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なぜ企業でうまくいっているあなたは企業外コミュニティを始めるのに苦労するのか?


前回、組織を構成する3つの要素と企業外コミュニティについて書きました。

今回はその記事を踏まえて、なぜ企業でうまくいっているあなたは企業外コミュニティを始めるのに苦労するのか?を書きます。

企業の特性は以下のとおりです。

・目的は企業が決める
・報酬が約束されている
・上司からの指示された目的は明確な理由なく反対できない
・きまった時間で拘束されている
・指示系統がはっきりしている
・簡単には離脱できない

前回ご説明した組織の3要素は、共通目的、貢献意欲、コミュニケーションでした。

企業は組織としての目的が明確に決まっています。
基本的には、社会に対して活動し売上と利益を得ることです。

企業の目的にたいして企業人は報酬を得ることを前提に同意することで共通目的とし、組織に所属し、特定の時間拘束され、上司の指示に従い仕事をします。
企業は拘束されている固定した社員に、貢献意欲を醸成し、コミュニケーションを円滑にするように色々工夫をします。

さて、一方で企業外コミュニティはどうでしょうか?

特性として全く逆になります。

・目的は自由
・報酬が約束されていない
・メンバーからの指示された目的は明確な理由なくてもノリで反対できる
・きまった時間で拘束されていない
・指示系統がはっきりしていない
・簡単に離脱できる

この特性を理解せずに企業外コミュニティを始めると非常に苦労します。

あなたが企業外で目的を持ってやりたいことがあるとき、普通に企業と同じ感覚で目的から始めるでしょう。

「〜やりたいから一緒にやってくれる人募集」

こんな形で、企業外コミュニティの参加者を募るでしょう。もちろんその目的に賛同する人が集まると思います。

ただし、その時に会社の部下を持っているような気持ちで企業外コミュニティにとりくんだら以下の様なことを言われる事になります。

・自分が考えた目的が参加者の目的と一致しない
 「そもそも目的が、私がやりたいことはちょっとちがうんだけど」
・参加者から報酬を問われて困る
 「それやって僕に何のメリットがあるの?」
・価値観の違いだけでノリで目的に反対される
 「いやー、それちょっと違うと思う。説明できないけど。」
・期限を決めて指示しても対応してくれない
 「ごめん、忙しくてできないわ」
・指示してもだれも動いてくれない
 「あれ、それ私担当だっけ?」
・気軽にやめてしまう
 「ごめんなさい、ちょっと忙しくてやめます」

心当たりありませんか?

僕はいっぱいあります。

企業外コミュニティでは、その特性からこうなるのはしかたがないんです。
その特性を理解せずに活動をすると、この周りがだれもついてきてくれない状況に対して孤軍奮闘することになります。
メンバーに活動してもらうために準備し、活動しているかを細かくチェックし、ひょっとすると自腹で飲みに連れて行って報酬代わりにすることにしているかもしれません。
あなたが楽しければいいですが、もともとあなただって報酬がない状態だから、メンバーの不満に対応するのも自発的な活動です。どこかで、「なんで報酬もないのにこんな仕事みたいなことをやっているんだろう」という気持ちになると思います。

残念です。

何故うまくいかないんでしょうか?

それは、あなたが企業のやり方で企業外コミュニティに取り組んでいるからうまくいかないんです。企業ではいろいろな不満も報酬があるということで、部下は我慢します。
しかし企業外コミュニティでは基本的に報酬がないです。あなたの部下ではありません。そのためメンバーは我慢しないです。

だからどうしたらよいか。

コミュニケーションから始めるんです

前回ご説明したとおり、コミュニケーションから始めて、このメンバーで何かをやりたいという貢献意欲を醸成します。

その段階で、あなたがやりたいことをメンバーにコミュニティの目的として提案するのです。

メンバーはコミュニケーションと貢献意欲が醸成された段階では、何かをやりたいという気持ちがありますので、あなたの目的を喜んで検討してくれるでしょう。その中で、そのコミュニティのメンバーが楽しいこと、やりたいこと、得意なことが組み込まれて目的がもまれていきます。

そうすると、報酬はお金ではなく、そのメンバーで作った楽しくて、みんながやりたくて、得意なことが共通目的になります。

お金のために我慢して仕事するのではなく、一緒にやりたいメンバーと活動するために自発的に一緒に目的を作って行動する。

それが社外コミュニティで必要なんです。

ひょっとするとあなたが当初やりたいと思っていたことができない気がするかもしれない。

でも、試してみてください。きっとあなたが思っていた以上の結果が出てくると思います。

それでも、残念ながら社外コミュニティの特性は完全には排除できないのですが、コミュニティ全体の目的になればきっと自発的に助けてくれる人が出てくると思います。

やってみましょう。


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