARの本質的インパクト | 人類の5つの限界超越を実現するという話

「AR(拡張現実)が普及したら私達の生活の何が大きく変わるんですか?」って聞かれたら皆さんはどう答えますか?

この質問にきちんと答えるのは意外と難しいと思います。ARの大きな可能性に気づいている人は多いですが、それが社会に対してどういうインパクトを与えるかをきちんと整理できている人は少ないからです。

ARにフォーカスしたMESONという会社をやっている者として、ARが今後社会に対して起こす変化に対する自分なりの考えをまとめてみました。

みなさんがARの今後を考える際の役に立てば幸いです。

先に結論を言ってしまえば、AR(拡張現実)とそれを拡張したMR(複合現実)によって、今まで人間が超えることができたなかった以下5つの超越が可能になると考えています。

1. O/Oの超越
2. 知覚の超越
3. 距離の超越
4. 時間の超越
5. 規模の超越

1. O/Oの超越

オンラインとオフラインの間には依然として大きな隔たりがあります。

各社がO2OやOMOという概念の元でOnline/Offlineの断絶をなくそうと躍起になっていますが、ARデバイスが浸透すればオフラインの情報をインプットとしてオンライン情報を表示するというのは当たり前になり、人間が「デジタル」というものを発明して以降続いたOnline/Offlineの断絶に終止符を打つことができます。

例えば、目の前にある商品をARグラスが認識すれば、レビュー情報やその商品を使ったコーディネート画像などのオンライン情報がその商品の周りに自動で表示され、よりスムーズに購入の意思決定をすることができる。


もしくは以下画像のように街で見かけた服をその場で特定し、購入することも可能になる。


いまみなさんは何かを検索するときにデジタル上にのみ存在しているGoogleなどの検索サイトにキーワードを入力することで情報を消費しています。

ARが普及すると、現実世界において視界に入るもの(視覚情報)、あなたがいる場所(位置情報)、声や環境音(音声情報)などをあたかも検索キーワードのように使い、それに基づいた情報を消費することが可能になります。

その意味で、長きに渡ったOnline/Offline、つまりO/Oの断絶を人類は超越することができるのです。


2. 知覚の超越

ARによって限られた人間の知覚能力も大きく拡張されます。

例えば、以下画像のようにARメガネやコンタクトレンズに組み込まれたカメラと機械学習アルゴリズムの組み合わせによって、相手の表情や目の動きのパターンを解析して人間が察するよりも高い精度で相手の感情を把握することも可能になります。


また、数値化できるものは全てAR上で視覚的に見えるようにすることが可能なので、将来は気象情報をもとに"風を見たり"、特殊なカメラと組み合わせて"菌を見たり"することができるようになります。

ゴルフをする際に、風を"実際に見ながら"プレイをする日が来るのも近いかもしれません。

3. 距離の超越

電信機、電話、電子メール、ビデオ通話ツールの発明を通じて人類は距離の制約から徐々に開放されていきました。ARとそれを拡張したMR技術によって人類は完全に距離の制約から開放されるようになります。

Hololensの開発者アレックス・キップマンが2016年にTEDの壇上で見せたように、ホログラムで遠隔地から別の場所に登場して相手と会話をしたり。


もっと進んでテレイグジスタンスと言われるような、遠くの場所にいるロボットを遠隔から操作し、VRデバイスでそのロボットの視点を共有することで実際にその場所にいる感覚になり、かつ現地で物を動かしたりなどの物理的なインタラクションも取ることができます。

五感情報を完全にフィードバックするデバイスが生まれれば知覚情報は現地に行って得られるそれと変わらなくなり、またそのロボットを見る相手がMRメガネやコンタクトを通して見た時にそのロボットが操作している人間の姿に変換されて見えれば、自分にとっても相手にとっても実際に会っているのと変わらない体験をすることが可能です。



4. 時間の超越

ARとVRを組み合わせることによって過去の再現・没入と将来ありえる状況のシミュレーションが可能になります。

IntelがCES 2018で発表したVolumetric撮影技術は、完全に3次元で映像を撮影できる技術で、一度撮影してしまえば好きなアングル・位置から映像を見ることができます。デモの中では劇中に登場する馬の視点になって映像を見たりもしていました。

このように空間を3次元で保存できるようになると、当然3次元なのでその空間をAR・VRで再現し、好きな視点で見たり歩きまわったりと、過去にもどったような体験をすることが可能になります。

ハリーポッターの憂いの篩、映画デジャブのように"過去に実際に行って見てくる"ということが可能になるのです。

実際の動画は以下ページの01:03:00らへんから。


またマシンの計算能力が上がってくると高い精度で将来をシミュレートすることが可能になり、シミュレーション結果を3次元で出力すれば”未来に行って体験してくる”ということも可能になります。

このようにAR技術はVR技術と組み合わせながら時間軸の超越も可能にします。

5. 規模の超越

最後が規模の制約を超越できるという話です。

AR技術とVR技術を組み合わせて利用することで、通常であれば実体験が不可能な極小環境の疑似体験(人体の中にミクロサイズで入って生体反応を観察したり)や極大環境の疑似体験(建築物の構造を机の上で俯瞰で見ながら設計をブラッシュアップしたり)ができるようになります。


まとめ

以上のように、ARが社会にもたらす変化を大きく整理してあげると、毎日のようにリリースされているAR関連技術やアプリが本質的なものなのかどうかを見極められるようになり、かつ自分たちがどういったARサービスを作っていけばいいかの指針になるのではと思います。

MESONはこのように本質的にARの価値や未来について考え、ものづくりしていく集団です。一緒に本当に価値のあるARサービスを作っていきたいクライアント、メンバーを募集中なので是非ともお気軽に連絡くださいませ。


また、社外の方々とAR/VRの未来についてディスカッションしてもっと考えを深めていきたいので是非TwitterやARに関するFacebook Groupで意見を頂ければ幸いです。


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KAJI @ MESON CEO

MESON XR MAGAZINE

株式会社MESONのメンバーが交代しながら、毎週自分たちが仕事をしていく中で集まったVR/AR界隈に関する知見をブログとして公開していきます。
4つのマガジンに含まれています

コメント1件

素晴らしい記事でした。
ありがとうございました。
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