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グロースハックで良い施策が思いつかないスランプに陥ったときのガイド

グロースハックの全体プロセスは以前記事で詳述したが、それでも前に進めなくなるときが来ます。

最も代表的なのはKPIが決まっても、それを向上させるための有効な施策が思いつかないときです。

有効な施策を思いつくためには「なぜKPIが低いのか」「こうしたらもっとKPIが向上するはず」という仮説が必要ですが、ユーザーテストやデータ分析から有効な仮説が作れないというケースも極まれにあります。

例えばメディア系のアプリで、初日に1記事でも読んだユーザーはリテンションが大幅に向上するというデータが見つかり、KPIを「登録初日ユーザーのうち、初日に1記事読むユーザーの割合」と設定したとします。

その場合、「なぜ多くのユーザーが初日に1記事も読まないのか」という理由の仮説を構築していくことが有効な施策を考えていく上で鍵となります。

しかしメディア系のアプリだとこれが意外と難しかったりします。

なぜならメディアというサービス形態はとてもシンプルなので、上記の理由が「どういったサービスかユーザーに伝わっていない」「使い方が分からない」などのユーザーテストを通じて簡単に発見できる理由であることが稀だからです。

したがって、こういったシンプルな形態のサービスほど施策が思いつきづらいのです。

簡単にスランプに陥ってしまいます。

ではそうしたスランプに陥った場合はどうするか。

答えはシンプルで、「ユーザーから話を聞きまくる」すなわちユーザーインタビューです。

そうすることで、データ分析やユーザーテストでなかなか良い仮説が立てられない状況においても、何かしら仮説のタネになるような発見を集めることができます。

では仮説のタネを見つけるために、ユーザーインタビューではどのような質問をするべきなのか。

以下でテンプレート的に使える設問集を載せるので、適宜調整しながら使ってみてください。

ユーザーインタビューの設問テンプレート


サービスとの関わり合い

・このサービスのことを初めて耳にしたのはいつ、どのようにして?
・初めてこのサービスを使ってみたのはいつ、どのようにして、そして何のためだったか?
・最初にサービスを使ったときの目的は達成されたか?
・このサービスに対する最初の印象は?
・このサービスに再度訪問したのはどうしてか?どのようにしてか?
・どのくらいの頻度でこのサービスにアクセスしているか?
・アクションAをしたことがあるとしたら、それはどうして行ったのか?期待どおりの結果が得られたか?
・課金や買い物をしたことがあるとしたら、何をどうして購入したのか?また、それによって期待通りの結果が得られたか?


ドメインに関する知識と経験 / 競合との関係

・このドメインに対する自分の知識をどの程度と自覚しているか?
・このドメインに関連するタスクをどのくらいの頻度で達成してきたか?
・★同じようなことをするのに使ったことのある他のサービスはあるか?
・★あるとしたら、いつ、どのくらいの頻度で利用しているか?
・★他のサービスの気に入っているところと気に入らないところはどこか?
・★それらの他サービスと比較して、このサービスをどう思うか?

※ 上記で★印を付した質問は特にスランプ期に有効な仮説のタネを見つける助けになってくれるはず。


ゴールと行動

・最近、このサービスにアクセスしたときの手順を具体的に再現してもらう
・このサービスを使うときの典型的な手順は?
・このサービスでもっともよく使う機能やコンテンツは何?その理由は?
・このサービスでもっともよく使わない機能やコンテンツは何?その理由は?
・このサービスで現状ではできないが、できると良いと思うことは?
・現状のこのサービスが提供している体験でもっと簡単に、あるいは違う方法でできたら良いと思うことは?
・いつ、どのようにして、実際の店舗や宿泊など、サービスのWEBサイトやアプリ以外のものを使うのか?


サービス理解 / 態度や動機

・このサービスを友達に紹介するとしたら、どのように紹介するか?
・このサービスの使い方を説明するとしたらどのように紹介するか?
・このサービスで一番気に入っているところと一番気に入らないところはどこか?
・どうなっていれば、もっとこのサービスを使うようになると思うか?


今後の可能性
・追加を検討している新しいアイデア/機能/コンテンツなどについてどう思うか?
・新しい機能を使う頻度はどのくらいになると思うか。またその理由は?
・総合的に考えて、もっとも重要だと思う改良すべき点はどこか?

まとめ


正直、上記に挙げた質問の中にはユーザーテストの教科書でNGパターンとして指摘されている内容もいくつか含まれています。

例えば教科書的にはユーザーにサービスの改善のアイデアなど聞くべきではないし、未来の機能の使用頻度を訪ねても実態に即した回答は返ってきません。

しかし、この設問リストはスランプに陥った際に何としてでも仮説のタネを見つけるためのものです。

もしあなたがスランプに陥ったら、騙されたと思ってこれらの質問をユーザーにぶつけて話を聞いてみてください。

きっと何かしらの仮説が見つかり、また前に進めるようになるはずです。

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